ページ番号:272379

掲載日:2025年9月17日

ここから本文です。

議会運営委員会視察報告

調査日

令和7年5月12日(月曜日)~13日(火曜日)

調査先

(1)岩手県議会(岩手県盛岡市)
(2)宮城県議会(宮城県仙台市)
(3)宮城県農業・園芸総合研究所(宮城県名取市)

調査の概要

(1)岩手県議会

   (議会運営について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 開かれた議会づくり及び議会改革の推進、大規模災害時等業務継続計画の拡充を行う必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 岩手県議会では県民に開かれた議会に向けた取組として、保護者も参加する親子県議会教室を実施している。
  • 議会改革の取組として、代表質問及び一般質問において、分割質問方式又は一問一答方式を導入している。
  • 東日本大震災での経験を踏まえた大規模災害時等業務継続計画を策定した。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 広聴広報会議における検討を経て開始された「親子県議会教室」については、平成30年度以降、毎年度1回開催し、計139名の児童とその保護者が参加している。令和6年度からは、議員が学校に出向いて行う「岩手県議会出前講座」を開始するなど、開かれた議会づくりに積極的に取り組んでいる。
  • 傍聴者へアンケートを取った結果、分割又は一問一答方式の導入により、質問と答弁の対応関係が非常に分かりやすくなったとの意見が多く寄せられている。
  • 大船渡市林野火災が2月定例会開会中に発生したが、大規模災害時等業務継続計画に基づき執行部と協議し、速やかに災害対策本部の設置・迅速な対応に取り組むことが可能となった。

■質疑応答

Q:学校の授業時間の中に出前講座を組み込む場合、平等性の観点から一学年全てのクラスで行う必要が生じる。その場合、議員を何人派遣すべきかといった課題があるが、どのように対応しているのか。

A:基本的に一つの学校に対しては議員2名を派遣している。大人数の学校の場合には、体育館や講堂等の大きな会場を使用し、一学年の全生徒が参加できるように対応している。

Q:親子県議会教室や岩手県議会出前講座の募集・周知をどのように行なっているのか。

A:ホームページでの募集を行うほか、教育委員会を通じて出前講座の募集・周知を行っている。また、親子県議会教室についてはチラシを作成し、県内の全学校に送付するなど、幅広く周知するよう取り組んでいる。

Q:岩手県議会出前講座において、学生との意見交換を行なった際に出た意見について、執行部へのフィードバック等を行なっているのか。

A:学生からの意見を執行部へフィードバックするところまでは行っていない。まずは、議員の活動を広く若い県民に知ってもらうところから始めている。

Q:新型コロナウイルス感染症のまん延時において、岩手県では感染者の発生を低く抑えていたが、議会災害対策連絡本部ではどのような対応を行って、感染者の発生を抑止していたのか。

A:対策連絡本部を設置して様々な議員の情報収集活動と執行部との情報交換、それを踏まえた国への提言を適切に行うことによって、少しでも抑止につながったと考えている。

(2)宮城県議会

(議会運営について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 議会改革や開かれた議会づくりの推進及び議会の政策立案機能の強化について、拡充を行う必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 宮城県議会では、住民参加の一環として、県内在住者を対象に県議会議員との意見交換会を開催している。
  • 「みやぎ食と農の県民条例」の条例改正に向けて協議するための検討会を設置し、協議・調整を経て、令和7年2月定例会において議員提案条例として議案を提案、可決された。
  • 平成23年3月に発生した東日本大震災における震災記録誌を作成するとともに、災害時における議会の対応マニュアルの策定を行なった。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 平成29年度から若者との意見交換会を行ってきたが、令和7年度は対象を高校生に限定した「高校生と県議会議員との意見交換会」の実施を予定している。
  • 条例見直し検討会では、県内農業を取り巻く情勢の変化を踏まえて見直しを行うほか、施策を推進するため、県が必要な財政上の措置を講ずるための協議・調整を行い、改正案の提案を行なった。
  • 議会災害対応マニュアルは、議会改革推進会議において検討を行い、平成27年9月に各会派代表者会議の承認を経て策定に至った。

