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掲載日:2023年7月4日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(宇田川幸夫議員)

医介連携について

Q   宇田川幸夫 議員(自民

団塊の世代が2025年までに75歳以上の後期高齢者となることにより、医療や介護の需要が増加する、いわゆる2025年問題を見据え、国は地域包括ケアシステムの構築を進めています。75歳以上の高齢者が全国一のスピードで増加する本県において、この2025年問題にどのように立ち向かっていくかは、最も重要な課題の一つです。元気に過ごしているお年寄りもいらっしゃいますが、介護が必要になる方、日常生活の支援が必要になる方もたくさんいらっしゃいます。もちろん、年をとれば誰もが医療のお世話にもなるわけです。多くの方が住み慣れた地域で生活しながら、必要なときにかかりつけのお医者さんに診てもらいたいと思っております。
また、内閣府の調査では、治る見込みがない病気になった場合、人生の最期を迎えたい場所として、54.6パーセントの方が「自宅」と回答しています。つまり、今後増加する高齢者を支える在宅医療がますます重要となってくるのではないかと思います。
国は、平成27年の介護保険法の改正により、全ての市町村において在宅医療と介護の連携を推進すべきとしました。ここで、市町村は、医療や介護のサービスを受ける方と在宅での療養を支える医療機関や介護事業所の状況が市町村ごとに異なることから、地域の実情に応じた連携体制を構築する必要があります。しかし、私の地元八潮を含め、市町村はこれまで、介護保険の実施主体として取り組んできた実績や経験がありますが、在宅医療に関する支援体制を市町村だけでは整備することはなかなか難しいのではないかと考えられます。そこで、こうした在宅医療の裾野を広めながら、医療と介護の連携を進めるため、県は各市町村をどのように支援してきたのか、今後支援していくのか。
また、医療の現場においては、病院と病院、病院と往診医、病院と訪問看護師のように、様々な連携が行われています。同様に、医療と介護の連携を進めていくためにも、医療と介護の関係者が迅速に情報を共有することが不可欠であります。例えば、栃木県や群馬県、豊島区では、ICTによる医療介護連携ネットワークシステムを活用した情報共有を行っています。地域ごとに病院や往診医、訪問看護師の状況が異なる中、情報共有に当たっても、地域の特性に応じて共有されるべきと考えます。本県では、こうしたネットワークシステムについてどのように考えているのか、保健医療部長の御所見を伺います。

A 本多麻夫 保健医療部長

まず、医療と介護の連携を進めるための市町村への支援についてです。
平成30年4月までに市町村は介護保険の保険者として、地域包括ケアシステムの構築に必要な医療と介護の連携に取り組むこととなっております。
このため、退院支援、日常の療養支援、看取りなどの在宅医療を進めていく上で、医師、歯科医師、訪問看護師、ケアマネジャーなど医療と介護に関わる多くの職種が連携して対応していくことが重要です。
多くの市町村ではこれまで、医療の担当課がないなど、かかりつけ医と関わりが深い地元医師会などとの医療に関する調整が難しいとも言われておりました。
そこで県では県医師会と共同で市町村の意見も伺いながら郡市医師会ごとに在宅医療連携拠点を設置し、平成30年4月に全市町村に移行する方針で取り組んでまいりました。
本年4月までに、県内30か所全ての郡市医師会に拠点が整備され、ケアマネジャーの資格を持つ看護師などがコーディネーターとして配置されました。
コーディネーターは、在宅医療を希望する患者を地元の往診医につないだり、地域包括支援センターやケアマネジャーなどからの医療に関する相談に対応しております。
今後、拠点が円滑に市町村に移行するためには、拠点を運営する郡市医師会と市町村とが地域の実情や課題を踏まえながら丁寧に協議を重ねていくことが大切です。
このため、県では現在、郡市医師会と市町村が在宅医療などについて協議する場を確保し、その場に直接県の担当職員が出向いて拠点の移行に向けた調整を行っているところです。
県といたしましては、医師会と市町村の声を伺いながら調整を進め、在宅医療連携拠点が全ての市町村に確実に定着するよう支援してまいります。
また、今後も引き続き、定期的な研修や優良事例に関する情報提供などを通じ、コーディネーターの資質の向上を図ってまいります。
次に、ICTによる医療・介護連携ネットワークシステムについてでございます。
医療と介護の関係者が情報を共有していくため、平成28年度から県医師会が中心となり、在宅医療連携拠点ごとにICTによるネットワークシステムの構築を進めております。
このシステムは、スマートフォンやタブレットなどを活用した効率的で迅速な情報共有を可能とするものです。
システムの導入に当たっては、医療機関や介護事業所などの状況が地域によって異なるため、その地域に適した情報共有のあり方を反映したシステムにする必要があります。
このため、各地域の在宅医療連携拠点を中心に、情報を共有する職種の範囲や、診療・投薬・介護記録などの患者情報を共有する方法について、関係者に御議論をしていただいているところです。
県ではSNSを活用したこのシステムが有効に活用されるよう、システムの操作説明会や具体的な事例を用いた実践的な研修会なども開催しております。
県といたしましては、平成29年度末までに県全域でシステムの導入が進み、地域の特性に応じた情報共有が進むようしっかり取り組んでまいりたいと存じます。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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