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掲載日:2025年6月5日

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三英電気工業株式会社 (川口市)

「高周波同軸コネクタ」の技術力で日本の携帯電話通信網の構築に貢献、さらなる挑戦へ

三英電気工業株式会社(https://sanei-connector.com/)は、 1972年、大手コネクタメーカーから三名が独立して創業したことが社名の由来です。創業50年以上、一貫して高周波同軸コネクタ、アレスタ、同軸アクセサリ類の設計製造を行ってきました。通信機器間やアンテナをつなぐ同軸ケーブルのコネクタは、携帯電話の基地局や電線地中化、新幹線の列車無線通信関連等の、高い信頼性が求められる公共インフラで使用され、同社の技術が世の中をつなぐ役割を果たしています。コネクタは船舶、航空、発電所、コールドチェーン、半導体関連、ローカル5G、光関連、レーザー装置関連など幅広い分野で使われている電子部品です。

三英電気工業は2018年に埼玉県から「彩の国工場」の指定を受け、地域貢献にも力を入れています。

今回は、2025年2月18日に本社・工場を訪問し、お話を伺いました。

 ※コネクタ:電力や電気信号の流れをつなぐための電子部品

      

                          三英電気工業株式会社の本社・工場                                                                                 工場内部

 

■主な製品について

三英電気が製造する高周波同軸コネクタなどは精密部品であるため設計が重要です。同社には長年培ってきた技術があり、顧客の仕様に合わせたものづくりを得意とする一方、新製品開発に向けた提案力も併せ持っています。

      

                                             組立作業                                                                                   精密な部品

 

◆高周波同軸コネクタ

三英電気の主力製品である高周波同軸コネクタは、主に携帯電話の基地局アンテナに使われています。私たちが外で移動しながらも、常に良い通信状態で携帯電話を使えるのは、山や高台、マンションの屋上、地下鉄構内などさまざまな場所に、電波受信用の基地局が設置されているからです。そこに取り付けられたアンテナから、高周波の電波がケーブルを伝って無線機に流れ、無線機から光ネットワークを通じて各携帯電話会社のサーバーに届くという仕組みになっています。

高周波同軸コネクタは、電波がスムーズに流れるよう基地局アンテナと無線機をつなぐケーブルの両端に取り付けられるものです。三英電気では、多種多様なケーブルに合わせて、これまでに3000種類のコネクタを製作してきました。多品種少ロットの対応が可能で、防水性、耐食性に優れた仕様には定評があります。海外品から国内生産品への切替や、特殊なケーブルに最適なコネクタの設計、提案ができます。

                  

                          丸型コネクタ                                                              1W-N形終端器                                                 NC形ケーブル測定用コネクタ

 

◆同軸変換アダプタ

同軸変換アダプタは、異なった形状のコネクタを持つ同軸コネクタ同士を接続するために使用されます。携帯電話基地局の無線機やアマチュア無線の無線機に取り付けて使用されています。

三英アダプタ1      三英アダプタ2

                 同軸変換アダプタBFX20D-NJ                                    同軸変換アダプタ2.4P-2.4P

 

◆同軸アレスタ(避雷器)

同軸アレスタ(避雷器)はその名の通り、無線基地局を直撃雷から守るための製品です。携帯電話の基地局アンテナは屋外に設置されているため、アレスタを設置することで落雷から保護し、通信機器を過電圧、過電流から保護します。アレスタは基地局アンテナと無線機をつなぐケーブルの中間に取り付けられ、その形状から落雷があった際、上方向に放電させ、左右に位置するアンテナや無線機には雷電流が流れないような仕組みになっています。アレスタが設置されていないとアンテナや無線機が落雷で破壊される恐れがあります。

三英避雷器      

                        λ/4型DIN形避雷器                                                放電型アレスタNJ-NP 

 

◆第5世代通信(5G)への対応

第5世代通信(5G)に対応するため測定装置なども整備しています。同社では、5G用で割り当てられる周波数28ギガヘルツ帯(ギガは10億)に対応するため、本社工場に43.5ギガヘルツまで測定できる米キーサイト・テクノロジー製のマイクロ波ネットワーク・アナライザーを導入しました。この装置により、電子部品や電子回路の周波数特性を測定することができます。三英電気は、5Gで使われる周波数18ギガヘルツまでのコネクタを開発するとともに、工場など特定のエリアでしか使えない「ローカル5G」の構築に採用された実績もあります。ローカル5Gは、そのエリア専用のネットワークを築くことにより、安定した通信環境を確保し、高いセキュリティを実現することで、工場内の生産性の維持・向上を図ることができるものです。

                            

    ネットワークアナライザ(~26.5ギガヘルツ)                  マイクロ波ネットワークアナライザ(~43.5ギガヘルツ)

 

◆半導体製造装置向け同軸コネクタ

半導体の製造過程でも高周波同軸コネクタが使われます。精密さや高出力が求められる半導体部品の設計製造も行っています。今後も力を入れていきたい分野の一つです。

 

◆「KAWAGUCHI  i-waza(いいわざ)」令和2年度認定技術

優れた製品を産み出すための高い技術や技能を認定する川口商工会議所の令和2年度「KAWAGUCHI  i-waza(いいわざ)」に「高周波同軸コネクタの設計・製造」が認定されました。ケーブルの性能を損なわないようにコネクタを設計する技術が必要とされ、その技術力を生かし、同軸終端抵抗の小型化や基地局用避雷器の小型化を実現しています。

      

 

■今後の展望について

関野社長は外食産業から転身し、前社長のもとで一からマネジメントや営業、調達を学びました。経験と実績を重ねてきた今、今後は異分野への挑戦・交流も視野に入れ、もう一つの事業の柱を育てていきたいと考えています。三英電気工業には長年同軸コネクタを通して培ってきた設計力、協力会社の技術力があり、これらを活かして自社製品を開発していく考えです。次の時代を読みながら、刻々と変化するニーズをこれまで以上に察知し、選ばれ続ける会社であるために、さらなる挑戦を続けていきます。

ご対応いただきました三英電気工業株式会社の関野代表取締役、ありがとうございました。

                                三英電気工業株式会社の関野代表取締役

 

三英電気工業株式会社

  • 所在地:川口市青木3-4-20
  • 電 話:048-255-7196
  • 代表者:代表取締役 関野 真太郎
  • ホームページ:https://sanei-connector.com/

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

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