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掲載日:2023年11月9日

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埼玉で訪ねてほしい人たち–自然・アウトドア編–

自然アウトドア編トップ画像

 

【埼玉移住プロジェクト】

埼玉で訪ねてほしい人たち–自然・アウトドア編–

saitama story|埼玉県の移住者交流会レポート

 

埼玉県に移住した人、まちを盛り上げるべく活動するキーパーソンを紹介する埼玉ものがたりの連載。令和3年度は、自然・アウトドア、子育て・教育、場所やコミュニティづくりの3つのテーマと、比企地域、秩父地域という2つの地域の合計5つのカテゴリに分けて、埼玉移住のサポートメンバーを紹介しています。

 

今回は「自然を生かすアウトドア企画」をテーマに、身近な自然や地域資源を生かしてアウトドアの体験やイベント企画を作り出している方々をゲストに、令和4年2月に開催したオンラインイベント『埼玉移住リレートーク』の内容も踏まえてお伝えします。

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人との繋がりを生かして、やりたい仕事を創り出していく

まわりを山々に囲まれ、絵に描いたような田園風景と清流が広がる “ときがわ町”。このほどよい里山には、自分らしく生きる移住者が続々と増えています。令和元年に都内からときがわ町へ移住した青木達也さん・江梨子さん夫妻も、夫婦で”野あそび夫婦”というユニットを組み、自分たちらしい暮らしを実践しています。

二人の共通の趣味であったアウトドアや自然体験が身近にできる環境で暮らしたいと移住先を探し、偶然出会ったのが、ときがわ町でした。しかし、思うような物件になかなか出会えず、2年ほど通い詰めた頃、ようやく見つけたのが現在のお住まいだとか。

 

NONIWA画像

「オーナーさんが古民家を移築して建てた物件で、とにかくイメージにぴったりでした。それに、2年も通い詰めたおかげで、移住する頃にはまちに知り合いも増えていたので、地域にもスムーズに入り込めました。庭を活用して『キャンプ民泊』にしようと思いついたのも、地域の人たちに出会って話す中で思いついたアイデアです。」(江梨子さん)

青木夫妻画像

「移住してから、色々なことをやらせてもらいました。自然の中で旬のご飯を食べるイベント『ときがわばっかり食堂』を埼玉の秘境とも呼ばれる “三波渓谷” で開催したり、観光協会から依頼されてときがわの魅力を伝えるPR動画の制作にも携わりました。

最近では色々な方からコラボレーションの誘いをもらうことも多くて、地元企業や事業者、移住者仲間と一緒にアウトドアにまつわるグッズや商品開発も行っています。」(達也さん)

趣味が高じて仕事になるとは、まさに青木夫妻のこと。次々と、思いついたアイデアを形にしていく野あそび夫婦のもとには、今日もたくさんの相談が舞い込んでいます。

 

これからの時代に求められる、地域に欠かせない会社員

“サラリーマン猟師” を名乗る遠藤拓耶さんは、飯能市が推進する移住制度『農のある暮らし 飯能住まい』を活用し、平成30年に飯能市の南高麗(みなみこま)地区に移住しました。

“飯能住まい” 制度は、南高麗地区という里山エリアで農地付きの土地が購入でき、自分の好きな家を建てられ、最大で400万円もの補助金も出ることから、自然豊かな場所で農のある暮らしを叶えたいという人にとっては夢のような制度です。

(「飯能住まい」制度について詳しくはこちら)

遠藤さんはこの制度の第1号認定者として神奈川県から移住し、奥さんと3人のお子さんと共に飯能ライフを満喫しています。

遠藤さん一家画像

(遠藤さんファミリー。木のぬくもりが心地よいログハウス調の素敵なお宅に住んでいます。)

「飯能市は都心へのアクセスも良いので、仕事は変えずに、自然の近くで理想の暮らし方が叶えられる。こんなにいい場所は、他にないんじゃないかと思っています。飯能住まい制度を使って移住してきた移住者仲間も続々増えていて、みんなを誘って庭でBBQをしたり、畑をシェアしたりと毎日楽しんでいます。

最近では、有害鳥獣捕獲の活動にも携わり始めました。飯能市は獣害と呼ばれる鹿や猪などの農作物被害が大きく、定期的に駆除活動が行われているんですが、その後の利活用があまりできていなくて。せっかくの命なので、少しでも何かに繋げられたらと、昨年『飯能ジビエールプロジェクト』を立ち上げ、まずは犬用ジャーキーの製造販売をはじめました。他にも、鹿の角を使用したグッズを作ったり、今後は食肉にも挑戦したいと思っています。」(遠藤さん)

