トップページ > 第15回 求められるものが多くなってきたゴールキーパーの役割

ここから本文です。

サッカー・フットサル

その他

2017年1月13日(金曜日)

第15回 求められるものが多くなってきたゴールキーパーの役割

先日は、ストライカーについて若干触れてみましたが、今回は、ある意味ストライカーと対極にあるポジションをテーマにしてみたいと思います。

ゴールキーパー!

 

日々のトレーニングを重ねることが大切なのは、どのポジションにも共通して言えることですが、ストライカーに関しては、天賦の才も必要ではないか・・・という趣旨のことを過日は書かせていただきました。

 

さて、ゴールキーパー。

こちらは、基礎訓練がとりわけ重要なポジションであると同時に、実戦での経験値を積むことが欠かせない役割だと思います。

とにかく、いろいろな試合に出て、実戦の中で自分の経験を積み重ねていくことが、特にゴールキーパーというポジションには重要となります。

 

またゴールキーパーは、チームメイトの最後尾に布陣して、前を向き、ピッチ全体を見渡しているのですから、チームの司令官とさえ呼べると思います。

 

フットボールは、日々進化し、どのポジションも年代を追うごとに、求められるプレイスタイルは変化してきていますが、私が思うには、ゴールキーパーに求められるものは、いまやもの凄いことになっているのでは!?と・・・。

 

一昔前であれば、ゴールキーパーは、ゴールマウスを守る番人として、たとえば反射神経が良いとか、キャッチングが安定しているとか、とかくシュートを止める人というイメージがあったと思います。

 

しかし、現代においては、ゴールキーパーは、11人目のフィールドプレイヤーとして、攻撃の起点になることも多々あります。

 

また、守備面でも、様々なことが、従来とは変わってきました。

まず、プレイのスピードが年々アップしているので、それに対応するために、ゴールキーパーもダッシュ力、走力がより要求されるようになった。

 

次に、現代フットボールは、全員攻撃に近いスタイルを用いるチームも多く、チャンス!と、見たらペナルティーエリアの中に、どんどんと人が入ってきます。

ゆえに、ゴールキーパーがカバーする守備範囲が、格段に広くなった。

それに対応できるだけの判断力とフィジカルが要求されます。

 

さらに、スピードアップした現代のフットボールにおいて、ゴールキーパーは、カウンター攻撃の起点としての役割を担うこともあります。

そうなると、質が良く精度の高いキックが出来なければ、一流とは見なされない。

 

他にも、全体がスピードアップしている中、的確なコーチングをして、味方プレイヤー、特にディフェンスラインを統率するという役割も担います。

 

さらに言えば、現代のゴールキーパーには、足下の上手さも要求されています。

それだけ、ゴール前における相手プレイヤーとのギリギリの攻防が増えているということだと思いますし、バックパスを手で処理できなくなったルール改正が大きく影響していることも確かだと思います。

 

近年は、本当にゴールキーパーに求められる役割、仕事の量が増えたと、私はつくづく実感しています。

だからこそ、もっともっとゴールキーパーが評価されてしかるべしかと。

 

さて、現在における世界的なゴールキーパーの名前をあげるとすれば、やはりその知名度から言っても、バイエルン・ミュンヘン所属のマヌエル・ノイアー(ドイツ)をご紹介しておきたいと思います。

 

ノイアーも、それまでのゴールキーパー像を自分なりに変化させた一人であり、そのプレイぶりからは、多々学ぶべきことがあると思います。

 

ノイアーはドイツ人ですが、実はドイツという国には、他にも優秀な若手ゴールキーパーが育って来ています。

ぜひ、ドイツのゴールキーパー育成術なども、参考にしていけたらいいですね。

 

ブンデスリーガ(ドイツの国内リーグ)のクラブでは、日本人のゴールキーパー・コーチも若手の指導にあたっていらっしゃる例があったと思います。

そういった貴重な経験をもった人に、ぜひそのスキルを日本へと伝えていただきたいし、こちらからも積極的にアプローチすることが肝要かと思います。

 

ゴールキーパーはフットボールにあって地味なポジション。

そういった発想は、もう捨てなければいけないし、優れたゴールキーパーをもったチームが強い!という事実も直視していくべきだと、私は考えております。

 

 

      ~レジェンドの言葉~

ディノ・ゾフ

「ゴールキーパーはワインに似ているところがあるね。年を積み重ねるほどに味わいが出てくるんだ」(依田:意訳)

 

※ディノ・ゾフ(1942年2月28日~)

 堅守を誇るイタリアを象徴する伝説的守護神(ゴールキーパー)。

 現役時代には、イタリア代表の要として、欧州選手権、ワールドカップの2大大会を共に制覇している。

 

第16回 フットボールの魅力を倍増させるもの ~スタジアムが織りなす雰囲気~ 

 

★連載トップページへ

 

著者紹介

依田 透(埼玉県在住)

フットボール・コラムニスト

元リバプールFC(イングランド) オフィシャル・コラムニスト

 

イングランド・プレミアリーグを中心とするヨーロッパのフットボールに造詣が深く、日々、精力的にコラムの執筆活動を続けている。

 

特に、著者のブログ『Liverpoolの1ファンが綴るblog』は、日本全国に多くの読者・ファンがおり、熱烈な支持を受けている。

イングランド・プレミアリーグファンからは、『カリスマ・ブロガー』とも呼ばれる存在である。

http://liverpool.tokyo/