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掲載日:2023年2月16日
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sidは、2008年に川口市内で創業された工業デザイン、真空注型システムの製造・販売、試作等を行う会社です。
名前の由来は、「skill industrial design」の頭文字から来ているとのことです。
「skill industrial design」の名が示すよう、お客様のアイデアをカタチにしていく企画力、高真空を作り出す高い技術、ガラスを超える新素材を生み出す開発力が目を引く企業です。
ガラスに代わる新素材「Harehare(ハレハレ)」を開発したということで「革新ビジネスアワード2020」を受賞しています。「Harehare」ブランドの製品は、多くのメディアでも取り上げられ、その特筆すべき素晴らしい性質には目を見張るものがあります。
sid株式会社 本社 本社から80mほど離れた位置にある「Harehare」ショールーム
sidは、真空注型機の製造・販売を手掛けています。自社で製造する「サンクロン真空注型機」は、プラスチック試作品成形において群を抜くスピード、経済性、品質精度など数多くの優位性を誇る画期的な真空注型機として高い評価を得ており、川口商工会議所の「KAWAGUCHI i-mono ブランド認定」を受けています。
その特性は、真空状態を高真空にまで高める技術により、金型を使わないシリコンゴム型によるプラスチック等の樹脂成型を可能としており、金型作成と比べ費用を大幅に抑えられ、かつ、無理することなくシリコン型の細部にまで樹脂をいきわたらせることが可能なため、品質の高い製品の製作が可能とのことです。
商品開発について独自ノウハウを豊富に有しており、その充実をさらに図るとともに、機器本体購入後のオペレーショントレーニングや技術サポート等も行い、試作品成形のトータルソリューション「サンクロンシステム」として、お客様の優位性ある製品開発を支援しています。
サンクロン真空注型機、「KAWAGUCHI i-monoブランド認定」、シリコン型と製品等
今回の企業訪問では、本社から80mほど離れた「Harehare」のショールームを訪問させていただきました。
そこには、「革新ビジネスアワード2020」受賞の立役者となったガラスを超える新素材から作り出された「Harehare」ブランドのグラス、シャンデリアの製品や食器をはじめとした様々な試作品が数多く飾れていました。
「Harehare」誕生のきっかけは、お客様から寄せられた「シンデレラの靴をつくってほしい。」という一言からだそうです。
得意とする樹脂成形技術ですぐに透明な靴をつくったところ、樹脂は紫外線によって変色・劣化してしまうため、シンデレラの靴も2か月程度で黄色く変色してしまったとのことです。
「色が変わってしまったら何の価値もない。」というお客様の一言から理想の素材の追求が始まります。10年分の紫外線に当てて変色しないものをつくり、さらには硬度や引き裂きに対する強さなどを求めて試行錯誤した結果、「Harehare」の開発は成功したとのことです。
新素材は非退色性の他にも多くの優れた特徴を持っています。例えば、食品安全検査に合格するほどの無害性を有していますし、バイオマス素材を原料としているため、処分の際に有害物質が発生しない、環境にやさしい素材となっています。さらに、ガラスを超える透明度を有し、軟質のため落としても割れない安全性、耐熱性、保温性を有しています。
また、高温で加工されるガラスにはない特性の一つということで、「Harehare」の材料は約60℃で造形されるため、紙や布などあらゆる素材と組み合わせたデザインが可能であり、金箔の入ったグラス等の食器、織物でできた時計のベルトやカバンなどを見せていただきました。
シャンデリアは、非常に軽いので天井の補強工事などは不要で、かつ、汚れも付きにくいためメンテナンスの手間がほとんどいらないとのことです。光量や色調を変えるリモコンも自社製とのことでした。
これらの性質を活かしてシャンデリアや食器を製品化し、「Harehare」というブランドを立ち上げるに至ったとのことです。大量生産に耐えうるよう、自動生産ラインを備えた工場も新設したとのことです。製造機械は、もちろん自社製とのことです。
「このガラスの靴は、女優の橋本環奈さんが、テレビの番組中に実際に履いたものですよ。」と誇らしげに説明してくださった清水社長の様子がとても印象的でした。
「革新ビジネスアワード2020」、「Harehare」のロゴとマークの商標登録
「Harehare」ブランドの商品や試作品の数々
お話をいただく中で、より高いレベルを求め高真空までたどり着いた高い技術力、お客様の要望に真摯に向き合い、それに応えるため新たな素材「Harehare」を開発する飽くなき探求心を直に感じることができました。
また、そこから生み出される「Harehare」の製品や各種試作品を丁寧にご紹介していただき、その美しさだけでなく素晴らしい特性も自分の目で実際に見ることができ、驚きの絶えることない貴重な時間を経験させていただきました。
ご対応いただきました清水社長、八尾技術・工場長、ありがとうございました。
sid株式会社
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