ジビエール犬ジャーキー画像

「平日は週5日会社に勤めているので、仕事から帰ってきてからと休日の時間をフル活用して活動していますが、こんな形で地域に携われるのも田舎暮らしの魅力ですね!ジビエールプロジェクトの活動は、まだまだ収入に繋がるほどではないですが、いずれは地域にも還元していきたいです。」(遠藤さん)

東京の会社に勤めながらも、地域にどっぷり入り込んで活動している遠藤さん。都心に近い埼玉だからこそ、遠藤さんのような働き方が、これからの時代では求められていくのかもしれませんね。

 

固定概念に囚われず、農の魅力を伝えていきたい

子どもの頃から憧れだったモデルの仕事に就いた水川瞳さんですが、過度なダイエットで身体を壊してしまった経験から、食や農に興味を持ち、農家さんの想いを知りたいと、YouTubeで『埼玉農業かってに応援プロジェクト』を開設。自ら埼玉県内の農園に足を運び、農家さんがどんな想いで作物を育てているかなど、農の魅力を動画を通して発信しています。

それだけでなく、自分自身も農業の現場を体感するため、越生町にある梅農家『山口農園』へ通い、梅の木の剪定や加工品の袋詰め作業など農作業の手伝いも行っています。

ひとみ喫茶画像

「山口農園さんに通い始めて2年半ほど経ちました。でも、農業って1年サイクルで仕事をしていくので、まだまだ覚えきれないことも多いですね。農作業は力仕事ばかりなので、思っていたよりも甘くないなと痛感させられることもありますが、四季を感じられたり、農家さんのプライドや想いを感じながら過ごせる時間はとても貴重です。

それに、私みたいに外の人が農業に携わることで、農家さんが気づけていない魅力を伝えられるのは大事なことなんだと実感しました。農家さんにとっては当たり前のことも、私にとっては新鮮だったり魅力に感じることって多くて。

そう考えて仲間と始めたのが、農園を体験コンテンツにして二人だけの空間を演出する『FARM WEDDING』です。農繁期以外の農園を活用することで、少しでも農家さんの収入に繋がったり、広告効果にもなるし、何より現地へ足を運んでもらうきっかけになります。来てくれた方が農園のファンになってくれたら尚のこと嬉しいですね。」(水川さん)

 

FARM WEDDING画像

(水川さんが主宰する「FARM WEDDING」の様子)

 

「今後もやっていきたいことは、農に興味を持ってもらうきっかけを作ることです。興味があるけど入り口が分からない同世代の人にも、足を踏み入れてもらい、第一歩になるような機会を作りたいですね。現地に足を運んで、農家さんの想いを知って、商品を買ってもらい、またリピートしてもらう。そうやって農家さんのファンを増やしていくことが私の目標です!」(水川さん)

農に対するとても熱い想いを語ってくださった水川さん。山口農園の敷地内に昨年オープンした『梅凛カフェ』では、 “ひとみ喫茶” として週2回カフェ営業もされているそう。農や食に興味があるけど何をしたらいいか分からない人は、ぜひ一度、水川さんのもとを訪ねてみてはいかがでしょう?

 

お茶に興味を持つ人が、1%でも増えるように

『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』でも歌われるように、三大銘茶のひとつとして有名な狭山茶。そんな狭山茶の生産者であり、入間市で代々続く「的場園」の4代目として活動している的場龍太郎さん。もともとは奥さんの家業でしたが、お茶の魅力にのめり込み、自園自製自販の一貫した事業を家族で営まれています。

飲むお茶としての楽しみ方はもちろんのこと、茶葉や茶の実を使った商品開発をしたり、お茶を他のものとコラボさせてイベントを仕掛けたりと、お茶の可能性を次々に開拓している的場さん。生産者でありながら、お茶に興味を持ってくれる人を1%でも増やしたいと、裾野を広げるような活動に取り組んでいます。

的場園お茶画像

「最近では、ペットボトルのお茶しか知らないという若い人も増えていますし、日本茶離れが進んでいます。そんな状況の中で、どうやって日本茶の素晴らしい伝統を守っていくのか、次の世代へ繋げていくのかと考えたときに、外から入ってきた自分だからこそできることを考えて活動しています。偉そうなことを言っていますが、実際は何より自分が一番楽しんでいるんですけどね(笑)。

今日のテーマである “アウトドア” は、まさにお茶とも相性がよくて。これまでに、野外でお茶を淹れるためのモバイル茶器セットをつくったり、茶箱をつかった屋台も作りました。あと個人的にサウナが好きで、茶畑サウナもイベントとして開催したことがあります。それが高じて、サウナで飲むための “整うお茶” の製造依頼を先日受けたところです。」(的場さん)

