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掲載日:2023年8月8日

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知事記者会見 令和5年8月7日

知事記者会見動画【全体:YouTube】

 その他質問

埼玉県知事選挙について 【該当部分動画(YouTube)】

知事

 改めまして、よろしくお願い致します。昨日、投開票となりました埼玉県知事選挙におきましては、おかげさまで2期目の御信任を頂きました。引き続き、埼玉県を前に進めてまいる所存でございます。県が抱える多くの課題に対して、着実に、私としては成果を上げていきたいと考えているところでございますので、改めてマスコミの皆様にもよろしくお願い申し上げます。

朝日

 今お話がありました、昨日投開票の選挙についてお伺いします。1点目が、8割の得票を得て結果的に大きな差をつけて当選されましたが、当選されたことへの受け止めをまずお聞かせいただければと思います。

知事

 私、この17日間、県民の皆様に私自身の政策をお訴えすることに専念してきたつもりであります。そういった中で、御指摘のとおり80.2パーセントですか、という得票を頂き、あるいは、いわゆる国政政党の公認、推薦、支持を受けた候補が出た選挙では、これまでで過去最高の得票を頂いたということは、非常に重く受け止めています。その中では、私自身、正直争点が見えない選挙だというふうに自分では思っていましたけれども、メディアでは私の1期4年が焦点なんだと、こういうお話を頂いておりましたので、そこについては高い評価を頂いたものとこれはありがたく受け止めたいと思っていますが、残念ながらそこで安心できる状況にはなく、冒頭申し上げたとおり、埼玉県、課題が山積していますので、そこに着実に迅速に着手していきたいというふうに気持ちを新たにしたところであります。

朝日

 今、課題が山積していて迅速に着手したいというお話もありましたけれども、改めて2期目に力を入れたい政策であったりとか、実現したい政策がありましたらお願いします。

知事

 埼玉県の課題としてまず共有をさせていただきたいと思っているのは、超少子高齢化、それに伴う労働人口の縮小と経済の持続的な発展への圧力、さらには自然災害の激甚化・頻発化、そしてこれらをカバーするためには、手厚い高齢者に対する対応、さらには子供たちに対する施策が必要となり、全ては目先だけではなくて持続的な発展を可能にするための未来志向の施策につながるものばかりだろうと思っています。この未来を、埼玉県に責任を負うための礎を築くということが、次の4年間だと思っていますけども、具体的に少し申し上げると、1つ目は激甚化・頻発化する災害、あるいは感染症対応、パンデミックですね、こういったものへの将来に渡る安全であります。1期目についてはということでよく申し上げる時に、危機管理、災害対応だったと申し上げましたけれども、今後、今の状況を見ると、やはりこういった危機管理、災害の激甚化・頻発化には想定をせざるを得ないと思いますので、こういった自然災害に備えて公共事業を実施させていただいてまいりましたし、あるいは医療関係の人員なり、機能なりの強化に努め、また更にこれも努めていくということであります。それから災害等に対しては、もはやハードだけでは人の命は守れませんので、ソフトと両面、「埼玉版FEMA」といったことが1つであります。それから2つ目が、経済の持続的発展で、ポストコロナの持続的な発展、さらには昨年からの原材料価格の高騰対策、それから人口が減少してる中で高齢者が増えているということは働く層が減っているということになりますので、この方々がしっかりとした経済を支えないと、高齢者も支えられなければ、必要な若者、子育てに資金も回っていきませんので、こういった経済については、やはり原材料価格高騰対策、さらには労働生産性の向上、首都近郊に位置する埼玉県の特性の向上、こういったことに努めたいと思っています。3つ目が、高齢者、子供の支援の充実であり、「埼玉版スーパー(・シティ)プロジェクト」であったり、「子ども食堂ネットワーク」、「コバトンベビーギフト」と、こういった形でまちづくりからの高齢者、少子化対策、そして子供たちにつながる、少子化対策は、以前からお話してるとおり、単に1つの切り口では多分難しくて、社会全体を変革させなきゃいけないので、そういったことに取り組んでいます。最後になりますけども、不断の行政改革であります。不断の行政改革なしでは、単なる住民サービスの向上だけではなくて、これから県としても様々なインフラの更新や施策が打てなくなるのみならず、県全体として、県庁というより県全体としても、我々として行うべき施策ができないということになると思っています。そんな中で、この行政の効率化と住民サービスの向上という意味での行政改革を進め、特にDXを進めた結果、このDXの進展を前提として働き方改革や県民サービスの向上を実現させる未来の県庁の建替えが可能になったと思っています。以前からお話してるとおり、3つのステップがあって、最初のステップがペーパーレスで、2つ目が県民サービスの向上で、3つ目がデジタルを前提とした、様々なものを構築のうちの1つとして、デジタルを前提とした県庁の建替えといったことも考えられると思いますので、これらについては北部拠点をサンプルとして先行させるのみならず、県庁の建替えも考えたい。また、女性活躍の支援で女性のキャリアアップ、出産後のキャリア再構築、これらにも努めていく。この4つの柱を、私としては積極的に進めていきたい、柱にしたいと思っています。