■質疑応答

Q:県民との意見交換会について、令和6年度は参加対象者の年齢をそれまでの「18歳以上」から「15歳以上」に幅を広げているが、実際に高校生の参加はあったのか。

A:高校生は3名の参加があった。実施後に参加者に話を聞いてみると、「議員と話をする機会がないので、良い機会になった」といった感想も頂いた。

Q:意見交換会は何かテーマを決めて意見交換をするのか。それとも、自由に意見交換をするのか。

A:昨年度は、「選挙」をテーマとして設定した。グループ分けをして、議員にコーディネートしてもらい、意見をまとめる形で実施した。

Q:「みやぎ食と農の県民条例」の改正について、アグリテックに関しては条例改正にどのように盛り込まれているのか。

A:今回の条例改正に当たり、基本的施策の見直しを行っており、その中でアグリテック・スマート農業の視点での施策を入れている。具体的には、「農業生産技術の改良、情報通信技術その他の先端的な技術等の活用等により、生産性の向上を図る」という項目を入れている。また、執行部の計画でもそのように取り組むことが明記されている。

Q:議員の安否確認をどのように行っているのか。本県でも行っているが、回答に関して課題があると感じている。実際に震災を経験された宮城県議会はどのような状況なのか。

A:執行部と合わせて安否確認システムを導入した。事前にメールアドレス等を登録し、地震発生時には自動でメールが届き、安否状況を返答できるようになっている。

宮城県議会にて議員とスタッフの集合写真

宮城県議会にて

(3)宮城県農業・園芸総合研究所

(「みやぎ食と農の県民条例」及び「第3期みやぎ食と農の県民条例基本計画」を踏まえた取組等について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 議員提案条例の制定・改正を受け、どのように施策に反映されているか、確認する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 宮城県では、「第3期みやぎ食と農の県民条例基本計画」を作成し、その中の施策で「先進技術等を活用した農業生産の効率化と高度化」を掲げ、アグリテック導入者拡大のため、効果的に活用する支援を行っている。
  • 令和5年度には、「アグリテック活用推進セミナー」を2回開催しており、農業者や機械メーカー等220人が参加し、測位の精度を向上させるRTKシステムによる自動操舵トラクターの見学や、機械メーカーと個別相談ができる後援会の開催等を実施している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 「みやぎ食と農の県民条例」で策定が定められている基本計画について、「第3期みやぎ食と農の県民条例基本計画」を令和3年に策定している。今年度は中間年として計画を見直す年であるが、令和7年2月に改正された条例を踏まえて、今年度中に基本計画の見直しを行っていくため、各課で検討が始まっている。
  • 全国的にはスマート農業との名称を使用しているが、同県では「アグリテック」という名称を用いて計画に位置付けている。特に、機械化体系の確立を目指して研究に取り組んでいる。
  • RTKシステムの活用が同県の特徴である。令和4年度に国の補助事業を活用し、県内に七つのRTK基地局を設置して令和5年度から運用を開始した。現在では、約190法人が利用している。

■質疑応答

Q:RTKシステムを農家が設置するに当たって、不具合が出てくることもあるかと思うが、そのような苦情は県にも直接寄せられているのか。

A:設置に当たり、メーカーへ確認するように案内や研究所独自の説明会の開催、マニュアル作成を行っている。また、各メーカーには事前にアフターケアの実施を依頼しており、基本的には農家とメーカーとの間でやり取りがされるため、県に対しての苦情はほとんど来ていない。

Q:RTKシステムには、どのような作物・作型に対して良い影響があるのか。

A:県内で多く使われているのが、米・麦・豆の作物である。また、玉ねぎ・枝豆・馬鈴しょといった野菜についても、農薬や作業時間の軽減ができるため、RTKシステムが付いた機械で作業ができるよう実証を重ねており、少しでも普及が進むよう研究している。

Q:民間でRTKシステムを設置する動きはあるのか。

A:県が設置したものとは異なる独自なシステムを宮城県内だけでなく、東北全体に広めていく動きがある。また、隣県だと福島県が今年度から県全域で運用を開始し、山形県も民間主導で県内全域をカバーする取組を行っている。当県もいろいろと問合せを受けており、今後、RTKシステムが広まる可能性はあると考えている。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 議事担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?