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掲載日:2019年10月17日

平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(沢田 力議員)

大宮公園の魅力アップについて~協議段階から構想・計画・整備へ~

Q 沢田 力議員(自民

上田知事は5日前の議会答弁で、小さな声ながら何気なく大号令を発信されました。いわく、中長期的には専門家、民間事業者、行政の各分野で構成する委員会を設置して、公園全体の再生計画を検討しなければならないと思います。大宮区選出の私にとり、狭い大宮区にある大きな大宮公園、67.8ヘクタールの再整備問題は避けては通れぬ大切なテーマです。
安倍政権の下、さいたま市は東日本の交流拠点と位置付けられ、大宮駅周辺は東日本の玄関口として再整備することが定められました。正にその中核に位置するのが県営大宮公園です。だからこそ、5年前にも「大宮公園の魅力アップについて」と題する同じタイトルの一般質問をいたしました。その後、魅力アップ協議会という団体が組織され、公園周辺の自治会をはじめ商工会議所や大宮アルディージャ、東武鉄道、観光国際協会、高校野球連盟などの大宮公園に関係する諸団体や市役所に御参加をいただいて、平成24年11月から今年7月までに計8回、意見交換や提言を重ねてきていただきました。
こうした経緯を踏まえ、先週の上田知事の発言を顧みますと、魅力アップ協議会で議論されてきた内容に触れることもなく、その内容は具体性に欠け、何とも曖昧模糊、掛け声ばかりで実に頼りないものでした。
再生計画というネーミングも疑問です。再生とは、衰え死にかかったものが生気を取り戻すことですから、現状や最近の取組を自己否定するもので不適切です。いろいろと課題がありますがますます活性化させ、魅力アップさせる必要があります。再生計画ではなく魅力アップ計画とか、改造計画など生き生きとした未来をイメージさせるネーミングにすべきです。
そこで、今回は少し深掘りした質問をさせていただきます。そろそろ協議会で意見交換をする段階を終え、専門家を交えた構想作成、具体な計画作成、そして速やかな整備段階へ移行すべきです。
1、第一弾となる白鳥池周辺の再整備について。
氷川参道からNACK5スタジアムへ右に直角カーブしたところが大宮公園の正面玄関、エントランスで、そこが正面玄関だとは思えぬほどに粗末なものです。その玄関の脇に白鳥池があります。今は白鳥が飼育されておらず、フェンスに覆われています。ところが、最近ここは人気スポットです。ポケモンGOの巣があって、貴重なポケットモンスターを捕獲しようと黒山の人だかりができているのです。地元県議としてはうれしいやら何とも複雑な心境です。この白鳥池周辺の改修工事を今年度に取り組むべく、当初予算で約6,000万円が計上されています。
先週の上田知事の答弁を踏まえれば、中長期で公園全体の絵を描くこととなりますが、どんなコンセプトかまだ定まらぬ今、この公園の表玄関の改修工事が先行されつつあります。限られた予算で心細いのですが、どのように進めるのか、都市整備部長に質問します。
2、大宮公園内の売店の使用料について。
公園内には、戦前戦後を通じて旅館や飲食店、売店など様々な民間業者が参入してきました。県有地でありながらそれまで無償で営業してきた売店に対して、埼玉県は都市公園条例を昭和36年9月29日に制定し、使用料の支払いを設定しました。当時18軒あった売店は55年が経過した今、廃業や世代交代を経て7軒となっています。
7軒の売店は5つある建物に分散しています。いずれも老朽化が目立ち、そのうち最も古い建物は昭和54年の建替え、既に築37年となります。続いて築31年、築30年のものがあり、最も新しいものは築20年です。この5つの建物はいずれも埼玉県が建設し、建替え前と後で同じ業者が入居しています。これら7軒の売店は昭和36年から55年間、毎年1回埼玉県庁と許可証を交わし、使用料を4半期ごとに支払ってきました。市場原理が働かず、県が整備した建物をほぼ独占的に使用することが許されてきました。
7軒の売店の床面積は平均42.4平米で13坪ほど、23畳ほどですが、皆さん、この大宮公園内の売店の使用料、いわば家賃は月幾らか想像がつきますか。何と1平米当たり537円です。一月、1店舗当たり2万2,768円の使用料となります。2万2,768円で、あの売店が営業できるんです。世間の相場から見ると激安です。
使用料を徴収するようになった昭和36年の段階で1平米当たり、一月100円でした。その後、今日までの55年間で合計9回値上げしてきました。平成9年3月の条例改正で1平米当たり、一月523円となり、平成26年3月に消費税率アップを受けて、一月537円となりました。