朝日

 今お聞かせいただいたところ、主に1期目に引き続きというところが多いのかなと思うんですけれども、先ほどあった県庁舎のお話とか、子供医療費のお話とか、1期目になかったところというのも幾つか政策に盛り込んでると思うんですが、2期目、改めてこういうところを新しく取り組んでいきたいとか、新たな大野カラーとして打ち出していきたいというようなところがあればお願いします。

知事

 私の基本的な施策は、基本線は一緒だと思います。未来を見据えて超少子高齢化社会や災害に対応する、そのための道具、ツールとして、埼玉版スーパー・シティ(プロジェクト)であったり、あるいはDXを使っていくと、この感覚は不変です。ただ、ステージはグレードアップしてますので、先ほど申し上げた、4年前では県庁の建替えなんていうことができるベースが全くありませんでした。ところが今、ベース、ステージがグレードアップしてきてますので、そのステージが上がったところにしっかりと対応していくということだろうというふうに思っています。

朝日

 ちょっと話題が変わりまして、最初に8割の得票を得て信任を得たのではないかというようなお話もあったかと思うんですけれども、一方で低投票率が懸念されていたとおり、投票率が低く全国最低をマークしましたが、選挙期間中、候補者自身が投票率を高めるための努力もしていかなければいけないというようなお話もありましたが、結果をどのように受け止めてらっしゃいますでしょうか。

知事

 まず、知事選の投票率のワースト5のうちの3つが過去埼玉県で起きたという意味で、非常に投票率という意味では低い、そういった悪しき伝統を有していた県でありました。そういった中で、今回、先ほど冒頭で申し上げましたけれども、私自身もなかなか争点というものが見いだせないような選挙だったと思っていますので、地道に、候補者としてはですね、県民の皆様に可能な限り、その代わりいろんな御評価も頂きましたけれども、御評価と言うのは、すみません、前評判と言うんでしょうか、もありましたけれども、とにかく自分の選挙は手を抜かないということで、全力で県民の皆さんに訴えてきたつもりであります。他方、県、もしくは市町村としてはですね、県の選管がハローキティを選挙啓発のイメージキャラクターにしたり、大学ボランティアが選挙啓発活動に参加する埼玉県選挙カレッジを作ってもらったり、あるいは市町村におきましても、例えばですけども、深谷市では渋沢栄一翁の新1万円札を模した「投票済証」を配布、松伏町では投票所を訪れた子供に、当地キャラのガチャと言うんですか、のグッズの配布、あるいは吉川市や伊奈町では期日前投票所の増設、開設期間の拡大など工夫をしていただきましたので、ここについては投票率の向上に貢献した部分はあったのではないかと思います。ただ、先ほど申し上げたマイナスの部分、それから時間別の投票率の推移を見ると、前回との比較では午後5時以降が全く違う、午後5時ぐらいまでは前回の約1割減ぐらいだったんですけれども、午後5時以降はですね、突然3割減ぐらいに下がってきたという意味では、やはり大雨が降ったりしてきたことが影響したのではないかなと。また、暑さも非常に厳しくなっていて、事前も含めてですね、選挙期間において1日も涼しい日がなかったというのは、実は上田前知事とも話したんですが、記憶にないということでもありましたので、そういったことが重なったのではないかと思ってます。ただ、今後、選挙は有権者の意思を表明する大切な機会なので、県としても、また候補者にもう1回なるかどうかは別ですけれども、候補者になるとすれば、候補者としてもですね、選挙に関心を持っていただけるようなことを市町村とも連携して実施していきたいと思っています。

