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掲載日:2022年9月22日

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気になる秩父人がお薦めする“ぜひココ”な観光スポット情報 KOCO “ココ” ちちぶ
No.1 木村 和恵(きむら かずえ)さん

銘仙語り部(めいせんかたりべ)の木村さんから、生まれ育った秩父のお薦めスポットを教えてもらいました!

 木村和恵さん華工房にて 【秩父市内にある木村さんの工房 “華工房” でお話を伺いました。】

 秩父に咲く野花を生ける華道家であり、1,800枚以上の秩父銘仙(ちちぶめいせん)(※1)の収集家でもある木村和恵さん。
 華道家としての活動のほか、銘仙に関する講演やまち歩きの観光ガイドを行うなど、充実の日々を送る木村さんから、日頃の活動や秩父地域の“ぜひココ”な観光スポットについてお話を伺いました。
 ※1 秩父銘仙とは(ちちぶ銘仙館ホームページ)

秩父のまちを織り上げたい。それは終わりのない旅。

 〇 木村さんの日頃の活動について教えてください。

 「花を生けるのが私の本業。花を織ると書いて「花織人(はなおりびと)」。「花織人」って言葉、いいでしょう。誰も使っていない言葉なの。」
 「『花を織るって何ですか』と言われるけど、織物と同じように花を織る。花から学んだ精神をまちづくりに活かしたい。何を織るのって、秩父のまちを織り上げたい。」と木村さん。
 山に囲まれた独特の風土にあって、古くから養蚕業が盛んだった秩父。そこで人々が織りなし、伝えてきた絹文化に咲いた華が「秩父銘仙」。
 「私、着物は好きなんだけど、銘仙はあまり好きではないの。でも嫌いじゃないの。秩父の産業やまちをつくった銘仙を、誰かが評価してあげなきゃ
いけないんじゃないか、と思って集めはじめたのね。惚れていないから欠点も見えて、銘仙を公平に評価できる。銘仙は、時代を先取りして、多様なデザインで着物をファッション化したところがすごいの!」と木村さんはいう。 

 木村和恵さん工房の花々 【“華工房”の庭にさりげなく咲く花々】
 
 かつて自然が少ない東京に働きに出ていた木村さんは、「私は秩父のまちが好きなんだ。」とあらためて実感した。
 この15年程、NPO法人ちちぶまちづくり工房のメンバーとして、また、銘仙語り部として、秩父や銘仙を伝える活動に取り組んできた。
 「まだまだやることはいっぱいある。終わりがない旅。結果はどうでもいい。失敗でもなんでも先へ先へと行きたい。そんな感じですね。」

“ こじゃれな田舎“ 秩父の街歩き、人に会いに来てほしい。

 〇 木村さんお薦めの“ぜひココ”な観光スポットを教えてください。

 
「秩父は城下町でも何でもない所なのね。庶民のまち。でも、大正の終わりから昭和の初め、銘仙が売れ出した頃はすごいお金持ちな所だったの。」
 「だから劇場が4つもあった。秩父夜祭も昔は祭りの間に大きな絹市(※2)が開かれて、通りで商いをしていたの。絹を売って儲けたお金で庶民に振舞ってくれたのが夜祭だった。」
 ※2 秩父夜祭絹市~ちちぶめいせんマルシェ~(復活した絹市)(埼玉県秩父地域振興センターホームページ) 

 そんな、かつて庶民が豊かだったころの面影が残る「秩父の街歩き」・「秩父の人を訪ねる小さな旅」が、木村さんの “ぜひココ” なお薦め。それも「土地の人と話さないとダメね」と。
 「多分、秩父って新しもん好きなんです。劇場があったり、カフェーがあったり、ダンスホールがあったり。すごかったらしいですよ。モダンさが好きだったんじゃないかな。」

 木村和恵さんと番場通り 【秩父銘仙を着て、番場通りの昭和レトロな街角を案内してくれた木村さん】

 「当時は娯楽が多かった。中町にあった「革進館」は洋画の映画館。洋画ってラブシーンがすごいでしょ(笑)。番場町には「昭和館」があった。」
   「土地の人に『ここはこうだったのよ』って昔話を聞くのもよいのでは。それが私の秩父のお薦め。」
 小林旭主演の「渡り鳥シリーズ」など日活映画の監督をされた秩父市出身の斎藤武市さんのお話等、地元ならでは昭和レトロな話題が尽きない。
 
 「番場通りのお肉屋さんで50円のコロッケを買って、向かいの店で買ったベーグルに挟んで食べる。そういう庶民の食べ歩きみたいな。」
 「その近くの和菓子屋さんでは、今どき1個40円のお菓子があるの。昔から味も落ちていない。1個買っても本当に丁重に「ありがとうございます」と心を込めて言ってくれて。それがあたし大好きなの。」
   「そういうのが街歩きのおもしろさ。人に会いにいくんだね。作り手の真面目さがわかる。」と、木村さん。

 番場通りお肉屋さん 【番場通りでコロッケを買って、ベーグルに挟んで食べる庶民の食べ歩き。】

 ただ、観光客がふらっと来て、見ず知らずの土地の人に話を聞くのはなかなかハードルが高いのではないだろうか。
 この点について木村さんは、「秩父では地元案内人が街歩きをガイド(※3)していて、私も、まちづくり工房で「銘仙を育んだ街歩き」コースを担当してます。まちづくり工房にある銘仙の羽織の中から好きなものを選んで、羽織って街歩きできますよ。」
 ※3 銘仙を育んだ昭和モダンの街歩き(秩父地域おもてなし観光公社ホームページ)    
 
 木村さんと街歩きしていると、タクシーの運転手さんも「おーい今日は何だい?」と言って声をかけてくれるそう。
 ガイドと一緒に街歩きをすることで、地元の人と会話が生まれ、より深く街の歴史や文化を知ることができ、街の今を体験できそうです。

 木村和恵さんと観光客 【番場通りを歩いていると、観光客が近寄ってきて会話がはじまった。】
 
 「最近は、秩父でも都会の人が喜ぶようなお店が多くなってきた。うんとおしゃれだったら原宿みたいになっちゃうから、“こじゃれな田舎” にならないとね。
 故郷を持たない人に、“第二の故郷”と感じてもらえるようなおもてなしや、人のあたたかさを残す “こじゃれな田舎” 秩父がキーワードだという。
 
 木村和恵さんカフェにて 【番場通りからちょっと入ったおしゃれなカフェで。】

 「いっぱい好きなところはあるけど。。。秩父ミューズパークの雲海(※4)。それから夕日。夕日を見ていると涙が出てくるのよ。それから夜空がまたいい。これはお泊り用のお薦めスポットね。」と木村さん。
   結局、秩父には見どころや行事がいろいろありすぎて絞れない。「自分で楽しみを探しましょう。探したらいっぱいある。」という木村さんの言葉どおり、これからいろいろ探してみたい。
 ※4 秩父ミューズパークの雲海(秩父ミューズパークホームページ)

  [取材日:2019年9月4日、記事公開日:2019年9月13日] ※ 掲載している情報は取材日現在のものです。

 


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企画財政部 秩父地域振興センター 観光振興・産業労働担当

郵便番号368-0042 埼玉県秩父市東町29番20号 埼玉県秩父地方庁舎1階

ファックス:0494-24-1741

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