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掲載日:2023年9月22日
「ミニカーになってほしい車シリーズ」
三宅史洋/MIYAKE Fumihiro
障害者福祉施設 みのり園
三宅史洋さんは、トミカのサイズの1.36倍の大きさのミニカーを、厚くて硬い紙と、サインペンを用いて制作している。独学でいくつもの作品を創作する中で、現在の作品のサイズ感や形を確立していったそうだ。
三宅さんの作品は、まるでコンピューターで設計し、3Dプリンターを用いて造られたかのような緻密さと、しっかりとタイヤが回り、床を走らせることができるほどの精巧さを併せ持っている。近くでよく観察しないと、紙で作られていることが分からないくらいだ。
三宅さんが創作を始めたきっかけは、トミカが好きで集めていたものの、好きな車種が発売されなかったことを残念に思い、それなら自分で作ってしまおう!という気持ちを持ったからだそうだ。
今回紹介する作品は、三宅さんに、数ある作品の中から9点を「ミニカーになってほしい車シリーズ」として組み合わせていただいたものだが、この中にある作品のいくつかは、実際には存在しない、三宅さんオリジナルのカラーとデザインが施されている。
中でも私のお気に入りはグレーのミニバンだが、この作品は三宅さんの好きな電車のデザインやカラーリングから発想を得て創作されており、電車と車の夢のコラボが実現している。
車の写真の載った雑誌を見ながら、一つ一つ、定規とサインペンを用いて自らのアイディアを図面に起こし、丁寧に制作されたミニカーを、皆さんもじっくり御覧いただき、「好き」の詰まった三宅さんの世界を楽しんでほしい。
東京家政大学造形表現学科3年 山本 明春花