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掲載日:2021年7月8日
ダウン症候群の赤ちゃんは、便秘になりやすい体質があります。理由としては、(1)全身の筋力が柔らかいため、いきむ動作が苦手であること、(2)腹圧をかけるような姿勢をとることや自分で体を動かすことが苦手であること、などがあげられます。
ダウン症候群でなくても離乳食がすすむ時期は母乳やミルクの量が減ることで水分が不足し便秘になりやすい傾向があります。また、消化が良いものを食べているので便の量が少なく便秘なのではと心配になることがあります。
排便は個人差が大きいものです。
3日以上溜めないようにすることが一つの目安です。いろいろ試しても改善しないようならば、下剤の服用も検討します。遺伝科やかかりつけの先生に相談してみましょう
鼻水が多いときは、少し頭を高くして寝かせてあげるとよいです。その他には横向きで寝かせてあげることも効果的な場合があります。仰向けで平らなところに寝ていると、鼻水が鼻の奥やのどの溜まって息苦しくなってしまうことがあります。
咳、鼻水などの風邪症状は飛沫感染、接触感染でうつります。また、胃腸炎の多くは接触感染でうつります。手洗い、うがいが重要です。お子さんが小さく、手洗い・うがいが難しい場合には接触する周囲の方(御家族など)が積極的に手洗い・うがいをするようにしましょう。
その他の予防方法としては予防接種があります。合併症や接種可能時期かどうかに注意をしながら予防接種をうけるようにしましょう。
当センターでは新生児の聴覚スクリーニング検査を受けて、問題ないようであれば1歳頃に耳鼻科への紹介をして聴力や中耳炎の評価をしています。耳垢や中耳炎によって聞こえにくさが生じていることもあるので、耳鼻科のかかりつけをもってもらい、可能であれば定期的に受診をしましょう。
新生児スクリーニング検査で難聴の疑いと指摘された場合には、聴性脳幹反応 (ABR)などの精密検査を行います。精査可能機関への紹介となると思いますので、受診をしましょう。難聴が軽度の場合には、日常生活にあまり影響がないこともあります。治療や経過観察の方法については検査結果も踏まえて耳鼻科の先生と相談しながら様子をみていきましょう。
ダウン症のある赤ちゃんは肌が乾燥しやすいです。特に冬場に目立ちます。白色ワセリン(プロペト軟膏)などの塗布で保湿を心掛けましょう。お風呂上りは乾燥しやすいので、お風呂から上がったらすぐに塗ってあげるとよいでしょう。
ダウン症のある赤ちゃんは手足が冷えやすい傾向があり、知らない間にしもやけになっていることもあります(手足の指が赤紫になって腫れる)。寒い季節になってきたら早めにマッサージを始めることや、手袋などでの保温に留意しましょう。大きくなって保育園や幼稚園に入ったとき、薄着で裸足を励行している場合がありますが、周りのお子さんと較べてダウン症のあるお子さんは手足が冷たくなりやすいということは伝えて適切に対応してもらうことが大切です。
ダウン症のあるお子さんは歯がはえるのがゆっくり、順番が違うことがある、などの特徴がありますが、歯自体はしっかりしているので、ちゃんとケアすれば虫歯を防ぐことが可能です。目安としては1才をすぎて、歯が1本でもはえていたら、歯科への受診を開始することをお勧めしています。歯磨きはお口の健康管理に必須です。歯科での歯磨きのアドバイスも参考に、毎日磨く習慣をつけていきましょう。
ダウン症候群をもつお子さんの体格(身長・体重)は、平均に比べて小柄であり、また乳児期は筋緊張の弱さなどから伸び方や増え方もゆっくりです。よって母子手帳の成長曲線だけで判断するのは適当ではありません。遺伝科ではダウン症候群の成長曲線を準備しており、外来ごとに身長体重の記録をつけて必ずお伝えしています。体重の増加の目安としては、ダウン症候群の成長曲線の傾きを参考にしつつ、お子さんに見合ったペースで伸びてきているかが大切なことです。時にペースが崩れる時は体調面の変化にも注意が必要です。しかしながら経過の中でぐっと伸びる時期が必ずきます。きっかけは、筋力がついてくること、体調が安定してくること、合併症の治療が一段落すること、などです。心臓の手術が終わりしばらくして見違えるように哺乳や離乳が進んできたお子さんがたくさんいます。
吐くことが増えたと外来で相談があった場合、まず、以下をチェックします。
(1)他の症状(熱、下痢など)、(2)最近の体重経過、(3)本人の元気です。
逆に言えば、他の症状がなく、元気で、体重増加が安定している場合は、大きな心配がないことがほとんどです。嚥下やげっぷの拙さがあるため飲む量が増えてくることで、とろりと(時にけぽっと)口から出てしまうことは多く、中間排気を増やしたり、一回量を少し控えたりすることで落ち着くことが多いです。また便が滞っていることも一因となるため、この場合は積極的に排便を促す対応が推奨されます(マッサージ、綿棒刺激、時に便秘薬)。詳しくは便秘のQ and Aを参考にしてください。一方で、嘔吐と共に上述の(1)、(2)、(3)のどれかの症状がある場合は受診や対応が必要なことが多いので注意してください。急性の経過の場合は、胃腸炎(特に冬場の感染流行期)に注意が必要です。また(1)はなく嘔吐のみが続き体重増加不良を伴う場合は、胃食道逆流による可能性もあります。一方で、少数の割合ですが、離乳食になって吐くことが増えてきた場合に、栄養の通り道のどこかが狭い(食道・十二指腸狭窄)といった外科的合併症が原因のこともあります。これらは専門診療科の対応が必要です。心配が続く場合は遺伝科に相談ください。他の専門科との連携や窓口の役割をしています。
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