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掲載日:2026年9月1日

令和7年度研究課題(自然環境担当 R5~R7 湛水開始時期を指標とした水田地帯における生物の生息適地推定)

(自然環境担当:安野、角田、米倉、王;温暖化対策担当:大和)

水田は多様な生物の生息環境として機能する。埼玉県内の水田では、田植え時期が4月下旬から6月下旬頃まで最大約2か月の差が見られる。これまでの自主研究の結果、田植え時期が異なると、カエル幼生を含む水生生物群集が大きく異なることを明らかにした。また、科研費研究課題(20K20009)において、水田内でサギ類が採餌できるのは田植えからおよそ50日後までであり、時期に応じて採餌場としての利用水田を変えていることが示唆された。

近年、土地利用等の地理情報と生物の分布データの整備が進むにつれて、生物の生息適地推定が盛んに行われている。圃場区画ごとの田植え時期の情報が得られれば、カエル類やサギ類等の生物の生息適地推定が可能となり、生物多様性保全に貢献できると期待される。しかし、そのようなデータは利用可能な形で公開されていない。

そこで本研究では、田植え時期の指標として湛水開始時期を、天候の影響を受けない合成開口レーダ(SAR)で撮影された衛星画像から推定する。野外調査で得られるサギ類とカエル類の分布データを用いて生息適地モデルを構築することで、水田地帯における生息適地を地図上で可視化することを目的とする。

《研究の概要》(PDF:225KB)

令和8年度第1回研究審査会コメント

  • 埼玉県の地域固有の水田の耕作における多様さを、地域における生物多様性保全へと繋げる研究であり、独創性が高い。ローカルにおける活動をグローバルへと発信していることが高く評価できる。
  • 衛生データから広域の水田湛水開始時期の推定法を確立し、水田管理と生態系との関連解明ができたことは評価できます。将来的には、研究成果を実際の水田管理に適用し、どのように生息適地の保全・拡大が進むかについて検証されることを期待します。
  • 収量・品質や市場価格などのみを考慮して田植え、農薬散布、中干し等水管理などが行われがちであるところ、その生態系影響を包括的に評価・伝達することで、管理の変更が望ましい地域の提示を期待できる。本研究では特に水管理に注目した多面的分析を通じて、農業活動の生態系への影響の評価の高度化に貢献できており、高く評価できる。 
  • SAR衛星画像を用いて水田の湛水開始時期を推定し、生物の生息適地評価に応用した独創性の高い研究である。研究成果を国際誌に発表している点も高く評価できる。
  • 地域の生態系に大きな影響を与える水田の湛水について、リモートセンシングを用いた水田湛水状況を把握する手法を開発し、論文化まで進めており非常に優れた成果といえる。また、生物の実施調査とも重ね合わせ、水田湛水の影響を示し有益な情報となっている。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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