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埼玉県立がんセンター > 臨床腫瘍研究所 > 研究所プロジェクト紹介 > Aryl hydrocarbon receptor (AhR) の大腸がん抑制機能の解析・ヒトがん細胞の体外培養

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掲載日:2023年9月12日

Aryl hydrocarbon receptor (AhR) の大腸がん抑制機能の解析・ヒトがん細胞の体外培養

担当: 生田統悟

 

 1)Aryl hydrocarbon receptor (AhR)は、リガンド依存性転写因子であり、ダイオキシン類やベンツピレン等の化学物質を外来性のリガンドとする一方で、トリプトファン代謝物等の内因性リガンドが存在し、細胞の分化や増殖を調節しています。AhRノックアウトマウスの盲腸にがんが生じることや、AhRリガンド投与された大腸がんモデルマウスにみられる腫瘍数の減少から、AhRの大腸がん抑制因子としての機能が示されています。本研究は、AhR作用のリガンド依存性を応用し、がん予防に効果的な化学物質の検索・開発をめざして、AhRの大腸がん抑制効果の作用機序を明らかにすることを目的としています。

 

 野生型C57BLマウスに、緑黄色野菜に含まれるAhRリガンドindole-3-carbinol(I3C)を投与すると、小腸でAhR活性化が起こると同時に、ケモカインであるCCL5 mRNAが減少しました。マウス大腸がん細胞株CT26をTNFa処理するとCCL5 が誘導されます。またI3C前処理によってTNFa効果は抑制され、前述のマウス個体を使った観察が培養系で再現されました。

 炎症反応に重要なNFBやSTAT3などのシグナル伝達物質の活性に与える影響を、蛋白質どうしの相互作用やDNA結合活性等を指標に検討し、リガンド物質の作用点を明らかにしたいと考えています。

 

 2)近年の細胞生物学的な研究により、様々な組織の幹細胞が培養系で維持されるようになり、がん幹細胞の研究も進められていますこのような研究成果は、腫瘍由来の組織を体外で再現させることを可能にし、投与する薬の効果や転移の可能性を予測する系として期待されています。本研究は、将来このような方法の開発を目指して、基礎的なシステムを構築することを目的としています。

 

 

AhRによるがん抑制の作用機序を示す図

AhRによるがん抑制の作用機序を示す図

食餌成分に含まれるAhRリガンドは、腸の様々な細胞を活性化して大腸がんを抑制すると考えられます。

 

研究成果

1. Ikuta T et al (2013) Carcinogenesis 34:1620-1627.

2. Ikuta T et al (2016) Exp Cell Res 343:126-134.

3. Ikuta T, Okabe-Kado J, Br J Cancer Res, 2018 in press

 

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