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掲載日:2026年3月3日

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埼玉県が目指すDX

埼玉県が目指すDX

埼玉県では、これからの人口減少・超少子高齢化社会の到来を見据えるとともに、近年甚大化している自然災害や日本の安全保障上の脅威等の発生のリスクを見据え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。

DXは、単なるデジタル化による効率化ではありません。DXは、様々な社会課題を解決するデジタル技術が社会に浸透することで、便利で快適な生活基盤を確保するとともに、これまでなかった新たなサービスを創出する社会変革です。

本県では、そうしたDXの実現に向けて、令和3年度に埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、取り組んでいるところです。本計画をもとに、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで「社会全体のデジタルトランスフォーメーション」を実現し、快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指しています。

本サイトでは、埼玉県が目指すDXについて、DXの概念や本県のDX実現に向けた計画、そして具体的な取組等について、わかりやすくご紹介をしていきます。

 

【特集】埼玉県が目指すDX

 【第4回】 DX第1ステップ 埼玉県のペーパーレス化の軌跡

トップイメージ

 

埼玉県では、DX実現のうえでのベースとなる「ペーパーレス化」に力を入れて取り組んでいます。

本県のペーパーレス化の取組は、全国的に見てもトップクラスで進んでおり、これまでも多くの自治体から問合せや視察を受けてきました。視察については、近隣の自治体だけでなく、遠方の都道府県や市町村の受け入れをしてきたところです。

令和6年度のコピー使用量は、令和元年度と比べ、削減率は年間で79.5%、枚数にして約8,372万枚削減されました。この削減されたコピー使用量をコピー用紙、印刷費の金額に換算すると約1億8,016万円の削減効果と、行財政改革の取組として大きな効果を上げています。

今回は、このペーパーレス化に関する取組を時系列でご紹介します。

トップダウンのペーパーレス化の推進(令和元年~)

埼玉県の本格化なペーパーレス化は、大野知事が本県の知事として就任された令和元年度から始まりました。知事はペーパーレス化を公約に掲げ、県庁のデジタル化の象徴的な取組として、自らが先頭に立ち率先して取り組みました。

具体的には、ペーパーレス化に向けて知事室に大型ディスプレイや説明用パソコンを常設し、紙を用いずに説明できるようにしました。また、職員が遠隔でいつでも知事説明ができるよう、当時はまだ自治体への普及が進んでいなかったオンライン会議システムを早々に導入。ほとんどの説明が、モニターまたはオンラインで完結できるようになり、業務効率化はもちろん、コロナ禍であった当時は感染対策としても非常に効果の高い取組となりました。

大野知事のオンライン報告の様子

知事室でのオンライン報告の様子


さらに、大野知事は職員の意識改革にも力を入れました。大野知事は、知事室への職員への紙の持ち込みを禁止にしたり、紙を持ち込んだ場合は紙でないとできない理由を確認するなど、職員、特に幹部職員に対してのペーパーレス化の意識付けを徹底しました。その結果、幹部職員のペーパーレスへの理解が急速に進み、さらに幹部職員がトップダウンで配下の所属のペーパーレス化を推進するという好循環が生まれました。こうした幹部層の意識の変化により、庁内のペーパーレス化の気運は一気に高まりました。

 

ペーパーレス化のための環境の整備(令和2年~4年)

トップダウンの取組と合わせて、ペーパーレス化で重要な要素は、環境の整備です。必要な環境なくして、ペーパーレス化は実現出来ません。埼玉県では、徹底したペーパーレス化を進めるために、多くのデジタル環境の整備を行ってきました。

整備したものは、大きく2つあります。一つは大型モニターやセカンドモニター等のハードウェアの整備です。全ての部局長の執務室や共用会議室に大型モニターを整備し、また職員パソコンとセットで利用するセカンドモニターを全ての職員に配布しました。セカンドモニターについては、埼玉県職員は、全体で1万人を超えるため、一気に整備は難しく、リースパソコンの入れ替えのタイミングに合わせて数年かけて配布を実施しました。

 

部局長執務室への大型モニターの設置

部局長執務室への大型モニターの設置

 

職員パソコンとセカンドモニター

職員パソコン(左)とセカンドモニター(右)

 

