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掲載日:2025年6月5日

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株式会社栄精機製作所 (川口市)

「柔軟な思考の職人集団」  高精度金属加工、制震装置BOSHIN(ボウシン)の開発

株式会社栄精機製作所(https://sakaeseiki.jp/)は、創業55年を迎える金属加工会社で、溶接加工、機械加工、板金加工、設計、組立、メンテナンスを行っています。古くからの伝統や技術を大切にしつつ、新しい技術や機械、人材の導入を進めることで時代に合ったものづくりを行っています。

同時に、自社製品の研究開発にも取り組んでいます。同社は、地震の揺れを吸収し、歪んだ建物(木造)の形状を復元する「復元機能付き制震装置BOSHIN(ボウシン)」を共同開発し、同社が製作しています。BOSHINは平成28年度、川口商工会議所の「川口i-mono(いいもの)ブランド認定品」に認定されました。

この他、埼玉県「彩の国工場」の指定を受け地域貢献に力を入れるとともに、埼玉県シニア活躍推進宣言企業として積極的に取組を行っています。

今回は、2025年1月20日に本社・工場を訪問し、お話を伺いました。

 

      

                              株式会社栄製作所の本社・工場                                                                                     溶  接

    

■一貫加工体制 ~設計から加工、組立及び設置まで~

栄精機の強みは、設計から製缶加工、機械加工、組立及び設置までの一貫加工体制を敷いていることです。メッキや塗装はパートナー企業が行い、それを同社が組み合わせ完成品にして納品する、このワンストップ体制が短納期、高品質、ローコスト、アフターフォローを実現しています。

・設計

自社開発グループによる自社製品の設計・製作はもとより「アイデアはあれど形にする力が無い」といった方の製品化ニーズにも柔軟に対応しています。

・加工

県内有数の最新鋭マシニングセンタを導入。2000×1400×900の範囲で高精度加工が可能です。栄精機は少量生産品・高付加価値品の製作を通じて培った、独特の加工製作ノウハウを数多く有しています。特殊形状、特殊金属(難削性・難溶接性)加工など、他社が敬遠する高難度ニーズにも十分に対応可能です。

      

                       マシニングセンタ(機械加工設備)                                                                    

・製缶

コア技術の精密製缶品はすべて、経験年数10年以上の熟練工、各種JIS溶接検定の有資格者を中心に製作されています。

また溶接構造品では1mあたり±1mmの精密製缶(通常はJIS規格基準)を実現します。

・組立

総合的かつ独創的な技術ノウハウを駆使し、納期・価格・品質・性能の最適化を実現。あらゆる「ものづくり」のニーズに「ベストソリューション」を提案します。製作から組立までを一括請負する栄精機ならではの柔軟な対応が可能。特に短納期・特注品などに実績豊富です。

 

■自社製品の開発について

栄精機は、地震国、日本における地震発生時の住宅倒壊問題の解決のため、地震の強い揺れに耐える制震装置の共同開発及び製作を行っています。

復元機能付き制震装置「BOSHIN(ボウシン)」は、「構造材に負担をかけずに粘り強く揺れに抵抗し、形状を復元する」というコンセプトで開発された制震補強金具です。自動車のサスペンションのように、揺れを柔らかく吸収して、柱や梁に衝撃を与えないほか、業界唯一の形状復元能力を有し、木造家屋の特性を完璧に補完するものです。地震の揺れに抵抗、減衰し、巨大地震で歪んだ建物を「復元」して、地震から大切な家族、財産を守ります。BOSHINは新築及びリフォームの際に設置できます。

 

               復元機能付き制震装置「BOSHIN(ボウシン)」

 

【BOSHINの特徴】

➀独自のステンレスバネ三枚構造により、建物が地震から受ける地震力を減衰させる高い振動エネルギー吸収力がある

②他の耐震装置にはない強い地震で歪んだ建物を形状記憶により元に戻す復元力がある

③窓のある開口部など様々な間取りに合わせて自由に補強ができる

④低コスト

大地震で家屋が倒壊したとしても、BOSHINを設置した部屋は「耐震シェルター」となってその家の住人の命を守ります。

現在、さらなる開発に取り組んでおり、将来的には事業のもう一つの柱に育てたいと考えています。

 

                   独自の強靭なステンレスバネ三枚構造

 

 

■SDGsの取組

栄精機の網谷社長が同所在地にて経営するもう一つの会社、有限会社フタバ(https://futaba-gift.jp/)において、ペットボトルキャップの回収を行っています。フタバは埼玉県SDGsパートナーに登録しています。全国各地の企業や小学校・中学校などからボトルキャップを集め、リサイクルメーカーに売却することで得られる利益を「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」に寄付しています。キャップ800個でポリオワクチン1本分になります。この団体を通じて、世界中の病気に苦しむ子どもたちの元へワクチンや医療物資が届けられています。また、ペットボトルのキャップを回収することで、プラスチックの再利用だけでなく、焼却処分時に発生する二酸化炭素の削減、地球温暖化防止にも貢献しています。

                                              

 

■今後力を入れていきたいこと

◆不可能を可能にする「柔軟な思考の職人集団」

栄精機は、他社にない製造専門技術と伝統に培われた高度な人間技能を有し、日本の「ものづくり」の一翼を担っています。さらなるお客様のニーズに応えるべく、BtoB製品はもちろんBtoCの目線で自社製品の開発にも力を注いでいます。

 

                                            

 ・防球ガード … 学校の体育館などに設置されたエアコンにボール等が衝突した際の破損・故障を防ぐための製品

 

栄精機は、不可能を可能にする「柔軟な思考の職人集団」です。いつ起きてもおかしくない首都直下地震などの大地震に備え、復元機能付き制震装置「BOSHIN(ボウシン)」を多くの方々に知ってもらうことで、日本人の防災意識を高め、地震に強い街づくりに貢献したいと考えています。また、様々な業種のお客様から「栄精機に頼めば、どんな困難な仕事にも答えを出してくれる」と言われるような「ほんものづくり」カンパニーを目指して、これからも社員一丸となってまい進していきます。

ご対応いただきました網谷代表取締役、開発グループの中島様、総務部の横川様、ありがとうございました。

左から株式会社栄精機製作所・開発グループの中島様、網谷代表取締役、総務部の横川様

 

株式会社栄精機製作所

  • 所在地:川口市青木1-20-16
  • 電 話:048-252-6833
  • 代表者:代表取締役 網谷 徹己
  • ホームページ:https://sakaeseiki.jp/

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

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