ページ番号:230264

掲載日:2023年2月22日

ここから本文です。

太陽毛絲紡績株式会社 (川口市)

アパレル業界における大量生産、大量廃棄からの脱却に取り組む企業

太陽毛絲紡績は、1937年3月に東京市日本橋区で創業し、翌1938年に本社を川口市に移転するとともに同地にて紡毛糸の製造を開始しました。1941年に蕨紡績株式会社を買収合併し、全設備を川口工場に移設しています。創業から85年を超える老舗企業となります。

カシミヤやアンゴラなど獣毛を主体とした紡毛糸、梳毛糸、毛織物、手芸糸、ニット製品、コート、産業資材の企画製造販売業務等を行っています。

高度経済成長期には、金の卵と呼ばれる若者達の集団就職先にもなっており、多い時には400~500人の従業員を抱える時期もあったとのことです。社内に、1971年当時の航空写真が飾られており、広大な敷地に工場が複数棟建ち、かつ、その周辺に男子・女子寮や従業員の住宅が建っている様子を見ることができました。

川口市の懐かしい歴史の一部を垣間見る貴重な体験ができました。

   太陽毛絲防錆本社    1971年の航空写真                   

                      太陽毛絲紡績  本社                                                       1971年当時の航空写真

 

今回、太陽毛絲紡績を訪問した経緯は、川口商工会議所の会報に載ったある記事がきっかけでした。

2022年2月10日に川口商工会議所が主催となり、『元気な企業が集まる!  会員☆合同プレス発表会』が開催され、「アイデア・テクニック・モチベーション  3拍子揃った企業たち!」の中の1企業として、SDGs×ものづくり×オープンファクトリ―を掲げ、エントリーされていたのが太陽毛絲紡績でした。

その中に、SDGsの取組として、アパレル業界の大量生産、大量廃棄を見直し、一枚から製造可能なカシミヤオーダーニットの受注販売を始めたとの文言が目に飛び込みました。

今回、企業を訪問させていただき、様々な話を聞かせていただくとともに、本社2階のLABOを見学させていただきました。そこでは、各種機械を案内していただくとともに、実際に手編みでニット製品を製造する工程を見学させていただきました。

ニット製品を製造するに当たり設計図があり、方眼の記された台紙には細かく数値等が書き込まれていました。それに合わせて要所で編み目を調整したり、模様を入れるための細工を施したりと、まさに職人技の連続でした。

   剥製(カシミヤヤギ)   剥製(ブラウンカシミヤヤギ)   剥製(アンゴラウサギ)   

                                                                                 建物内に飾られたカシミヤヤギ、アンゴラうさぎ等の剥製

 

   各種機械一(ラボ内)   各種機械二(ラボ内)

                                              建物2階のLABOにある各種機械の数々

 

手織り風景   手織り風景作品   設計図と作成途中のセーター

                                                                                    ニット製品の手編み作業の風景、設計図と製造途中のセーター

 

社会貢献の一環として、川口市のふるさと納税の返礼品として、カシミヤの手織りマフラーを提供しており、川口ブランドの普及に協力しています。マフラーには、「1110」と記されたタグが付いており、その意味を尋ねると「川口」と読めませんかと教えていただきました。

また、彩の国工場の指定も受けています。その一環として、バーチャル工場見学が会社のホームページを通じて行えるようになっています。パソコンの画面を通じて太陽毛絲紡績の川口工場の見学がいつでも行えます。

エントランスでは、原料となる獣毛を生み出すカシミヤヤギ、アンゴラうさぎ、羊の剥製が出迎えてくれます。建物内の各部屋に自由に行き来ができ、そこではニット製品の製造に欠かせない各種機械を見ることができるとともに、どのような工程で使用されるのかを教えてくれます。

また、YouTubeで「太陽毛絲紡績」と検索してもらえば、それぞれの機械が行う作業工程について詳しく説明している動画を見ることもできます。 ふるさと納税返礼品マフラー   ふるさと納税返礼品マフラーの装着状況   ふるさと納税マフラーのタグ

                                                               川口市のふるさと納税の返礼品のカシミヤのマフラー、タグに「tsumugi 1110」のロゴあり

 

   太陽光パネル   彩の国工場プレート

                      屋上に設置された太陽光パネル、彩の国工場のプレート

 

   バーチャル工場見学全体   バーチャル工場見学エントランス   バーチャル工場見学ラボ室内

                                                                 バーチャル工場見学の画面(建物内部を自由に移動でき、機械の説明等も見ることが可能です。)

 

   山内社長写真

                                 (本社2階のLABOにて撮影)

企業指針として、「品質第一  お客様を大切に  働く人を大切に」がホームページに掲げられています。お客様とそのお客様が手にする製品のことを大切にしながら、そこで働く社員への配慮も忘れていません。

埼玉県では、仕事と家庭の両立を支援するため、テレワークや短時間勤務など、多様な働き方を実践している企業等を「多様な働き方実践企業」として認定しています。太陽毛絲紡績もその一つで、女性社員が数多く在籍し、現場で大いに活躍されていました。

また、東日本大震災後に速やかに工場の屋上部分に太陽光パネルを設置して自然エネルギーを活用したり、最近では環境負荷の少ない空調設備への更新などを進めたり、「エナジー・トランスフォーメーション」にも積極的に取り組むなど、環境問題の解決をはじめとしたSDGsの取組を積極的に進めようとする姿勢が非常に印象的でした。

ご対応いただきました太陽毛絲紡績株式会社の内山社長、ありがとうございました。

 

太陽毛絲紡績株式会社

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?