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掲載日:2020年9月23日

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はつらつ・れんたつ教職員の取組(毛呂山町立毛呂山小学校 松元 美奈子 教諭)

今月号は、毛呂山町立毛呂山小学校 松元 美奈子 教諭の取組を紹介します。

松元教諭は同じ学年の若い教員を指導しつつ、チームで協力して長期的な展望のもと学年経営を進めました。児童や保護者に親身になって接することで、同僚や保護者、児童からの信頼が厚い先生です。


松元教諭1

教員を目指した理由を教えてください。

私自身が小学生のときから、小学校という雰囲気がとても好きでした。

みんなで過ごす空間や、シーンと静まりかえった廊下の雰囲気、放課後のドッヂボールなど毎日がとても楽しくて、大好きだったので、小学校という現場で是非仕事をしたいと思いました。

小さい子も好きでしたので、一緒に笑ったり歌ったりして生活していくのがとてもいいな、将来そういう仕事に就けたらいいなと思って教員を目指しました。

チームで生徒指導に対応してきたと伺いました。どのように対応されたのでしょうか。

まず1つ目として、学年の担任みんなが同じことを指導しましょうと教員間で共通理解を図りました。例えば「名札をきちんとつける」など、学校の細かい決まりの中でもちゃんとここを指導していきましょうという点を皆で相談して決めました。

1組の先生は名札のこと言わないけど、2組の先生は朝会の度に名札がついていないことを注意するということだと、子供たちと信頼関係を築くことは難しいのです。

「この先生も言っている、隣のクラスの先生も言っている、その隣の先生も言っているとなると、じゃあやっぱりそうなんだ」、と子供たちも納得しやすいんですね。

特に最初が大事です。進級したての4、5月。子供たちとうまく信頼関係をつくるためにも、1組でも2組でも3組でも同じことを先生が指導しているなということを子供たちが分かることが大切です。

さらに、担任だけでなく、音楽などの教科を担当する先生も含めて、細かいことだけどここは指導しようね、というところをきちんと確認して、きちんと指導することをしました。

また、教員にも得意なこと不得意なことはあって、子供たちを盛り上げるのが上手な先生がいたり、ある教科に卓越した先生がいたりするので、先生のよさをお互いに生かしてやっていこうね、ということを確認しました。

それが繰り返されていくと指導も深まって、子供たちに「先生たちはまとまっているな」と思ってもらえます。

子供たちが「チーム」という言葉で感じているかどうかはわかりませんが、自分たちを一緒に見てくれているんだなという安心感が生まれると思うので、そういう意味でも「皆で協力しようね!チームで頑張ろうね!」という学年作りをしました。

 

大きな2つ目として、1年間を3つに区切って指導を進めていきました。

1学期は、児童個人の様子や学年全体の様子を見て、学年のよさや問題点を見つけていきました。また授業の前に学習用具を出しておくなど指導することを確認しました。

2学期は、研究授業などの機会を利用して皆で教材研究をするなど学習指導を深めていきました。また、子供の状況に合わせて学級集団として成長できるように学級指導を行いました。問題が生じたときは、学年で相談した上で管理職、生徒主任等に報告し、学年・学校のチームで対応していきました。

3学期はまとめの時期です。この1年間頑張ったなという達成感や、来年度頑張ろうという希望を持たせるようにしました。特に6年生は中学校に向けて不安もあるので、中学校ってこんなところとか、中学校に行ったらこんなことがしてみたいとか、希望を持って卒業できるようにしたいと思いました。

 

他にはどんなことをされたのでしょうか。

子供たち自身で考える活動をしました。まず、資料をもとに、よりよい関係を築くためにはどうすればよいかを考えました。そして子供たちの考えは全てまとめて印刷し、それをもとにまた話し合いました。

答えは一つにまとまりませんでしたが、そこでお互いに考えることができたことが良かったなと思います。その後もちょっと違う題材から考えるなど、繰り返し考える機会をつくりました。

また、子供たち一人ひとりの様子を知るために生活アンケートに合わせて、6年生は全員と個人面談をすることにしました。そうすると、アンケートには書けなかったけど、こういうことがあったとか、こういうことをしているとか、話してくれるんですね。

小学校の担任は子供たちとずっと一緒にいますけど、全員同じくらい話ができているわけではありません。落ち着いて話す時間も少ない。普段あまり話ができていない子とも話せるのですごく有効でした。

指導で使う資料はどのように用意しているでしょうか。

例えば最近はスマホ関連で指導したいこともあるのですが、私自身はあまり詳しくありません。ですから、他の先生が研修などで得た情報で、これ良さそうだなって思ったらそれを使わせてもらっています。

学年チーム、学校チーム皆で情報を共有したり、皆で一緒にやっていくということですね。職員室の中で「今こんなことがあって困っている。」と誰かが言えば、違う誰かが「こういう方法があるよ。」と教えてくれます。