ところが、実は平成17年3月の条例改正のとき、1平米当たり条例上は3,262円、約6倍と大幅に値上げを決定していました。議会が決定しました。ですが、同条例第18条にはこう書いてあります。知事は特別の必要があると認めるときは、使用料を減額し、又は免除することができるとの規定です。この規定を適用して何と条例どおりに3,262円に値上げせずに、6倍に値上げせずに、改正前とほとんど同じ金額で平成9年から19年間、月額537円に据え置かれてきたのであります。
なぜ19年間も据え置かれてきたのでしょうか。11年前の平成17年3月に、3,262円に値上げする条例案を提出したのは上田知事です。その上田知事は、なぜ特別の必要があると認めて、減免措置を11年間も続けてきたのでしょうか。条例で定めたとおりに3,262円、6倍に一気に値上げすることが無理ならば、段階的にも値上げすべきです。とはいえ、数年かかるでしょう。5つの建物は先ほど指摘したとおり、築20年から37年と老朽化が著しく、待ったなしの状態です。間もなく建物の使用限度を迎え、またも建替えが必要となります。
加えて、いずれの店舗も経営状況は芳しくありません。大宮公園事務所は平成26年3月に7店舗に対してアンケートを行って、経営状況や今後の意向について把握しています。だから、悠長に段階的に値上げする余裕はありません。一気に、この際、公園内の売店の在り方を見直すべきです。魅力アップ協議会でも提案があったカフェテリア誘致、あるいはオープンテラス設置の可能性も今以上に現実味を帯びてきます。
そこで、都市整備部長に質問します。
第1に、どのような理由で19年間も使用料が据え置かれてきたのでしょうか。
第2に、11年前に値上げするための条例改正をしたのに、激変緩和措置をし続けてきました。条例どおりに値上げを検討すべきで、いかがでしょうか。
第3に、昭和36年に18軒の売店が既に存在し、使用料を昭和36年から徴収してきました。戦前戦後を通じて公園内に旅館などがありましたが、現在7軒ある売店がそもそもなぜ現有地を占有できたのか、その経緯を正確に調べる必要があります。どのようにお考えでしょうか。
第4に、それらを踏まえて、公園内の売店の在り方につき今後どのように取り組みますか。
3、課題認識と今後のスケジュールについて。
大宮公園は課題が山積しています。
第1に、廃止、撤去の方針が決まった体育館をめぐっては、跡地利用が未定のままです。
第2に、5年前にかいぼりした周遊池、いわゆるボート池にはガマが生えて何とも違和感を覚えます。水辺を楽しむデッキや池の端を周遊する散歩道やマラソンコースを求める声もあります。
第3に、腐朽し倒木の危険が増す桜並木は更新が必要です。ほかの樹木も暗く生い茂っています。
第4に、自動車や自転車をとめる駐車場が不足しています。
第5に、児童遊園地や小動物園も適宜リニューアルして努力していますが、いま一つです。
第6に、日本庭園が既にあるんですが、どこ、それと言った程度の存在です。
第7に、水泳競技場も老朽化し、室内プール整備を求める声は絶えません。弓道場、競馬場、野球場、サッカー場などの競技施設の再編も必要です。
第8に、被災地に果たす公園の効用は高く、オープンスペースを確保することもまた必要です。
平成の御世に生きる私たちは、130年以上前に高い志とともに、身銭を切ってこの公園を開設した大宮に住む先人に思いをはせます。山積する課題は実に嘆かわしく、未来を築き上げる責務を自覚いたします。
先週、上田知事は、「第二弾として、外国のお客様のために整備やイベント展開などおもてなしを検討していくつもりでございます」と発言しました。6か月後に世界盆栽大会が開催されます。3年後にワールドカップラクビー大会が熊谷で、4年後には東京オリンピック・パラリンピックが県内4か所で行われます。限られた時間の中で何をすべきか、早急に取り組むべきです。
昨年、130周年を迎えた大宮公園は、平成37年に140周年、平成47年に150周年を迎えます。大宮公園の中長期計画は、生き生きとした私たちの未来とともに描くべきです。白鳥池周辺をちょこっと改修したり、外国人向けのおもてなし施設をちょこっと造るだけでは困ります。中長期計画の策定に当たっては国内外から広くアイデアを募り、県民の意見、御要望を尊重しつつ、寄せ集めのパッチワークではなくて、生き生きしたグランドデザインを描くべきです。数年間にわたるスケジュール観を持って全体に統一したコンセプトを定め、力強い方針を示すべきです。そして、ゾーニング手法を導入して、エリアごとに具体的な施設整備などを段階的に進め、諸課題を丁寧に、一つ一つ解決していくべきです。
そこで、都市整備部長に質問いたします。大宮公園の魅力アップへ向けて方針や計画をいかに組み立てていくか、課題認識とともに今後のスケジュールについてお尋ねします。