またもう一つ整備したものは、デジタルに変えても紙よりも利便性がよくなるためのツールの導入です。具体的には、(1)ペーパーレス化支援ソフトDocuWorks、(2)クラウド型ストレージサービスBox、(3)チャット等オンライン会議ツールZoomの3つのツールです。そして、持ち運びに優れ、外出先でも利用できるSIMを内蔵した軽量パソコンも、順次、職員に配備しました。これらのツールは、令和2年度にまずはペーパーレス化のモデル所属で、どのようにすればこれまでの業務がペーパーレスで実施できるのかを徹底的に試行を重ねました。

当時最も大きなハードルとなっていたのは、紙のほうが便利だと感じている職員が多かったことです。特に行政では、多くの文書の確認や決裁があります。こうした業務において、付箋やマーカーでの重要箇所のチェックや複数の文書をめくるだけで文書が見られるといった視認性がないと業務が回らないという考えが、多くの職員の認識でした。

そうした考えが事実なのか、思い込みなのか、モデル所属で徹底的に検証を行いました。モデル所属では、それまで紙でおこなっていたあらゆる業務をデジタルツールで置き換え、運用自体もどのようにすれば効率的に業務を回せるのかを実務で活用して検証しました。

その結果、マーカーや付箋といった機能や複数の文書を開いたり、文書の回覧や承認なども、ペーパーレス化支援ソフトを使えば紙と同等にできることが分かりました。また、ノートパソコンの画面では、2つの書類の比較が難しいといった課題もセカンドモニターの利用で解決できました。

 

ペーパーレス化支援ソフトの効果

 

そうして、モデル所属でのペーパーレス化は令和2年度の段階で前年度比61%のコピー使用量の削減ができ、業務の実施については使い勝手も含めまったく問題なくできることが実証されました。ペーパーレス化を実行した実際の利用職員の声も、「資料印刷がないので、時間が短縮できた」「上長が出張の際も、出張先から決裁してもらえて決裁処理が早くなった」など、紙でのマイナス面も克服できるといった声が大半を占めました。

モデル所属でのこれらの実体験を踏まえ、令和3年度にはこれらのデジタルツールを全職員へ配布することを決定し、全庁をあげた本格的なペーパーレス化の取組が始まりました。なお、現在、モデル所属では100%に近いコピー使用量の削減が実現されています。

 

コピー使用量の削減率の推移

ペーパーレス化を促進させる様々な取組

上述の取組以外にも、ペーパーレス化を加速させるために様々な取組を行ってきました。

コピー使用量の見える化

庁内では、職員の意識改革を進めるため、全課所にコピー使用量の自己診断を求める「ペーパーレス行動宣言」を実施しました。また、コピー使用量の調査を四半期ごとに行い、知事や幹部が出席する会議で結果を共有することで、部局間の競争意識を高めました。

 

プリンター複合機の執務室からの廃止

プリンター複合機の設置台数についても契約更新のタイミングで段階的に見直し、フロア単位での共有利用を原則とする配置転換を進めました。その結果、複合機を持たない課所も増え印刷のハードルが上がり、不要な印刷が自然と減少しました。

 

ペーパーレスや働き方改革に関するTips等の情報発信「ヤギNews!」

紙を食べるヤギをペーパーレス化の象徴として、ペーパーレスの取組やデジタルツールの使い方を分かりやすく紹介する記事を庁内ポータルサイトに週2回掲載する「ヤギNews!」を2021年4月から運用しています。2024年4月以降は、心理学的な見地なども含めながら働き方改革に関する話題も取り上げ、今では年間でアクセス数が13万件を超え、庁内で広く読まれる情報源となっています。

 

既存紙文書の一括電子化体制の構築

過去の文書が紙として残ることで、デジタルデータとアナログデータの二重の管理が必要となり、それがペーパーレス化を阻害する要因となるケースがあります。一方で、既存の文書量が膨大であった場合などは、自力で既存文書をデジタルにすることが困難でもあります。こうした問題を解決するため、本県では既存紙文書を一括で電子化する専門チームを整備しています。

 

 

次回予告

ペーパーレス化の成果については、削減効果だけでなく、オフィスや働き方の改革にも繋がりました。次回は、ペーパーレス化による変革の成果についてご紹介します。

 

 

本県のDX推進に関する情報