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掲載日:2021年8月19日
「冷麺」
前田貴 / MAEDA Takashi
社会福祉法人みぬま福祉会 川口太陽の家所属
前田さんの作品制作の手法は、パンフレットや雑誌の写真、文字からインスピレーションを受け、それを分解して再構築するという方法が採られている。作品の構図や色合いなどは、作品を制作しているときの感覚に任せて描かれているという。
この「冷麺」という作品もそのようにして制作された。つまり、「冷麺」というのは作品制作のきっかけであって、インスピレーションを受けたものを土台として、生まれた形がこの作品なのである。
作品を見るうえで、作品そのものももちろんだが、タイトルと作品の関係を考えることも楽しめるだろう。前田さんの作品には、ストレートなタイトルがつけられていることが多い。「絵のこの部分がこう見える」というように、ストレートなタイトルと、そこからのインスピレーションを受けてできた構図や抽象の形の不思議さに、自分なりの考察を加えてみるのも楽しい。
このように、解釈を無限に広げることができるので、まるで前田さんの作品制作の手法を疑似体験しているようだ。
埼玉学園大学子ども発達学科3年 黒木 雄太