A 福島浩之 都市整備部長

まず、「第一弾となる白鳥池周辺の再整備について」でございます。
大宮公園は、夏目漱石や樋口一葉など明治の文豪が数多く訪れた歴史と伝統のある公園でございます。
大宮公園の魅力アップに当たっては、本県を代表する公園であることを念頭に、自然の地形や景観を生かした日本的風情を継承することが一つのコンセプトでございます。
そのため、白鳥池周辺の再整備は、氷川参道ともつながるメインの入口としてふさわしい和風の趣のあるものになるよう設計に着手したところでございます。
また、平成24年度には、地元自治会、商店街連合会、東武鉄道などで構成する「大宮公園魅力アップ協議会」が設置され、130周年記念事業や魅力アップ策について意見交換を行ってまいりました。
白鳥池周辺の再整備に当たりましても、引き続き、この協議会に意見を伺いながら整備を進めてまいります。
次に、「大宮公園内の売店の使用料について」でございます。
まず、どのような理由で19年間も使用料が据え置かれたのかについてでございます。
県営公園の管理許可に関する使用料は、埼玉県都市公園条例で定めています。
平成18年の指定管理者制度導入に伴い、この条例を大幅に改正いたしました。
その際、それまで個別の公園施設ごとに定めていた使用料につきましても、全ての公園施設を一律に定めることとし、金額とともに改めました。
使用料の設定に当たっては、算定の基礎となる建物の評価額に上限となる埼玉スタジアム2002の価格を適用し、月平方メートルあたり3,262円といたしました。
この結果、地価や建物の仕様、経過年数から算定した大宮公園売店の金額と、埼玉スタジアム2002の価格に基づき算定した使用料に大きな差が生じました。
このため、条例に定める減免措置を適用し、平成26年の消費税増税に伴う使用料の改正を除き、それまでの使用料を継続してきました。
なお、この20年間は、大宮公園の土地の評価額に大きな変動がなく、その結果、19年間、同様の料金を適用してきたところでございます。
次に、条例どおりに値上げをすべきと考えるがいかがかについてでございます。
現行の使用料は、安すぎるとの議員の御指摘でございます。
御指摘を踏まえ、まず、公園周辺のテナント賃料や他の公営公園の類似施設の例を調査をいたします。
その上で、従前の算定の考え方と調査結果を参考にしながら、使用料を値上げすべきかどうか検討してまいります。
次に、現有地を占有できた経緯を正確に調べる必要があるが、どのように考えるかについてでございます。
今後、大宮公園の魅力アップに向けた計画策定や整備を進める上で、売店のあり方も課題となります。
過去の経緯の正確な把握に努めてまいります。
次に、売店のあり方につき、今後どう取り組むのかについてでございます。
公園利用者や「大宮公園魅力アップ協議会」からも、様々な要望をいただいております。
今後、公園を整備する中で、廃止、移転、建替えも含め、魅力アップにつながるよう検討してまいります。
次に、「課題認識と今後のスケジュールについて」でございます。
大宮公園は開園から130年が経過し、代名詞である桜も老木となり、赤松も減少し、舟遊池は4割程度ガマに覆われています。
また、オリンピックなどの国際大会を契機に、外国からのお客様を取り込むことも課題と認識しております。
まずは、先ほどもお話ししましたエントランス整備に加えて、桜や赤松に囲まれた舟遊池周辺の魅力を高めるため、日本の伝統や文化を感じられる整備やイベントなどを検討してまいります。
本多静六博士の「埼玉県氷川公園改良計画」による改修から約100年が経過いたしました。
その間、それぞれの時代に求められた野球場や博物館、遊園地、動物園などを建設し、大宮公園を総合的な公園として整備してまいりました。
博士の計画には、「現在の地形に応じて計画し公園内外の風致を保存修飾するとともに遊園的施設を完備して、四季を通じて大いに遊覧客を誘致するに努むべし」とございます。
今まさにその精神を継承し、次の100年にメッセージを残せるような構想にしたいと考えております。
そこで専門家、民間事業者、行政などで構成する委員会を設置し、大宮公園全体のグランドデザインとなる基本構想の策定について、平成28年度から準備を進めてまいります。
その基本構想を基に、次の10年、20年先の具体的な道しるべとなる基本計画を策定してまいります。

