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掲載日:2021年12月20日

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芝川改修の歴史

   

江戸時代の芝川

江戸時代初期、現在の越谷市付近で合流していた利根川と荒川は、たびたび氾濫をおこしていました。そこで江戸幕府は、文禄3年(1594年)から「利根川東遷」と呼ばれる工事など、利根川を東に、荒川を西に振り分ける大土木工事を行いました。

寛永6年(1629年)、農業用水の確保のため、関東郡代、伊奈備前守忠治(いなびぜんのかみただはる)は、足立郡大間木(現さいたま市)に八丁堤と称する締切堤を造って、見沼への流入水をせき止め、見沼溜井(みぬまためい:約1,200ha)を築造しました。

その後、八代将軍吉宗が行った享保の改革では、貢租の増収を目的とした新田開発が奨励され、見沼溜井も切り開いて田に変える計画が立てられました。この開発にあたり、享保13年(1728年)、幕府勘定吟味役の井澤弥惣兵衛為永(いざわやそべいためなが)が見沼溜井に代わる水源として、利根川中流部から八丁堤までの約60kmを開削して用水(見沼代用水)を引きました。一方、見沼溜井の中央の低いところを荒川まで開削して排水路を設け、用排水を分離しました。この排水路が「芝川」の始まりです。

 

近代の芝川

大正9年から国が実施した荒川改修工事(荒川放水路)と併行して、昭和6年までの12年間、芝川の改修工事を行いました。

しかし、昭和13年の大洪水に見舞われ、昭和15年、芝川から綾瀬川への放水路計画に基づく再改修に着手しました。ところが、この工事は戦争のため中止となり、新放水路1,350mは利用されることなく水を湛えたままで放置されました。

戦後、芝川流域である県南東部は、急激に都市化が進み、人口が増大しました。また、それに伴い、水害の被害も大きくなっていきました。

そこで、昭和29年、埼玉県は中小河川改修事業として芝川の抜本的な改修に着手しました。この改修により竪川との合流点付近から芝川放水路(新芝川)が開削され、これまでの芝川は「旧芝川」として上・下流端を水門によって閉鎖された河川となりました。旧芝川の現在の水の流れは、竪川・新芝川からの導水を下流部にある元郷排水機場から荒川にポンプ排水することにより生み出しています。

なお、昭和29年当初の計画では、放水路125立法メートル/s、ポンプ容量10立方メートル/s(5×2台)とし、中流部の見沼地域を自然遊水地としていました。しかし、昭和51年に流域内の都市化を想定し、放水路250立方メートル/s、ポンプ100立方メートル/s(放水路)、それに見沼地域に7つの調節池施設を設定する芝川改良工事全体計画の大臣認可をうけ、現在はこの計画により事業が進められています。

 

これからの芝川

見沼田圃は、昭和40年に下流部を洪水の被害から守るために遊水機能を保持するため、「見沼三原則」を制定し開発抑制が行われるようになりました。
また、平成7年には都市近郊の大規模緑地空間として新たな視点からの土地利用を目指して、「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」を策定し、遊水機能を保持しつつ、農地、公園、緑地として土地利用が図られています。

最近では、これまで治水、利水に主点が置かれてきた河川が、都市化の進展等により、水辺空間や河川環境を重視した川づくりを強く求められるようになり、芝川流域においても「ふるさとの川整備事業」「清流ルネッサンス21」「綾瀬川、芝川等浄化導水事業」などのプロジェクトが進められ、これまで築いてきた改修事業をベースにして、「自然や人にやさしい」親しみのある河川として歩みを始めています。

見沼三原則

見沼田圃農地転用方針(三原則)(昭和40年3月5日第5回県政策審議会で決定)

  1. 八丁堤以北県道浦和岩槻線、締切までの間は将来の開発計画にそなえて現在のまま原則として緑地を維持するものとする。
  2. 県道浦和岩槻線以北は適正な計画と認められるものについては開発を認めるものとする。
  3. 以上の方針によるも芝川改修計画に支障があると認められる場合は農地の転用を認めないものとする。

見沼田圃の取扱について(三原則補足)(昭和44年11月5日県政審議会決定)

都市計画法に基づく区域区分の設定に関連して見沼田圃の取扱を次のとおりとする。

  1. 全域を市街化調整区域とする。
  2. 八丁堤以北、県道浦和岩槻線及び締切までの間は、行政指導及び土地の買取りにより緑地を保全する。
  3. 県道さいたま岩槻線以北は、可能な限り緑地を保全する方針で、都市計画法及び農地法により規制する。

見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針

新たな土地利用の基準の策定経緯

近年、周辺における著しい都市化の進展や営農環境の変化などにより見沼田圃に対する開発圧力が増大してきている一方、首都近郊に残された数少ない大規模緑地空間として新たな視点からの土地利用を求める声が高まってきました。
こうした状況をふまえ、県は、平成3年12月に県・関係3市・議会の代表・農業団体の代表・学識経験者等で構成する見沼田圃土地利用協議会を設置し、見沼田圃の土地利用について総合的な検討を行うとともに、農家・地権者等の関係者の意見を聴くなどして、「見沼三原則」に代わる新たな土地利用の基準である「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」を策定しました。

見沼田圃内において可能な土地利用

農地としての

土地利用

ア:田、畑

イ:農道、農業用用排水路(管理施設を含む)

ウ:温室

エ:農業者が組織する団体又は農業協同組合が設置する農業用施設及び農産物直売所

オ:市民農園整備促進法に基づく市民農園の附帯施設

カ:農地転用許可が不要なその他の農業用施設

公園としての

土地利用

都市公園法に基づく公園又は緑地

緑地等としての

土地利用

ア:公共性の高い広場又は運動場

イ:立地限定性が高い道路、橋梁、調節池等の公共施設

ウ:適法に建築された建築物又は工作物の増改築

エ:既存宅地における自己用建築物の新築又は増改築及び自己用建築物としての用途変更オ:治水機能を阻害せず、また洪水被害を受けるおそれの少ない場所に建築する分家住宅

その他

見沼田圃土地利用協議会及び見沼田圃土地利用審査会のいずれにおいても支障がないとされた土地利用

お問い合わせ

県土整備部 さいたま県土整備事務所 芝川改修事業担当

郵便番号336-0027 埼玉県さいたま市南区沼影二丁目4番7号 埼玉県さいたま県土整備事務所

ファックス:048-866-9713

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