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掲載日:2025年6月20日

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企画財政委員会視察報告

調査日

令和7年1月22日(水曜日)

調査先

(1)TOPPAN株式会社(東京都文京区)
(2)東京都庁(東京都新宿区)

調査の概要

(1)TOPPAN株式会社

   (官民連携の取組について

【調査目的】

■本県の課題

  • 人口減少・高齢化などの様々な課題を解決するため、県と民間がそれぞれの特性や資源を生かし合う官民連携を推進する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 同社は、2000年代の住民基本台帳カードの自治体DX化支援をきっかけに、現在においても、マイナンバー関連事業の基盤を支えているほか、自治体の事務処理業務においてもICT技術を活用した支援を行っている。
  • 埼玉県では、「彩の国だより」の作成業務や「さいたまサイクルエキスポ事業」の運営支援、「埼玉県特別高圧受電事業者等支援金審査等」の業務委託の実績があるほか、県内自治体でも多数の支援実績がある。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 官民連携の取組事例として、3D都市モデルとVPS(現実の風景から位置情報を高精度に特定する技術)を活用した自動運転車両の自己位置を推定するシステムの開発や、自治体キャッシュレス決済プラットフォーム「地域Pay@」を開発し、地域独自のキャッシュレスサービスの導入促進(熊谷市が採用)がある。このほか、文化観光振興、医療、防災、SDGsなど幅広い分野での支援実績がある。
  • 自治体からの相談では、職員数は定数で管理されており、増やすことが難しい一方で、職員の業務の負担が大きくなっているとの声が聞かれる。札幌市の事例では、複数部署の事務業務を集約し、一括して処理する「行政事務センター」を構築し、運営する支援を行なった。この取組では、BPR(業務改革)をしながら業務を代行したことが特徴的であり、職員30人分の業務が削減された。
  • これまでの事例は、政令市など規模の大きい自治体との実績が多い。中小規模の自治体では、職員不足で持続可能な行政運営が困難になるといった懸念がある中、業務量が少ないため、委託をしてもコストメリットが出せないといった課題がある。そこで現在、複数の自治体の業務を標準化して、まとめて事務を委託する、自治体広域連携による共同事務センターを構想している。

■質疑応答

Q:同社の強みとなるものは何か。

A:複雑な業務を整理し、効率化するノウハウやイベントでの告知力、そして、企画立案したものは最後まで実行し、PDCAによる成果分析まで行う伴走型の支援などが強みである。また、秘匿性の高い情報の取扱いについては、国内において、どこにも負けない管理ノウハウを有している。

Q:業務の課題が、職員の中でも分からないといった状況であっても、業務改善の提案を受けることはできるのか。

A:可能である。まずは、実際の業務をヒアリングして、我々の目線で課題を示している。それに対し、DXツールの導入や業務委託など様々な提案を行う。実際に、埼玉県内の複数の自治体からも同様の相談を受けている。

                                                                                        TOPPAN株式会社にて議員とスタッフの集合写真

                                                                                                                   TOPPAN株式会社にて

(2)東京都庁

庁内DXの推進について

【調査目的】

■本県の課題

  • 行政のデジタル化を推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで、快適で豊かな真に暮らしやすい埼玉県への変革を目指す必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 東京都は、令和2年に「スマート東京実施戦略」を策定して以降、DX推進の礎となる戦略・組織・人を整備してきた。都政のQOS(サービスの質)と都民のQOL(生活の質)を向上させるため、令和3年4月にデジタルサービス局を設立した。
  • また、令和5年7月には、行政と民間が協働して斬新でイノベーティブなサービスを生み出す新たなプラットフォームとして「一般財団法人GovTech東京」を設立し、更なるDXの強化を推進している。
  • 庁舎内では、都政の構造改革「シン・トセイ」の取組として、フリーアドレス導入や柔軟な机の配置等を行うなど、より活発なコミュニケーションを促し、縦割りの壁を越えた新たなイノベーションの創出を図っている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 都政のデジタル化を推進するとともに、今後は、都民が実感できるDXのX(トランスフォーメーション)の実現が重要であると考えており、デジタルサービス局が牽引する全庁的・局横断的な取組を進めている。
  • 都の行政手続100%デジタル化に加え、手続の品質を見える化し、都民目線の魅力的品質を向上させる取組や、DXの推進役である「CIO補佐官」を各局に配置し、各局の自律的なDX推進体制を強化する取組を実施している。
  • また、GovTech東京では、都内全ての62区市町村が参画する形で事業を開始しており、都庁・区市町村のDXをはじめ、デジタル基盤強化・共通化やデジタル人材の確保育成、官民共創の取組を推進するなど、東京都と協同してサービスを展開している。
  • 団体設立から1年間で、行政手続時間の短縮化やデジタル人材の大幅拡充(設立時13人から61人/令和6年9月時点)が実現し、各自治体共通の課題を伴走型で解決するサポートでは、32自治体47プロジェクトが始動するなどの実績があがっている。
  • 将来的には、首都東京だけでなく全国1,700以上の自治体にも貢献することを目指しており、2040年に半数以上の自治体でサービスが採用される等の重要目標達成指標を設定している。

■質疑応答

Q:GovTech東京では、全国の自治体にサービス展開をしたいとのことであるが、どのような構想を考えているのか。

A:デジタルサービスは横展開がしやすいという特徴がある。都では「東京デジタルアカデミーポータルサイト」を開設し、デジタル公共財として、ノウハウや情報を展開している。また、デジタル人材においても、GovTech東京の任期付きの職員が、その後、他自治体でも活躍できるようにしていきたい。

Q:GovTech東京では生成AIを導入、活用しているのか。

A:GovTech東京では業務でも使用しており、都や区市町村に対しても利用を提案している。最近では、SNS等を含めた多様な意見を集約し、分析することができる「ブロードリスニング」の活用を提案している。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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