環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 平成27年度第2回研究評価 > H27第2回審査会コメント4/研究課題(自然 H26-H28 光化学オキシダント)

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掲載日:2023年1月12日

環境科学国際センター研究課題(自然環境担当/H26~H28)

光化学オキシダントと高濃度化二酸化炭素が埼玉県の水稲に及ぼす単独および複合的な影響の評価

(自然環境担当:米倉、王、三輪、温暖化対策担当:嶋田/H26~H28)

 光化学オキシダントの大部分を占めている成分であるオゾン(O3)濃度が世界的に上昇しつつあります。
 O3は酸化性の高い物質で、植物への毒性が高く、我が国で観測されるO3濃度レベルで多くの農作物の成長や収量が低下することが明らかになっています。また、地球規模で大気中の二酸化炭素(CO2)濃度も上昇し続けています。CO2濃度上昇によって植物の光合成は促進され、多くの植物の成長や収量が増加します。その一方で、高CO2環境下で長期間栽培すると、光合成速度が高まる結果、初期生育が促進され、葉に同化産物が早く蓄積することになり、長期的には光合成の抑制が起こることが指摘されています。そこで本研究では、既存の水稲品種や埼玉県農林総合研究センター水田研究所で開発中の新しい品種を対象に、相反する影響を及ぼすO3と高CO2が複合的に作用した場合、収量等へのO3の悪影響発現が高CO2環境下で変化するか明らかにし、O3とCO2の複合影響の品種間差異が発現する要因を調べ、近い将来起こりうる高濃度CO2環境下における水稲生産性に対するO3リスクの評価を行います。

《研究の概要》(PDF:215KB)

 

平成27年度第2回研究審査会コメント

研究課題

光化学オキシダントと高濃度二酸化炭素が埼玉県の水稲に及ぼす単独および複合的な影響の評価

研究審査会コメント

  • 海外の研究を詳細にレビューし、方法論をコメに応用することで、光化学オキシダントとCO2等による地球温暖化の影響を評価しようとした着眼点は、研究推進の効率化という点では大変良い。 
  • 小型オープントップチャンバーシステムを利用して現況の大気にオゾンと二酸化炭素を付加することにより濃度差を設けて実験を行うことで比較的簡易に実験が行えるように工夫している。まだ成果は出ていないものの、結果に期待をしたい。 
  • オゾン濃度の影響が明確に示されたことは評価でき、影響度の定量的評価や今後の対策(品種の選定)に繋げてほしい。 
  • 水稲の複数品種を対象に、それらの収量に及ぼすオゾン(光化学オキシダント)と二酸化炭素の単独影響や複合影響の解明は、新たな知見の収集であり、農業対策面でも有用である。 
  • 十分に練り上げられた研究計画に基づいて研究が進められており、成果が期待できる。 
  • 従来単発的な影響が中心であったが、今回は2種の複合影響をみる野心的な研究であり、結果が期待される。実験条件等は気象データも含めて観測しておくことで、より実験結果の価値がでてくると考える。
          

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郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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