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掲載日:2025年9月19日

令和6年度終了研究課題( 化学物質・環境放射能担当 R5~R6 人工甘味料濃度及び蛍光強度を利用した下水道不明水の侵入箇所の推定手法の検討)

(化学物質・環境放射能担当:竹峰、蓑毛、堀井、落合、渡辺;研究推進室:大塚;水環境担当:池田)

不明水の増加は、水処理への影響、汚水の溢水、道路の陥没等、様々な環境問題を引き起こす。埼玉県内の関係自治体及び下水道事業体にとって、不明水対策は大きな課題となっている。ただし、対策には侵入箇所を特定する必要があるが、想定される侵入箇所付近での流量の長期的な観測や目視調査等が必要であり、容易ではない。

これまでの研究で、人工甘味料や蛍光強度が生活排水の混入の有無や程度を示すマーカーとして有効であることを明らかにしてきた。また、元荒川水循環センターの流入水・放流水を定期的に採水し調査した結果、降雨が集中する夏から秋にかけて人工甘味料濃度及び蛍光強度が低下していた。雨水等の不明水により、生活排水が希釈されたためと考えられる。

そこで、本研究では、比較的簡便に測定できる人工甘味料濃度や蛍光強度を利用し、下水管きょの不明水の侵入箇所を推定する方法について検討する。

《研究の概要》(PDF:306KB)

令和7年度第1回研究審査会コメント

  • 地下水位の状況はある程度求められているので、地図上にプロットして眺めるとその影響把握はある程度できる。下水管の劣化の把握状況は、極めて差し迫った課題である。既に基本技術は出来上がっているので、具体的に利用することを考えるとよい。
  • 不明水の実態はなかなか取り組みにくいトピックであるが、マーカーの設定内容がユニークであり、今後の躍進が期待される。
  • 下水中の2つのマーカーを分析することにより不明水の侵入箇所を推定するという実用的意義の大きい研究で、下水道のヒビ割れや破損箇所の発見にも役立つと考えられます。この手法の普遍性が明確になることを期待します。
  • 測定装置のコストを考慮したうえで、2つのマーカーを選択したことは実用性と効率性の観点から非常に有意義です。今後さらなるデータの蓄積により、本手法の有効性が実証され、広く普及することが期待されます。
  • 実用性の高い水質管理技術の開発に取り組み成果が得られており、行政への貢献度が高いと考えられる。
  • 人工甘味料等をトレーサーとして用いた人為汚染源追跡に関する検討は多く行われているが、本課題では、このトレーサーにより、水道の不具合カ所探索のための手法として利用できることを明らかとしており、実務上貴重な成果といえる。今後、情報を広く展開し、全国の未補修部分の多い下水道への対応技術としてほしい。

 

お問い合わせ

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郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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