朝日

 最後に、昨日も各社から質問があったかと思うんですけれども、今回の選挙で5つの国政政党の県組織から支持を得て選挙戦を一緒に戦われたと思うんですけれども、一緒に17日間選挙戦を展開してきて、例えば各党との距離が縮まったとか、そういった変化というのはありましたでしょうか。

知事

 本当にそれぞれの党、もしくは県議会でいうところの会派の皆さんに今回お世話になって、以前ちょっとお話しましたけれども、私自身は無所属県民党で、そこで県政という意味ではその代わり、県政を考慮して、県での支持は受けるということは前回と全く同じ構図だったわけですけども、今回その輪っかが広がったという意味ではより多くの方々に御参加を頂いたという、私自身は実感はあります。ただ、それが結果に結びついたかと言うと、少なくとも62の市町村では得票が上がりましたので、そういったところがあったのかなというふうには思っています。

朝日

 こうした支持の輪が広がったことに対して、例えばオール与党化っていうふうな言葉も使いながら懸念する動きとか、しがらみが生まれるのではないかというような懸念もあったかと思うんですが、知事はこれまでも是々非々でやってきたというふうに御説明されてると思うんですけれども、こうした懸念に対してはどのようにお考えになりますでしょうか。

知事

 まず、国政政党ですね、との関係で、もしオール与党化と言うんでしょうか、そういうふうに言うとすれば私は的を得ていないと思っていますし、地方自治体の場合には県もそうですけれども二元代表制なので、私は私で県民から直接選ばれて、そして議会は議会で県民から直接選ばれる、国政の場合には議会で選ばれてそこからできますので、そこでもその何て言うんでしょう、与党化、野党化とか、あるいは馴れ合いとかこういった議論はあるのかもしれませんけれども、私たちは別々に選ばれてきますので、そこは是々非々でできる関係を、是々非々でできると言うのは政策や政治の議論をできる関係を作るということが大変重要だというふうに思っています。だからこそ私は公認も推薦も国政政党から求めるということはない。今回も前回も一緒ですけれども、それは有り得ないわけですし、また、どの政党とも政策協定も一切結ばないと、これも貫いてきたところであります。他方で先ほど馴れ合いと言うんですか、とか一体化と言うんでしょうか、について、あるとすればですね、しがらみとおっしゃったか、しがらみとおっしゃいましたけども、しがらみとお考えになった政党はどうも私には支持を出さなかった。つまり、政党として要望を出すと一体化するというふうにお考えになってる政党があるらしいですけれども、その政党さんは私に支持を出さなかったので、結局そういうふうにお考えになってる政党は私のところには支持が来なかったというふうに理解しています。

朝日

 選挙で協力することをしがらみと捉えるのではなく、そういう懸念があるけれども全く是々非々であることには変わりなくしがらみにはならないと、そういうことですよね。

知事

 私はどの政党とも、基本的にはまず要望というレベルで言うと、あらゆる政党から県民のお声を聞かれるわけですから、これまでも実は選挙の結果とか経緯とかですね、そういったことを関係なしに、政党で言えば自民党さんから共産党さんまで等しくお声を聞いてきたつもりであります。こういったものが、ある政党さんは一体化すると、そういうふうにおっしゃる政党がありましたけども、そういった御懸念をお持ちの政党さんは私に支持を出さなかったので、そこはしがらみにならなかったと申し上げたつもりであります。他方で、選挙での協力については、個別だろうが政党だろうが、これまでおそらくあらゆる知事さん、同じように御判断でそれぞれやってきておられると思いますので、それがしがらみになるということが直接馴れ合うとすれば、全ての知事さんと全ての議会でしがらみができてしまいますので、もしそういう意味であれば、もしかするとそうかもしれませんけれども、私自身はそういった意味で、例えば馴れ合いとか、そういった意味ではなく、是々非々の関係ができるような努力をしてきたつもりですし、その一環にあると考えていただいて結構だと思います。