 毛呂山小学校の職員室はとても良い雰囲気なんです。皆でやろうという雰囲気が出ています。とても助かっています。

皆でやろうという雰囲気を職員室に作るコツがあるのでしょうか。

当たり前のことですが、先生方それぞれのよいところを認めて、協力し合う気持ちが必要です。 

中心になるのはやっぱり学年主任の先生だと思います。私がこれまで出会ってきた先輩の先生方は皆面倒見がよくて、大変なときは助けてくれるし、良い時には褒めてくれる先生でした。

ですので、逆に自分が学年主任の立場になったら、同じように周りの先生や若い先生に返していきたいと考えています。

先生方が皆で協力するというのが問題解決へのポイントになるのですね。

そうですね。自分のクラスだけ良ければいいという考えでは絶対だめだと思います。

協力し合える雰囲気を作るのがベテランといわれる域に入ってきた私たちの役割なのだと感じています。自分がかつて失敗した経験も含めて伝えながら、チームとしてがんばろうねってまとめていくことが今の私たちの仕事だと考えています。

児童とのかかわり方で気を付けていることはどんなことでしょうか。

やはり一人の人間として接することだと思います。話をするときには目を見てしっかりと伝えることが大切です。

また、小学校は1年生から6年生までいるので、その発達段階に合わせてかかわっていくことです。

例えば、低学年の子たちは先生に褒められることがとても嬉しいので、褒めるときはみんなの前で少し大げさなくらいに褒めます。「〇〇ちゃんの背筋、ピンと伸びていて素敵!」のような感じで。そうすると周りの子たちまで姿勢がよくなります。

でも高学年の子には同じやり方ではうまく伝わらないこともあるので、褒め方を工夫しています。その子のそばに行って「今のあなたの行動よかったよ」と伝えたり、目でちょっと合図をしたりしています。

そして何より真剣に向き合うことが大事かなと思います。担任としてこの子たちとしっかり向き合っていくんだという気持ちをもって臨んでいきたいと思っています。

松元教諭2

チームで対応していくというのは、昔からあったのでしょうか

教育現場では昔からあったとは思いますが、今ほどクローズアップされてはいなかったと思います。でも、今までの先生も「チーム」という言葉では表していなくても、学年みんなで一緒にやっていこうという想いをもっていたのだと思います。

今後どんな取り組みをやっていこうとお考えでしょうか

「お互いを知る活動」をやっていきたいと考えています。

最近特に感じるのですが、子供たちはクラスで一緒にいるから自然に仲良くなるかというと、実はそうではないようで、お互いを知って仲良くできる環境を作っていくことが必要だと思っています。

私のイメージとしては、「クラスを耕す」ことが必要だと感じています。

一年を通してお互いを知る活動をしたいと思います。例えば、1年生では席替えのたびに「よろしくねカード」を交換して自己紹介をしています。また、お互いの良いところをカードに書いて交換する活動を今後も取り入れたいと考えています。

教員を目指す方へのメッセージをお願いします。

今、教員の仕事は労働時間が長いとか直面する問題が多岐に渡るとか、大変さがクローズアップされていると思うのですが、学期や学年が終わった後に味わえる達成感というのは学校の先生ならではのものと思います。

そして何よりも子供の成長を感じられるとき、子供と心が通じ合ったとき。学校生活の中で、楽しい時にも大変な時にもお互い一生懸命やりながら、先生と子供たち、子供たち同士の気持ちが一緒にある、分かち合える瞬間があるんですよね。それって、子供たちのすぐそばにいる先生じゃないと味わえない喜びだと私は思います。

ぜひ、子供を好きになって、子供と一緒に分かち合える喜びを味わってほしいなと思います。

子供の成長を見守るって本当に素晴らしいことです。私は今年度、久しぶりに1年生の担任になりました。最初は本当に何もできなかった子供たちが一学期を終えた今では立派に読み書きができて、計算ができて、掃除ができて、給食を配れて、顔つきも体つきもちがう。たくましく成長しています。子供って本当に素晴らしい。子供たちの成長を感じて子供たちと共に過ごす喜びを味わってほしいと思います。

 

 

【インタビューを終えて】

終始明るく元気にお話しをされていたのが印象的でした。インタビューの合間には「周りに素晴らしい先生方がいて、助けてもらってばかりです。」と謙遜されていましたが、きっと松元先生の明るさ、元気さが、職員室内に協力し合う雰囲気を創り出し、直面する課題に対して教員みんなで取り組んで行こう!とさせているのだろうと思います。

松元先生がいる学校は、児童はもちろん、一緒に仕事をする先生もきっと毎日楽しいのだろうな、と感じさせる素敵な先生でした。

松元 美奈子 教諭の取組

チームで取り組む学年経営 ~子供たちのよりよい成長のために~(PDF:233KB)

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