的場さん画像

「狭山茶は、原料生産から商品販売、開発まで一つの事業者で全て完結できる珍しい産地だからこそ、新しいことにチャレンジしたり、新しい価値観を生み出すことに向いているんだと思います。”アウトドア×お茶” の面白さを開拓していきたいですね。」(的場さん)

お茶のある暮らしや文化をたくさんの人に伝えていきたいと話す的場さん。今後の活動にも注目です。

 

まちなかにある自然を生かして、暮らしと場の習慣を観光に

どこにでもあるような郊外の街並みに、雑木林や畑などの自然が交わる北本市。近年、若者たちが空き店舗や団地を再生し、官民連携のまちづくりが広がっています。

その仕掛け人の一人が、北本市観光協会の岡野高志さん。北本市出身で今も北本在住の岡野さんは、北本市観光協会のスタッフとして、北本の雑木林や農産物などの地域資源を活用したイベントの企画運営などに携わり続けてきました。

暮らしの学校画像

「北本市はとてもコンパクトなまちでありながら、市面積の半分が雑木林や畑などの緑に覆われており、自然に触れたり農に関わる体験が意外と身近にあるんです。でも、その魅力に気づけていない人が多い。そこで、2年ほど前から北本市と一緒に『暮らしの学校』という名で、北本の暮らしや日常を楽しむプログラムを企画しています。

と言っても内容はすごくシンプルで、みんなでさつまいもを焼いて食べたり、農家さんの収穫のお手伝いをさせてもらったり。北本市内の農家さんの中には、300年以上も代々続いている方もいたりするんですよ。でも、普通に暮らしているとなかなか出会うきっかけもないですよね。なので、地元の人がイベントに参加してくれて顔馴染みになって、その農家さんの野菜を買うようになってくれるとか、そういう繋がりが生まれるのは嬉しいなと思います。」(岡野さん)

岡野さん画像

「企画を作るとき、お客さんを作らないことも大事ですね。最近、市役所前の芝生広場で月2回マーケットを開いてるんですけど、焚き火のブースを作ってるんです。芋置いとくから自分で焼いてねって、こっちで準備するのはそれくらいなんですけど。隣で農家さんが売ってる泥付きのネギをそのまま焼いたり、半年くらい続けていたら、自宅からシャウエッセンを持ってくる人まで現れて(笑)。

完璧なものを用意する必要ってなくて、それぞれが好きなように楽しんでもらえれば、企画は成立するんですよね。これって農の面白さというか、アウトドアの奥深さというか。初心者から上級者まで、もっと言えば子どもからお年寄りまで参加の余地があって、自由に楽しめる。自然とか農って、関わりしろの奥行きがあるのが面白いですよね。」(岡野さん)

北本市イベント画像

北本市観光協会がNPO法人になって7年。当時は観光というと外からお客さんを連れてくることにフォーカスされがちだったそうですが、その頃から地域に根付く暮らしや日常を体験コンテンツとして提供し続けてきた岡野さんたちは、今や、北本の観光だけでなくまちづくりも担っています。

北本で行われるイベントや体験コンテンツの数々は、素朴でいて背伸びせず、足元にある暮らしを見つめているようなものが多いです。それはきっと、何より運営者自らが暮らしや日常を楽しむ中で見つけた北本の魅力だからなのかもしれません。なにもないけど心地よい北本の空気感をぜひ味わいに現地へ行ってみてください。

 


 

記事で紹介した自然を生かしたアウトドア企画を行っている5名をゲストに開催したオンラインイベント『埼玉移住リレートーク vol.3』の様子は、下記よりご覧いただけます!

 

イベントでは、農や自然に関わる企画づくりや情報発信をする上で気をつけていることから、ジビエ料理やアウトドア飯の話など、自然やアウトドア好きなゲストたちならではの話題で大盛り上がり。遠藤さんからは、ここにいるゲストの繋がりや商品など埼玉県内の野菜やお茶とコラボさせて、埼玉食材オールスターズのBBQフルコースを実現させたい!といったアイデア企画も生まれました。

今回登場してもらったゲストそれぞれの活動を見ても、埼玉県内だけでバリエーション豊かな自然や農、アウトドアを体験できる機会があって、しかも東京から1〜2時間で行ける場所だということが埼玉の一番の魅力であり、それを伝えられるプレイヤーがこれだけ揃っていることが、埼玉に移住すると暮らしが楽しくなる!という根拠のようにも思えます。

 

ぜひ次は現地で、各市町村のプレイヤーの皆さんと一緒に、自然の中でアウトドア企画を楽しみたいですね!