読売

 投票率に関して3点ありまして、1問ずつお伺いできればと思うんですけども、まず、先ほどその争点が見えにくくてですね、不安な面もあったということだったと思うんですが、知事としてはこのワースト更新のこの数字というのは想定内だったのか、この予想外というかですね、意外なものだったのかというのと、選挙で回られる中で、例えば選挙があること自体知らない人がいたとか、あと選挙に行かないみたいな、そういう反応の意味で不安要素があったら教えてもらいたいと思います。

知事

 まず、選挙があるとは知らなかったという反応を聞いたことは、これまでは私は今回の選挙ではありませんでした。反応そのものは、私が記憶してる選挙の中で最も多かった選挙で、私は関わってませんけども私のスタッフの中に立憲民主党の創設に関わったスタッフがいて、彼は当時よりもはるかに反応良いと、こういうふうに言っていました。そのぐらい反応が良かったです。ただ、それが投票行動に結びつかなかったということで、もしかするとこれは周りの方々も心配されておられましたけれども、争点がない、それから大丈夫だろうと、こういう雰囲気ができ上がってしまって、良い言葉で言えば盤石、悪い言葉で言えば緩み、こういったものが如実に出てしまったことはあるのではないかと思っています。他方で、全体として選挙への関心が低い傾向にあったことは事実ですけれども、その中でも最低の投票率、前回と比較という、その前とその前ですね、と比較しても、低いというのは懸念されてはいたものの、我々としては非常に深刻に捉えなければいけないと思いますし、県として、あるいは市町村とも連携してですね、啓発にこれから努めていくべきものだと考えています。

読売

 そうすると、ここまでの低い数字、そのワースト更新というのは想定されてなかった。

知事

 いや、当然そういったことも含めてあるからこそ、様々な私たちとしては努力を、県としてもあるいは、市町村とタイアップしてもやってきたと思っています。また、先ほど申し上げましたけど、候補者としては自分で争点を作るようなものではないので、メディアの方々がおっしゃっていたのは4年間の実績が焦点であると。私自身は自分の政策を淡々とというか、1つ1つ丁寧に申し上げることが私の仕事だと思っていたので、ただ、そこを手を抜いたということは全くないつもりなので、そこはできる限りの、少なくとも体力の限りやってきたつもりなので、そこについてやり方がまずいと言われればそうかもしれませんけれども、やれることは候補者としてはやったつもりです。

読売

 あとちょっと2点目なんですけども、先ほど8割の得票で高い評価を得たという話がありました。ただ一方でですね、この過去ワーストの投票率を見ると、圧倒的な票の数をもって信任を得たと胸を張るような、そういうところまで行かないのかなというふうに思うんですけども、そのあたりはどのように受け止められていますでしょうか。

知事

 投票率とですね、得票と両方だと思っています。そうだとすると絶対数といったことになると思っています。先ほど申し上げたとおり、いわゆる政党から推薦、あるいは公認、支持、こういったものを行った選挙において過去最高の得票を頂いたことについては素直に受け止めていきたいと思ってますし、それが何を意味するかというのも私自身、先ほど申し上げた自分では淡々と丁寧に政策を述べたつもりですが、先ほど申し上げたメディアの方が1期4年が焦点だと言うのであれば、その1期4年に対する評価として高く評価いただいたということはやはりそこは受け止めて、県民の皆様のお声として私はまずはそこは受け止めるべきだろうと考えています。

読売

 最後3点目なんですけども、市町村別の投票率を見ると御地元の川口がワースト2位なんですけれども、このあたり、御地元での、都市部は低いという傾向にあるものの、低かったというところをどう受け止められるのかお願いします。

