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掲載日:2025年11月27日

「いのちのうた」
森 羽虫 / MORI Hamushi
医療法人大壮会 地域活動支援センター ベルベッキオ
この作品に描かれている世界には天国のようでありながら、傷ついた人たちの拠り所でもあるような、あたたかな雰囲気が漂う。
作品に登場する不思議な生命体たちは脈々と鼓動を打ち、生命のよろこびを歌っているかのように描写されている。
作品全体が鮮やかでぬくもりのある色彩で表現されており、手前に描かれた入り口から奥に拡がる空間には桃色の泉が見え、この世のものではない楽園のような世界が広がっている。
創作にあたって大きく影響を受けたのは祖父の不幸だったという。その悲しみを昇華させ、亡くなった祖父へ穏やかな冥福を祈るようにこの作品を描いたと森さんは語ってくれた。
作品下部には、親族直筆のメッセージが書き込まれている。祖父が向こうの世界で穏やかに居られるようにという思いが、この世界の入り口を築いているようにも見える。
森さんは聴覚から得るイメージを素描するように絵を描く。この作品を創作していたときに聴いていたのは、ビョーク( アイスランド出身のミュージシャン)の楽曲で、パートナーとの離別の時に作られた曲を自分の境遇と重ねながら聴いていたという。
皆さんには大切だった人に想いを馳せながら、この作品に触れてほしい。
東京家政大学 家政学部 造形表現学科 3年
山口 詩乃