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掲載日:2022年3月3日
「ミニミニ山手線」
伊藤裕 / ITO Yutaka
社会福祉法人みぬま福祉会 川口太陽の家所属
伊藤さんは20年以上、ステンドグラスを作り続けている。
伊藤さんに、お気に入りの作品を尋ねたところ、この作品が一番にあがった。幼い頃から電車が好きだったという。
この作品は、伊藤さんが「好き」という感情を、20年以上かけて洗練させてきたステンドグラスの技術で形にしたものである。
最初に作品を見た時、鮮やかなガラスに惹きつけられた。
近寄って見ると、ガラスとガラスのつなぎ目の丁寧さに、作り手の制作に対する真摯な思いがうかがえた。
この作品は、各車両が同じ長方形でありながら、色の配色、形の組み合わせの違いで各々に違う表情を作り出し、あらゆる角度から楽しむことができる。
伊藤さんの作品は、ガラスという繊細な素材でありつつも、可愛らしく親しみやすい電車のフォルムに温かさを感じさせる。
彼の実直で、ほがらかな人柄が思い起こされる作品だ。
武蔵野美術大学芸術文化学科3年 皆月 優良