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埼玉県立がんセンター > 臨床腫瘍研究所 > 研究所プロジェクト紹介 > 難治性の神経芽腫のがん幹細胞特異的な新規治療法の開発

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掲載日:2021年9月3日

 難治性の神経芽腫のがん幹細胞特異的な新規治療法の開発

担当: 竹信尚典、杉野隆一、大平美紀、上條岳彦

 

 がんの転移や再発は、がんの悪性化と直結しますが、近年その原因に「がん幹細胞」という細胞の存在が示唆されています。がん幹細胞は、がんの中に少数存在して治療に抵抗して生き残り、転移を引き起こすと考えられています。このことから、この生き残ったがん幹細胞は、がんの悪性化の原因となっているといえます。

 我々は、神経芽腫という小児の固形腫瘍を用い、がん幹細胞を濃縮できるスフェア(浮遊細胞塊)培養によって、がん幹細胞のマーカーCD133が高発現することに着目しました。CD133は細胞内のシグナル経路を変化させることでがん細胞を未分化に保ち、悪性度の高いものにすることを見出しました。また、スフェア特異的で神経芽腫の悪性化に関る分子CFC-1は、TGF-betaファミリーであるアクチビンによる細胞分化を抑制して増殖を促進することを発見しました。

 さらに、CD133の転写領域を解析し、スフェア特異的な転写因子を同定した。その転写因子は、iPS細胞の形成などにも関わるOCT4等の様々な幹細胞関連遺伝子の発現を上昇させるとともに、細胞増殖を促進するMYCの働きを抑制する。このことで、がん幹細胞性を保ちつつ、増殖を止めて薬剤耐性等の治療に抵抗するメカニズムがあることが示唆されました。

 これらの分子自体および分子の発現機構を標的とすることは、神経芽腫だけでなく様々ながんの治療に応用でき、がん幹細胞を抑えることで再発や転移を抑えることのできる、画期的な治療法の開発につながるものと考えられます。

 

がん幹細胞特異的な治療法開発(画像)

 

がん幹細胞特異的な治療法開発

がん幹細胞特異的なシグナル経路を明らかにして、新たな治療方法の開発を行います。

 

主な論文

1. Takenobu H et al.(2011) Oncogene, 30(1):97-105

2. Chikaraishi K et al. (2017) Oncotarget, 8(28):45046-45059

 

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