環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 平成30年度第2回研究評価 > H30第2回審査会コメント3/研究課題(水環 H30-R02 県内河川におけるアナモックス反応)

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掲載日:2023年1月12日

環境科学国際センター研究課題(水環境担当/H30~R2)

県内河川におけるアナモックス反応による窒素除去ポテンシャルの調査

(水環境担当:見島/H30~R2)

 窒素による水域汚染の防止は、健全な水環境保全のため必須な課題です。また、河川のBOD低減のためにはN-BODに寄与する窒素挙動の把握が必要です。近年、新しい窒素循環経路として、アナモックス(嫌気性アンモニア酸化;anaerobic ammonium oxidation)反応が発見されまし。アナモックス反応は、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を直接窒素ガスへと変換する生化学反応です。アナモックス反応は必要酸素量が少ないこと、有機物を必要としないことにより、低コスト型の窒素除去反応として注目されています。これまで、この反応は高水温条件下の排水処理系での検討が主であり、水環境中におけるアナモックス活性、さらには窒素代謝への寄与の把握は限定的です。
 そこで、本研究では、県内の水環境中に生息するアナモックス活性を把握することを目的として、水環境の調査、室内における集積培養、アナモックス活性試験、生理学特性調査を行います。

《研究の概要》(PDF:294KB)

 

平成30年度第2回研究審査会コメント

研究課題

県内河川におけるアナモックス反応による窒素除去ポテンシャルの調査

研究審査会コメント

  • アナモックスが、多少の差はあれ、水域の窒素循環に貢献していることは間違いなく、これを排水処理に利用できればメリットは大きいです。増殖速度が低いことが気になるが、将来的には大きな可能性を持ったテーマです。他の硝化・脱窒細菌と比較した効果を増殖速度等から大まかに見積もってみるのも今後を占う上で重要です。
  • 低地河川の多い埼玉県において、アナモックス反応が起こり得る河川は多いと推察されます。実際にこの反応に関係する菌を得たことで、今後貴重なデータが得られる可能性の高い研究へと進展すると推察されます。
  • アナモックス活性の有効性の把握について、調査、培養、活性試験等の適切な設定・実施を通じて、基礎的な理解の充実に努めて欲しいです。
  • 学術的には意味ある研究提案で、その範囲内では適切な目標設定・妥当な計画と評価しますが、この研究の結果、社会や行政に何がどう役立つのか、もう少しビジョンを明確にしていただきたいと思います。

お問い合わせ

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郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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