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掲載日:2025年7月3日
「MASQUE Gouro」
D.J.E.J.
独特なタッチと心地よい色彩で描かれた牛のお面。
D.J.E.J. さんと初めてお会いした時、彼の表情は明るく、日々の小さな気づき、変化を愛おしんでいるように見えた。
来客が嬉しいとも仰っていただき、彼の澄んだ心とその言葉が私の取材に臨む緊張をほぐしてくれた。
彼の色彩感覚は心地よく、彼の描くどの作品も、日本ではあまり見られない色彩なのに、私たちにも受け入れやすい色使いである。
この作品も、濃い赤とミントグリーンの対比、黄色と白の模様がとても絶妙で見る人を引きつける。
サインと日付も見どころだ。他の作品もそうだが、サインと日付の文字が綺麗で、そして色合いがとてもかっこよくて面白い。
牛の顔の模様は彼が見つけた光と影の変化だ。実際にお面を見せてもらったが、確かにひび割れのような跡が残っていた。
この質感を追うように描いているのが面白く、作品に深みを与えている。
彼の人柄が、色彩の心地良さと質感の面白さを引き出しているのである。
武蔵野美術大学造形学部 工芸工業デザイン学科 2年
エルキンズ 香音