トップページ > 県政情報・統計 > 県政資料・県報 > 県政ニュース(報道発表資料) > 2025年度 > 2025年5月 > 水痘の流行注意報を発令します! ~妊婦など重症化しやすい方は注意しましょう~
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発表日:2025年5月14日15時
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部局名:保健医療部
課所名:感染症対策課
担当名:感染症担当
担当者名:桑原、竹内
内線電話番号:3404
直通電話番号:048-830-7330
Email:a3510-17@pref.saitama.lg.jp
埼玉県感染症発生動向調査による県内医療機関(定点)からの水痘の報告数は4月初旬から増加し、第19週(令和7年5月5日から5月11日まで)は1定点当たり1.43人と、国の定める注意報の基準値である1人を大きく上回り、増加傾向が確認されました。
保健所管内別での1定点当たり報告数は、多い順に、朝霞保健所(3.40人)、熊谷保健所・川越市保健所(2.40人)、南部保健所(2.33人)となっています。
水痘は、いわゆる「みずぼうそう」のことで、かゆみを伴う全身性の発疹や発熱が現れる感染症です。感染力が強く、接触感染・飛沫感染・空気感染のいずれでも広がります。妊婦など重症化しやすい方は、特に注意が必要です。感染が疑われるときは、事前に連絡した上で、速やかに医療機関を受診するととともに、家庭では、タオルや食器等の共用を避けるほか、マスク・手指衛生の徹底、換気などの対策に努めましょう(後述の【水痘の予防のポイント】参照)。
水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる感染症で、本県では感染報告数の6~8割程度を9歳以下が占めています。季節的には、12月~7月に多く報告されます。
典型的な症例では、全身性でかゆみのある発疹、紅斑(皮膚の表面が赤くなること)や丘疹が現れて短期間で水疱(水ぶくれ)や膿疱(膿のたまった水ぶくれ)となり、痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。数日にわたり次々と新しい発疹があらわれるので、様々な段階の発疹(丘疹、水疱、痂皮)が同時にみられます。
発疹出現の1~2日前から、出現後4~5日(もしくはかさぶたになるまで)感染力があります。
潜伏期間は2週間程度(10~21日)です。成人では発疹出現前に1~2日の発熱等を伴うことがありますが、子どもでは通常発疹が初発症状です。成人でより重症になり、皮膚の感染や肺炎、脳炎などの合併症の頻度も高くなります。免疫機能が低下している場合の水痘では、生命の危険を伴うことがあるので十分な注意が必要です。
成人、特に妊婦の感染は重症化しやすく、妊娠初期の感染によって、胎児に先天性水痘症候群という低出生体重、四肢低形成、皮膚瘢痕などを伴う先天異常をおこし、分娩前5日~分娩後2日の感染によって新生児に致死的な重症水痘が生じることもあります。
主な感染経路は、患者の咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」「空気感染」、ウイルスが付いた手で傷口や粘膜に触れることによる「接触感染」です。
1・2歳のお子さんは水痘ワクチンの定期予防接種の対象です。予防接種スケジュールに沿って接種を受けましょう。
飛沫感染を防ぐため、普段からマスクの着用等咳エチケット((1)咳やくしゃみを他の人に向けて発しないこと、(2)マスクをしない状態で咳やくしゃみが出るときはハンカチなどで口を覆うこと、(3)手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗うこと等)を守ることを心掛けましょう。
接触感染を防ぐには、手指などに付いたウイルスを流水・石けんによる手洗いで物理的に取り除くことが有効です。患者の水疱や患者が使用したものに触れた後は、傷口や鼻や口、目などの粘膜に触れる前に必ず手を洗いましょう。
都道府県及び保健所設置市が定点医療機関(モニター)から感染症患者の受診状況について毎週報告を受け、流行状況を把握するものです。
水痘については、埼玉県医師会の協力を得て、111の定点医療機関を指定しています。