知事

 川口が投票率の低いのと、先ほど62の市町村で得票数が上がったと申し上げましたが、その62のもう1つが川口でありまして、得票が若干減っている。やっぱり川口のパターン見てるとやはり、広がった輪っかの分があまり効果が出たかどうかというのが分からないところ、もしくはもう大丈夫だろうという雰囲気が特定の地域で広がった、どちらかだろうというふうに思っています。ただいずれにしても、地元だけではもちろん、私は埼玉県の知事なので、地元だけではないですけれども、地元の皆様に大変お世話になって、今回も押し上げていただいたことは全く変わりのないことだと思っています。

時事

 投票率について昨日の事務所での囲み(取材)で、その時期を変えることを検討すべきではないかと国会議員とも話したとおっしゃってましたが、特例法の件とか何か具体的なお話とかされたんでしょうか。もう少し詳細な内容があれば伺いたいです。

知事

 ちょっと無責任な発言で申し訳なかったかもしれませんけれども、数人の国会議員と、昨日の投票率の話を受けてではありませんが、投票率がやはり低くなっているといったこと、それから過酷な夏の選挙、これについてどう考えるかといった意見交換を数名の、これは複数の政党ですけれども、の方々と、このつい1、2週間前かな、選挙の直前ぐらいですかね、させていただいたことがあって、その時に、埼玉県がどうのこうのというよりも、もともと統一地方選を始める時の発想から考えると、随分と時期的にもずれてしまっていて、それから元々の目的も達成できなくなっているので、全体としてもう一度、統一地方選を最初にやった時と同じような形で戻していく必要があるのではないか、そして、それが逆に投票率等の盛り上がりも導くのではないかと。今回最も高かったのは小川町で50パーセントを超えてますけれども、小川町はダブル選挙でした。そういった意味では、これらについての議論というものはあるのかなという、そういった現時点では茶飲み話というわけじゃないですけれども、単なる意見交換のレベルに過ぎないところでありますが、こういった意識は私としても同じ問題意識を持っていますので、これらについては今後も提起していきたいと思っています。

時事

 あともう1点なんですけれども、県庁舎の建替えについて、いつ頃までに一定程度の方針をお示しする、できるとかの時期的な見通しについてのお考えはお持ちでしょうか。

知事

 先ほど申し上げた、今やっとDXの進展によって、やっと県庁の建替えのベースができました。これはまた、今同時並行的に委員会をさせていただいていますので、専門家の方々の御意見を少なくとも今年度中にはしっかりとまずは承るといったところから始めたいと思っています。

朝日

 先ほど読売新聞さんの質問のときにですね、回答されていた部分で、まず最初に2点伺いたいんですけど、1点目は、争点がない選挙だというふうにお考えになったという理由は、具体的にどんなことから争点がないというふうにお考えになっていたんでしょうか。

知事

 具体的に何らかの例えば争点といったものが、まずメディア等でも見えなかったというところがあると思っています。私自身は、私として投げかけたのは、災害の問題ですとか、少子高齢化の問題ですとか、あるいは持続的な経済の発展、これらについては私は投げかけたつもりではありますが、残念ながらそういったものに対して議論があったと思いませんし、議論をしたいというふうにおっしゃって出馬した候補者が出てきたのは、なぜか公開討論会の数日後だったか翌日だったかだと思いますけどで、議論なき今回選挙になったなと、そういうイメージが強くあります。

朝日

 もう1点なんですけども、そのためにですね、「まあ大丈夫だろう」という空気が出てしまったのではないかというようなお話されてましたけれども、そこについては、何をもって大丈夫だろうという空気が出てしまったというふうにお考えになりますか。

知事

 いや、正直分からないですね。私は丁寧に1つ1つお訴えして、「どうぞ私にお力をください」と訴えたつもりなので。ところが、行く人行く人ですね、「いや大丈夫だろう」とかですね、「もう決まったじゃないか」とかですね、そういうふうにお声掛けいただく人が多かったので、私が少なくとも訴えてることとは全く違った反応が出てきたので、ちょっと理由は分からないですが、先ほどちょっと申し上げましたように、良い意味で言えば、盤石だろうというふうに御評価を頂いたということかもしれません。悪い意味で言えば、組織としても緩みだったのかもしれません。