 

 \埼玉の自然やアウトドアに興味が湧いたら…/
 埼玉移住サポーターの皆さんに会いに行ってみませんか?

 

①青木達也さん・江梨子さん/野あそび夫婦

共通の趣味であったアウトドアや自然を楽しめる環境で暮らしたいと移住先を探し、2年ほど比企地域へ通ったのちに、2019年に都内からときがわ町へ移住。同年、自宅の庭をキャンプ場として活用しキャンプ民泊『NONIWA』をオープン。キャンプ場の運営だけでなく、地元の事業者や生産者、アウトドアメーカー等とコラボして、アウトドアグッズの販売も行なっている。

青木夫妻画像

『NONIWA』では、道具のレンタルはもちろん、キャンプ道具の選び方から使い方まで、初心者でも気軽にキャンプ体験ができる施設です。そして、比企地域には面白い人がたくさんいます!ぜひキャンプがてら、ときがわ町の人に会いに遊びにきてください。

 

キャンプ民泊『NONIWA』/野あそび夫婦

埼玉県比企郡ときがわ町別所44-4

https://noniwa.jp/

 

 

②遠藤拓耶さん/飯能ジビエール加工所(サラリーマン猟師)

住宅購入を検討する中で「飯能住まい」制度を知り、すぐに移住を決意。神奈川県相模原市から飯能市へ移住し、仮住まいでの暮らしを経て、念願のマイホームを手に入れた。移住後も仕事は変えず東京都内の会社に勤務し、平日はテレワークも交えながら、出社する際は2時間かけて車通勤し、週末は家族で趣味のアウトドアや自然溢れる飯能暮らしを満喫している。

遠藤さん一家画像

飯能市は、ここ数年でムーミンバレーパークや、グランピング施設ができたりと、注目の地域です!遊べる場所もありながら、自然豊かな環境でアウトドアや農ある暮らしが楽しめます。仕事を変えずに移住したい人にはおすすめです!

 

飯能ジビエール加工所

https://www.hanno-jibiyell.com/

 

 

③水川瞳さん/FARM WEDDING・ひとみ喫茶

モデル業をする中で体調を崩した経験から、食や農に興味を持ち、2019年からYouTubeで『埼玉農業かってに応援プロジェクト』を開設。農業YouTuberとして埼玉県内で農家さんのもとへ通い、農作業を手伝いながら農の魅力を発信している。他にも、農地を活用した「FARM WEDDING」の企画をしたり、週1回は越生町の梅農家が営むシェアカフェ “梅凛カフェ” にて『ひとみ喫茶』を営業中。

ひとみ喫茶画像

知れば知るほど、農業の魅力に惹き込まれています!農業に興味があるけど何から始めたらいいか分からないといった方はぜひ、梅凛カフェに遊びに来てください!一緒に農作業をしてみましょう。

 

梅凛カフェ

埼玉県入間郡越生町上野東4-13-6

※毎週1回「ひとみ喫茶」として営業中(詳細は Instagramにてご確認ください)

https://www.instagram.com/bairin_caffe/

 

 

④的場龍太郎さん/的場園

もともとは実家の建設会社に勤めていたが、奥さんとの結婚を機にお茶の世界に入り、現在は的場園生茶工場の4代目。狭山茶の栽培から製造・販売まで全て自社で行っている。他にも、茶葉や茶の実を使った商品づくりや、お茶に関連したイベント出店や他業種とのコラボ企画なども精力的に行い、お茶の可能性や魅力を開拓している。

的場さん画像

お茶は、人とのコミュニケーションツールにもなる、素晴らしい文化です。ぜひ一度、お店へお茶を飲みに来てください。美味しいお茶の淹れ方や茶器の使い方、選び方も伝授します。

 

『的場園』製茶工場

埼玉県入間市南峯68

https://matobaen.base.shop/

 

 

⑤岡野高志さん/北本市観光協会

北本市出身在住。北本駅西口の駅前改修時に、市民参加型のワークショップに参加したことがきっかけで北本市観光協会に入り、市内の雑木林や畑を活用したイベント企画や運営に携わる。2019年からは北本市と協働しながら、シティプロモーション事業や北本団地再生プロジェクトなどのまちづくりを行う団体『暮らしの編集室』の代表も務めている。

岡野さん画像

北本は “何もない” と言われがちですが、なんでもない日常の中にある豊かさや、暮らしを楽しめる余白が溢れているまちです。まずは、月2回北本市役所の芝生広場で開催しているマーケットに遊びにきてください。北本の日常が体感できると思います。

 

北本市観光協会

埼玉県北本市西高尾1-249

 

 

お問い合わせ

企画財政部 地域政策課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎2階

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