環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 平成30年度第2回研究評価 > H30第2回審査会コメント1/研究課題(大気 H26-H29 微小エアロゾル)

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掲載日:2023年1月12日

環境科学国際センター研究課題(大気環境担当/H27~29)

微小エアロゾル長期観測試料中の金属元素成分の検討

(大気環境担当:米持、佐坂、長谷川、野尻、藤井;研究推進室:松本;水環境担当:梅沢/H27~29)

 微小粒子状物質(PM2.5)は呼吸とともに人体の深部に吸入、沈着することで、深刻な影響を引き起こすと考えられています。当センターでは、2000年から週単位のPM2.5の通年採取を継続し、主要成分の分析を行ってきました。また、2009年からは併行してPM2.5の日単位の通年採取を開始しましたが、このような長期にわたるPM2.5の測定事例は国内では稀少です。2013年1月に中国広域で発生した高濃度PM2.5汚染を機に国内外でもPM2.5への関心が高まりましたが、この際にも、通年観測データを活用して、様々な形で情報発信を行ってきました。本研究では、これらの通年観測データを活用し、様々な高濃度事例を、主として金属元素成分を活用して解析します。これまでのPM2.5、PM1等の通年採取を継続しつつ、特に高濃度期の金属元素成分に着目し、関連研究で行っている、中国、韓国で採取した試料中の金属元素成分との比較検討を行います。これらを経て、越境大気汚染について評価するとともに、国内汚染、越境汚染の判断に活用できないか検討します。

《研究の概要》(PDF:263KB)

 

平成30年度第2回研究審査会コメント

研究課題

微小エアロゾル長期観測試料中の金属元素成分の検討

研究審査会コメント

  • 非常に興味深い結果である。PM2.5とAs/Vの富士山と加須の比較は、富士山頂では、気流が速いために石炭由来の高濃度も瞬間的通過するものの、地上部では境界層が発達、濃度が長期化する等、様々なことが得られそうです。また、VとAsを分けて解析して比較すると、石油由来、石帯由来の分離も可能そうです。秋季のPM2.5の濃度推移の図では、距離/風速による時間差がよく表れています。こうした点は時間間隔を短くすることでさらに明確になります。
  • 試料の量や分析装置にもよるので一概には言えないが、安定同位体比などについても考慮することができれば、さらに有用な知見が得られるように思います。同様に、元素の組み合わせや参画ダイヤグラムを用いてみるなど、解析手法を工夫してみると興味深い結果が得られるのではないか、と期待します。
  • 本研究での分析アプローチが、高濃度イベントの原因の検討に有用であることを明確に示すことが出来ています。本研究の知見をふまえ、今後の高濃度イベント発生時の(ほぼ)リアルタイムでの原因特定・公表に応用できると、有用性はさらに高まります。
  • 金属成分で越境汚染の寄与が見積れるとしても、それは地域のPM汚染低減化に直接寄与するものではなく、むしろそれによって消去法的に地域の発生源特定とそれによる低減化に役立てることができる、ということをもっと明確に示してもらえたらよかったと考えます。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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