埼玉

 前回の選挙では激戦を制して知事に当選されてというところで、この1期4年間の間に自負であったり責任感であったり、もちろん責任感というところはおありになるかと思うんですが、一夜明けたところで御自身の胸に去来した思いであったりとかというものを、1期目との違いであったりというものがあれば教えていただけますでしょうか。

知事

 1期目との最大の違いは、1期目が始まった時には多くの仲間とともに、もちろん様々なものに取り組むということでありましたけれども、議会を含めてですね、必ずしもワンチームと呼べるような、少なくとも人数ベースではですね、なかったということがあると思っています。ただこの選挙戦中も申し上げましたけれども、ワンチームで取り組む多くの主要な政党なり会派なりに御支持を頂いたということは、逆を言えば今大きな課題がある埼玉県政に対して、これをワンチームで取り組む責任を負うということだろうとも思っていますので、そこについては強い責任感を感じています。また、先ほど申し上げた少子高齢化については、とうとう今の任期の間に2年連続で人口が減るという埼玉県初めての経験、大きな転換期に踏み入れてしまいました。そういった意味では、私が最初から言ってきたことではありますけれども、少子高齢化等の状況がより切迫したと、この2つについては、強い責任感というよりも危機感と責任感の両方を感じています。

埼玉

 争点が今回見えにくかったというところに関連するかと思うんですが、告示の日に、意見を戦わせるだけのものを示していないのではないか他の候補者の方々が、というようなお話をされたかと思うんですが、それに対しての物足りなさと言うと違うかもしれないですが、何か不安と言うか、何か他にいないのかみたいな思いというのはありましたか。

知事

 他にいないのかというのは私が申し上げるような話ではないし、これは相手にも失礼な話なのでそういったものはないですが、ちょっとさっき申し上げた、議論を闘わせたかったというのは正直ありますよね。議論を闘わせたいと言いながら討論会の後に出馬表明した方等については、私の少なくとも目から見ていて、その主張の中にファクトに大きな誤りがあったし、そういったものはやっぱり議論をしないと、向こうはそういうつもりじゃないかもしれないし、この辺はやっぱり、県民の前できちんと議論をしないと、それがそのファクトじゃなくて嘘だで終わってしまったりしてはお互いのため、あるいは県民のためにもならないはずですから、私はそういった議論はしっかり交わすのが、こういった選挙戦の1つの特徴だと思っていますので、そこは正直残念でした。ただ、その人物に物足りないとか、政策が物足りないとかそういったことは考えていません。

テレ玉

 投票率の関係なんですけども、ワースト記録で5位のうち3つ、埼玉県ということで、なぜこういった低投票率が埼玉県で続くのかというところ、知事なりに何か分析しているものとかがあれば教えてください。

知事

 埼玉県においては実は前回の激戦と言われた時も、32(パーセント)なんですね。その意味では、激戦でも3人に2人が参加されないという選挙でありますので、都市部の傾向と言って良いんでしょうか、先ほどちょっと御質問が出た川口の前回の確か市長選挙が22パーセントだったと思いますので、これは都市部になればなるほど低いという傾向が強いことは事実だと思います。それと、私たちはワンチーム埼玉と言ってはいるのものの、埼玉県民意識というものが希薄だという指摘はしばしばされていて、その埼玉のトップを決める知事選挙ということの訴える訴求力というものが、確かにもしかすると他の都道府県よりも、認めたくないですけど、あるのかもしれないなという気はしています。ただ、先ほど申し上げたとおり、政治家としてはですね、少なくとも私の場合にできるのは、政策を丁寧にお訴えすることしかないので、これをお訴えすることによって良いスパイラルの方に戻していきたいというふうに思っています。

テレ玉

 今回、県選管とか市町村もいろいろ工夫をしてですね、投票率向上に向けた取組をやったかと思うんですけれども、結果的に過去最低ということで、今後そういった取組の見直しなんかも必要になってくるのかなと思うんですけど、具体的に何かこういったことやった方が良いんじゃないかみたいなお考えがありましたらお願いします。

