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2026年6月24日

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カスハラの基礎知識

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?

「埼玉県カスタマーハラスメント防止条例」では、以下の3つの要件を全て満たすものを「カスタマーハラスメント」と定義しています。

  1. 顧客等からの言動であること
  2. 就業者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものであること
  3. 就業者の就業環境が害されること

注意!

  • 顧客等からの全ての苦情、クレームがカスハラに該当するわけではありません。
  • 顧客等の「正当な申入れ」が妨げられることのないよう配慮されなければなりません。

顧客等と就業者

顧客等とは

以下の1.から3.のいずれかに該当する方です。

  1. 現在、商品やサービスの提供を受けている方
  2. 将来、商品やサービスの提供を受ける可能性のある方
  3. 事業者の行う事業に関係する方

例えば1.から3.の定義を、工事を行う事業者との関係に当てはめると以下のとおりとなります。

1.工事を発注した方、2.工事の発注に向けて調整している方、3.工事現場の近隣の方

就業者とは

事業者の行う事業の業務に従事する全ての方です。

例えば、従業員(正社員、パート、派遣社員等)、公務員、団体職員、個人事業主、議員、ボランティア等が該当します。

 

顧客等と就業者の具体例

1.現在、商品やサービスの提供を受けている方

顧客等

就業者

お店の買い物客

お店の販売員

電車・バス・タクシーの乗客

鉄道員・バスの運転手・タクシーの運転手

医療機関の受診者

医師、看護師、病院の受付職員など医療機関で働く人

夏祭りなどの自治会イベントの参加者

自治会イベントの役員

事業者同士の取引で発注する人

事業者同士の取引で注文を受ける人

 

2.将来、商品やサービスの提供を受ける可能性のある方

顧客等

就業者

レジで順番を待っている人

レジの担当者

ホテルの予約をした人

ホテルの従業員

3.事業者の行う事業に関係する方

顧客等

就業者

工事現場の近くに住む人

工事を行う人

児童、生徒の保護者

教員、学校関係者

医療、介護サービスの利用者の家族

医療従事者、介護従事者

「社会通念上許容される範囲」を超える言動

ある特定の行為に対して、一律で「カスハラだ」と判断することはできません。

就業者が働いている業種・業態、業務の内容に加え、顧客の言動の目的や経緯など、総合的に考慮する必要があります。

「言動の内容」と「手段や態様」の両方に着目し、総合的に判断することが適当です。

言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの

1.商品・サービス等と全く関係のない要求

典型例

  • 性的な要求や、就業者のプライバシーに関わる要求をすること

2.契約等により想定しているサービスを著しく超える要求

典型例

  • 契約内容を著しく超えたサービスの提供を要求すること

3.対応が著しく困難、又は対応が不可能な要求

典型例

  • 契約金額の著しい減額の要求をすること

4.不当な損害賠償要求

典型例

  • 商品やサービス等の内容と無関係である不当な損害賠償要求をすること

手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの

1.身体的な攻撃(暴行、傷害等)

典型例

  • 働く人に対して殴る、蹴る、叩く等の暴行を行うこと
  • 働く人に対して物を投げつけること
  • 働く人にわざとぶつかること

2.精神的な攻撃

典型例

  • 土下座の強要
  • SNS等に悪評を投稿することをほのめかし、働く人を脅迫すること
  • 働く人の人格を否定するような言動を行うこと

3.威圧的な言動

典型例

  • 大きな声をあげて働く人や周囲を威圧すること
  • 反社会的な言動を行うこと

4.継続的、執拗な言動

典型例

  • 就業者に同様の質問を執拗に繰り返すこと
  • 同様の電子メール等を執拗に繰り返し送付すること

5.拘束的な言動

典型例

  • 長時間にわたる居座りや電話で就業者を拘束すること

就業者の就業環境が害されること

顧客等の言動により、就業者が働くうえで見過ごすことのできない程度の支障が生じることをいいます。

顧客等の言動の頻度や継続性は考慮しますが、身体的又は精神的な苦痛が強いと、1回の言動でも就業環境が害される場合があります。

顧客からの正当な申入れ

苦情の全てがカスハラに該当するわけではありません。

客観的に見て、社会通念上許容される範囲で行われる苦情や意見は、「正当な申入れ」です。

また、消費者、障害のある方、認知症の方などを保護する法律があります。就業者と顧客等が対等な立場に立っていることを前提に、合理的な配慮をしなければならないことに留意が必要です。

合理的な配慮を行うことが規定された法律の例

法律

保護される人

内容

消費者基本法
(昭和43年法律第78号)

消費者

第2条において、
(1)消費者の安全が確保され、商品やサービスについて、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の提供が確保されること
(2)消費者に被害が生じた場合は、適切かつ迅速な救済が消費者の権利であること
が基本理念として謳われています。

消費者契約法

(平成12年法律第61号)

消費者

第3条第1項第1号において、
事業者が消費者と契約するときには、契約の条項が消費者にとって平易なものになるよう配慮すること
が努力義務となっています。

共生社会の実現を推進するための認知症基本法
(令和5年法律第65号)

認知症の人

第7条において、
日常生活・社会生活を営む基盤となるサービスを提供する事業者は、サービスの提供の時に、支障のない範囲内で認知症の人に対し必要かつ合理的な配慮をすること
が努力義務となっています。

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律

(平成25年法律第65号)

障害者

第8条第2項において、

障害者から社会的障壁の除去を必要とする意思表明があった場合は、事業者は障壁を除去することの負担が大きすぎなければ、障害者の障害の内容や、年齢や性別等を考慮して、必要かつ合理的な配慮を行うこと

が義務付けられています。