再Q 沢田 力議員(自民

大宮公園内の売店の使用料についてと課題認識と今後のスケジュールについて再質問させていただきます。
先ほどの都市整備部長の答弁の中で大変気になる表現がありました。「値上げするかどうかを検討します」と悠長に発言されたんですね。考えてみてください。11年半前に指定管理者制度を導入して、この大宮公園に確認できるだけでも33年前からある売店です。この売店の指定管理料をどうするかというのを議会で議論したときに、1平米当たり、一月3,262円にしようと議会決定しました。でも同時に、その条例の減免規定を適用して537円に据え置かれたんです。差額は2,725円、一月2,725円です。あの7店舗合計するとですね、300平米ほどあるんです、床面積が。そうすると毎月この差額だけで80万円ほど、減免措置によって浮いてしまっているんですね。安くなっているんです。この11年半の間を単純計算しますと、1億円ほど指定管理料が本来条例に従えば回収できるものが、減免措置によって据え置かれたままでいるんです。
その説明を今回の質問で問うたわけです。その質問の回答はこうでした。簡単に申し上げれば、11年間減免措置をしたのは、土地の評価額がほぼ変わらなかったからだということです。これで納得していいんでしょうか。
一事業者がですね、指定管理者が、その指定管理になる前からトータルで33年間、ずっと占有してきたわけです。これが既成事実化して法律が事実を追認して、取得時効が成立することもあり得ますし、あるいは明け渡しを求めたとしても移転補償が生じる可能性も出てくるわけです。今後のこの大宮公園内の売店の在り方を(3)で問うたわけですが、余りにも値上げすべきかどうかを検討すると悠長な答弁でした。
売店の在り方、将来像についてもっともっと真剣に、適切に、すぐにでも対応をしていただきたいのですが、改めてこの売店の在り方、将来像について、併せて売店の使用料について、どう取り組む考えなのかをお尋ねいたします。

再A 福島浩之 都市整備部長

条例の中で管理許可使用料は、必要がある場合には減免措置ができる旨規定しております。
平成17年の条例改正に当たっては、算定の基礎となる建物の評価額に埼玉スタジアム2002の価格を適用しております。
その結果、大宮公園の売店の使用料が非常に上がることになりました。
そのため、条例の定めた減免の規定を適用したところでございます。
使用料を値上げすべきではないかとの御指摘につきましては、過去の経緯をよく調べるとともに、周辺テナントの賃料などと比較して検討してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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