知事

 まず、県の選管や市町村の選管がやってくれた中でも、私は実は「8.6来てー」のですね、ダジャレが良いかどうかは別としても、少なくともちょっと話題にはなってくれたんではないかなと思っていますし、松伏のガチャだとかですね、私も深谷の投票証明書は欲しいなと思いましたので、ちょっとそういった気になるものが出てくるということは良いことだと思います。ただ、それをもってもなお、やはり関心はどうしても上がらないといったことがあるので、そこでこれは個人的な意見だけれども、先ほど国会議員の方々と議論をさせていただいたように、もう一度統一選挙について検討するべきではないかといった議論は進めなければなと思っています。

テレ玉

 具体的な議論は今後、何かスケジュールとして、何か決まってるものがあったりとか、そういった具体的に動き出すという予定はあったりするのでしょうか。

知事

 先ほど申し上げたとおり、今のところまだ意見交換の域を出ていません。特に私もネット選挙の解禁のときに当時の党代表で議論の代表として、各党集まった時の代表でやったことがあるんですけど、本当の議員の身分を決める時の議論て、ものすごい遅々として進まないといったところがありますので、いずれにしても問題提起していかないと動かないので、こういったことは機会あるごとに様々な国会議員に働き掛けたいと思っています。

産経

 私からも何点かちょっとお伺いをさせていただきたいんですけれども、議会との関係についてお尋ねをしたいんですが、今回支持を表明したその主要政党、主要な与野党とですね、それから支持を表明されなかった共産党さんがあると思いますけども、今後の立ち位置としてですね、知事は無所属県民党とおっしゃっていますけども、ここの距離感について今後何か変わることがあるのかどうかというのを、1つ、まず教えてください。

知事

 まず、それぞれの政党と政策等については、先ほど申し上げたとおり協定を結んでるわけでもありませんので、そこについては何らかの形で、例えばどこかの政党と、特定のところとですね、縛られるとかそういったことは一切まずないと思っていただいて良いと思います。それから無所属県民党で出させていただいて、今回支持いただかなかった共産党についてはですね、前回も勝手連と言うんでしょうか、自主支援でしたっけ、という言葉だったと思いますので、そこについては、私に御支持を今回もいただいていないってことは一緒だと思います。ただ、先ほど申し上げた若干我々として気になるというか、行政としても考えなければいけないなと思っているのは、政党の要望というのは頻繁に我々受けていて、毎月、あるいは時によっては毎週のように政党要望というのが出てくるわけで、各党からこういったものを受けています、そして、私は議会の答弁でもお話をさせていただいていますけれども、議会(との関係)は車の両輪のようであり、そして議員の方々がそれぞれ個別の選挙区のお声を上げていただくのでこれを真摯に受け止めると申し上げて、これまでもまいりました。したがって、それを現実の問題としてどの政党であっても、少なくとも私の代になってから予算要望等も共産党さんから私が直接お伺いするということをさせていただいてまいりましたし、そこは分け隔てなくやってきたつもりであります。ただ、仮に、政党要望をすると一体化するということを、今回、選挙戦のときにおっしゃった政党がありますのでそこについてはもう一度確認をしないと、行政はやっぱり特定の政党と一体化はあり得ませんので、そこについてはやはり我々、どのように対応するかというのは慎重にならざるを得ないと思っています。

産経

 では今後の要望の受け取り方1つとってもですね、特定の政党と言うか、共産党さんがどのような態度を示されるかによって、これまでの御関係を継続されるのか、あるいは見直していくのかというのは考えていくという理解でよろしいでしょうか。

知事

 関係と言うよりも、先ほど申し上げたように、要望を出したら一体化すると思われたら受け取れないですよね。それだけの話で、党との関係と言うよりも、そういう意味ではなくて、要望は要望で我々は頂いて、それをその真摯に受け止めて行政としてどうするかを当然の話ながら議論をして、ただいろんな要望があったとしても、それは我々、尊重するべきなんだと私は常に思っています。ただ、出した瞬間、一体化すると思われるんであれば、ちょっと行政として危なっかしくてしょうがないので、そこはどう対応するかというのを今まで想定したことがないことだったので、少し議論をさせていただきたいと思っています。

