DXポータルSaitama > 埼玉県が目指すDX
印刷
ページID:277246
掲載日:2025年12月26日
ここから本文です。
埼玉県が目指すDX

埼玉県では、これからの人口減少・超少子高齢化社会の到来を見据えるとともに、近年甚大化している自然災害や日本の安全保障上の脅威等の発生のリスクを見据え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。
DXは、単なるデジタル化による効率化ではありません。DXは、様々な社会課題を解決するデジタル技術が社会に浸透することで、便利で快適な生活基盤を確保するとともに、これまでなかった新たなサービスを創出する社会変革です。
本県では、そうしたDXの実現に向けて、令和3年度に埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、取り組んでいるところです。本計画をもとに、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで「社会全体のデジタルトランスフォーメーション」を実現し、快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指してまいります。
本サイトでは、埼玉県が目指すDXについて、DXの概念や本県のDX実現に向けた計画、そして具体的な取組等について、わかりやすくご紹介をしていきます。
【特集】埼玉県が目指すDX
(第1回) そもそも、「DX」って何? 2つのデジタル化の定義とDX

DXというの略語の意味
「DX」という言葉は、ここ数年で新聞やテレビ、ネットニュースなどで、よく耳にする言葉になりました。DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略語で、様々な定義はありますが一般的には「デジタルによる変革」という意味で使われます。
「DT(ディー・ティー)」ではなく、「DX(ディー・エックス)」と略されるのは、英語圏では「Trans」という単語が「変換」という意味合いがあり、それが「cross(交差する)」と同義であることから、文字の表記の交差(クロス:X)するという観点で「X」と表記されることがあるためです。
「デジタル化」と「DX」の違い
では、DXはデジタルで何をどのように変えていくのでしょうか。また、デジタルというとよく、「デジタル化で業務を効率化する」といったことを聞きますが、デジタル化とは何が違うのでしょうか。「デジタル化」は、英語で「デジタイゼーション(Digitization)」、あるいは「デジタライゼーション(Digitalization)」と訳されます。

「デジタイゼーション」 “アナログ”から”デジタル”への置き換え
デジタル化の定義に「デジタイゼーション(Digitization)」と呼ばれるデジタル化があります。「アナログ」から「デジタル」への置き換えをするデジタル化です。例えば、行政手続で、従来は窓口に出向いて紙の書類を提出しなければならなかった申請を、ウェブサイトからオンラインでいつでも申請できるようにする取組がこれに当たります。

こうしたデジタル化により、紙の書類の作成や管理に関わる手間が減り、処理の効率が大きく改善されます。また、申請者にとっては、わざわざ役所に足を運ぶ必要がなくなるなど、利便性の向上や負担軽減にもつながります。
「デジタライゼーション」 業務プロセスをデジタルで最適化
次は「デジタライゼーション」と呼ばれるデジタル化です。デジタライゼーションでは、業務を単純にデジタルに置き換えるのではなく、一連の業務プロセス(業務の工程)をデジタル技術を活用して最適な形に見直します。
たとえば、申請手続の例での業務プロセスは大きく、(1)事前相談、(2)申請、(3)結果通知の3つの工程があります。この工程をデジタルで最適化するには、3つの工程を一つのシステムで完結させる方法が考えられます。具体的な例としては、申請者がこれまで、窓口や電話、ウェブシステムなど複数の仕組みを利用していた場合、事前相談、申請、結果の通知、といったそれぞれの工程をひとつのシステムにログインすることで実現できるようになる、いわゆるデジタル完結する方法などが考えられます。

これにより、申請者は、事前相談をシステム内でやり取りができ、相談のために来庁する必要がなくなります。また、申請の段階では、例えば申請者が毎年行うような申請であれば過去の申請情報から変更点だけを修正して入力を簡略化することもできます。一般的に、このような処理をワンスオンリーといいます。さらに、通知については、メールで申請者へ通知したことをお知らせし、システムにログインして結果を確認ができれば、郵送にかかっていた2~3日程度の期間が短縮され、より早いタイミングで結果を知ることができるようになります。このように、デジタライゼーションでは、(1)オンラインで完結する(来庁が一切不要になる)、(2)申請が簡単になる、(3)結果を早く受け取れるといった、単純なデジタルへの置き換えではできなかった新たなサービスの提供につながります。
「DX」 デジタルでの連携による変革
続いて、いよいよDXです。上述の「デジタイゼーション」・「デジタライゼーション」とDXの大きな違いは、ここまでの例で言えば、前者が特定の業務に限定した変化だったものに対して、後者(DX)は複数の業務がデジタルによって関わりあうことで、新しい価値を生み出す変革であるという点です。
例えば、Aという申請手続とBという申請手続があったとき、申請に必要となる内容や添付書類が同じであれば、行政内部で申請処理を連携させることで、申請者は1回の手続でA、Bの申請処理を終わらせることができるようになる業務の変化です。一般的にこのような手続を「ワンストップ申請」と呼ばれます。

さらに、もっと連携が進み、申請に起因する事象が起きれば、県民が申請をしなくても自動的に処理がなされるようなことも考えられます。このように、これまで別々で行われてきたサービスがデジタルによる連携により、サービスの価値や環境がより便利で快適なものに変わっていく、こうした変革がDXです。
上記の申請手続の例は1例ですが、他にもデジタルによる連携により、サービスが提供される場所や仕組みが変化したり、組織や働き方が変化していくなど、DXでは様々な変革が期待されます。
なお、経済産業省では、この3つのデジタル化を以下のように定義しています。

参考:経済産業省 DXレポート2 中間取りまとめ(概要)(令和2年12月28日)
次回予告
次回は、埼玉県がDXを実現に向けての具体的な進め方や取組についてご紹介します。
本県のDX推進に関する情報