産経

 ちょっと質問が変わりまして、今回の知事選でですね、支持を受けた主要な5つの政党あると思いますけれども、この知事選一夜明けてですね、こちらの政党さんであるとか、あるいは党の会派にですね、何らかの知事の方から、例えば再選を改めて報告をするですとか、そういった動きがもしあれば、例えば昨日も事務所の方で各党の幹部の皆さんにお集まりになってたと思うんですが、今日改めて知事の方からですね、例えば再選について御報告をされたりとか、そういうようなことをもしされていらっしゃることがあれば改めて教えてください。

知事

 5つの主要な政党のうち、5つの主要な政党とそれから無所属県民会議のいわゆる会派ですね、については、全て私の方から昨日もしくは今日の段階で、直接もしくは電話等で御報告はさせていただきました。また今日おられた会派については、4つにつきましては私の方でお伺いをして御挨拶はさせていただきました。

産経

 その時のやり取り等を、もし言える範囲で教えていただけるものがあれば、どういったやり取りをされたのかというのも教えていただけますでしょうか。

知事

 ちょうどそのうちの2つの会派については、団会議と言うんでしょうか、会派会議と言うんでしょうか、ちょうどおやりになられていてほぼ全員がそろっておられましたので、私の方から昨日の結果と今回の選挙でいろいろ御苦労いただいたことに対して、お世話になりましたということを申し上げました。2つの会派につきましてはおられなかったということで、特段、アポイントメントを取ったわけではないので、おられる方、数名でしたけども、に御挨拶をするとともに、(おられなかった方には)御挨拶の代わりに名刺置いてまいりました。

産経

 基本的には全ての会派に御挨拶には行かれたという理解でよろしいですか。直接ないし電話でですね。

知事

 維新さんがですね、会派みたいなのが今のところないので行ってませんけれども、ただ電話とかメールではいたしました。

産経

 共産党さんについてはいかがでしょうか。

知事

 今回御挨拶、私がですか。

産経

 そうです。

知事

 共産党さんは行くつもりはございません。

日経

 2期目に関して、1点お伺いしたいことがございます。今現在、企業の経営環境というのは厳しい状況にさらされており、原材料、資源価格の高騰、人手不足、それからコロナの融資の返済やAI技術進展による事業関係の不透明性の向上など、数えたらきりがないと思うんですけど、その中で大野知事が2期目に企業団体、企業を代表する産業団体とそれから金融機関それぞれにどのような連携を図っていくのか、そういったお考えがあればお伺いできればと思います。

知事

 これは現在の危機を想定して作ったものではありませんけれども、第1波の直後に既に御報告をさせていただいているとおり、感染症対策と経済をどう進めるかという目的で作りました「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」、これについては産官学金労が参加をしており、これは当初の目的とは違うんですけれども、昨年の物価高騰・エネルギー価格の高騰、あるいは補正予算の編成、そして当初予算の際の各業界の要望、こういったことについて、あるいはその価格転嫁の協定等について、その折々に際して、こちらから御意見をお伺いをし、これが有機的に機能的に働いてきたと思っています。この枠組みというものはおそらく得がたいものでありますので、2期目においてもこの枠組みは活用させていただきたいというふうに思っています。他方で、1期目に当初実は始めて、終わったわけじゃないんですけれども下火になったのが、各商工会議所とか商工団体との連合(会)の方じゃなくて、個別のものを実はやっていまして、最初走り始めたんですがコロナでこれが止まってしまい、その後再開して2つぐらいしかやってないのかな、という状況でありましたので、こういったところはやっぱり再開をしてですね、連合会としての意見ではないけれども、地域ごとの御意見等を賜るようなものであればですね、是非お伺いをしていきたいと思っていますので、可能な限り再開を急ぎたいと思っています。(終)

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知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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