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掲載日:2019年5月29日

平成26年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (小島信昭議員)

教科書採択について

Q 小島信昭議員(自民)

本年平成26年は、平成27年度から小学校で使われる教科書採択の年であります。本年3月末までに下村文部科学大臣は、国旗・国歌や領土問題など政府見解に沿った記述を検査基準の大きな柱にして今回の検査を行ったと聞いております。4月5日の産経新聞、読売新聞でも、小学生の教科書の領土の記述について、内容の差の比較が掲載されていました。政府見解を踏まえて作成した教科書ですが、内容については大きな差が読み取れる記事でした。
昨年、県議会文教委員会で指摘され、大変問題になりました教科書問題でも、今までの教科書業界が大変おかしな状況にあり、政府見解を全く無視した、どこの国の視点に立って作ったのかと、大きな疑問が残る教科書が検定を通り、一般に広く使われてきたこと自体、異常と言わざるを得ない状況でした。現在、国民の間で周知されている領土問題などの事実が、これから日本を担っていこうとする子供たちの小学校教科書に記述されていなかったのですが、今回、検定を通った教科書は一歩前進があったのでしょうか。

そして、検定を通った小学校の27年度教科書が採択地区ごとに審査をする時期となりました。採択地区も、以前の14地区から現在では23地区となり、以前よりは少し風通しが良くなったようであります。検定を通った教科書は採択地区ごとに配布され、検討されると同時に、教科書を図書館など県内25か所で展示をし、県民に閲覧できるようにしております。私も独自に、社会科の教科書における記述について4社を比較調査してみました。

領土問題に関わる部分を見てみますと、まず5年生で、北方領土、竹島、尖閣諸島をめぐる問題について、東京書籍、日本文教出版、光村図書、教育出版、各社とも記述しております。新聞報道にあったとおり、内容は大きく差がありました。東京書籍、日本文教出版、光村図書は半ページ程度のコラムで扱い、教育出版のみ2ページで扱い、解説がありました。また、東京書籍、日本文教出版、教育出版は、竹島、尖閣諸島の写真を入れていますが、光村図書にはありませんでした。さらには、教育出版、日本文教出版、光村図書には、6年生でも領土問題について触れておりますが、東京書籍にはありませんでした。総合してみると、領土問題について扱っている分量や資料が多いのは教育出版で、次いで日本文教出版、光村図書、一番少ないのは東京書籍です。

検定を通った全ての教科書に領土問題の記述がありますが、「日本海上にある竹島は、韓国が不正に占領しています」、また、「東シナ海上にある尖閣諸島は日本固有の領土ですが、中国がその領有を主張しています」と事実だけを単純に掲載している教科書が多いようです。教科書は本来、学習の狙いを明確にし、教育上適切な解説や配慮が必要だと思いますが、不足している教科書もあるなと感じました。

次に、国旗・国歌の扱いを見てみました。各社ともオリンピックなどで国旗掲揚の様子を例に挙げて、国旗の意義について説明しています。その写真ですが、教育出版、日本文教出版、光村図書は、日本の日の丸が中央に掲載されている写真、すなわち日本人選手が1位、金メダルを獲得したときの写真を掲載していますが、東京書籍だけは日の丸が中央でない、アメリカ、カナダに次いで3位の写真でした。何の意味があるんでしょうか。

また、天皇陛下の被災地の訪問を紹介した部分を比べると、教育出版、日本文教出版、光村図書は、解説で「天皇陛下」と記述をしていますが、東京書籍は「天皇」としており、皇室に対する敬意が感じられません。

また、この教書採択を調査していくうちに、新しい事実も見えてまいりました。既に教科書検定が終了しているにもかかわらず、そして選定作業にも入っているにもかかわらず、「小学校社会科教科書の訂正につきまして」という文書が出回っているのです。そして、その内容は領土問題に関わる部分の追加訂正なのです。厳正な検定が終了し、直後に、しかもさきに申し上げたとおり広く報道された後で、こうした極めて重要な部分について訂正をするというのは、そもそも編集方針や編集者の姿勢を疑問視せざるを得ません。差出人は「東京書籍編集局長」とあります。宛先は「教育委員会教育長先生教科用図書採択事務担当者様」とあります。

そもそも検定終了後の訂正が、そして現在審査中の教科書に訂正ができるのでしょうか。この文書は、各市町村教育委員会まで届いているのでしょうか。また、埼玉県教育委員会として選定のための資料を作成し、各採択区に配布するとのことでしたが、先ほど述べたような意見や視点で要領を取りまとめたのかについて、教育長にお伺いいたします。また、この訂正についてどのような感想をお持ちなのか、教育委員会委員長にもお伺いいたします。

A 関根郁夫 教育長

まず、「検定終了後に教科書の訂正ができるのか」についてでございます。

検定後の教科書の訂正は、教科用図書検定規則により文部科学大臣の承認を受けて行うことができます。

議員御指摘の文書にも、「この訂正は、文部科学省に申請し、承認を受けたもので、来年度用の供給本は訂正された内容で供給される」旨が記載されております。

この件について、文部科学省に問い合わせたところ、5月8日付けで訂正の申請がなされ、文部科学省でその内容が確認され、承認されたものであることが確認できました。

また、検定後の記述内容の訂正は、誤記、誤植なども含め、比較的頻繁に行われていることも確認いたしました。

さらに、発行者に確認したところ、この訂正文につきましては、県内全ての市町村教育委員会に送付しているとのことです。

次に、「県教育委員会が作成した選定のための資料について」でございます。

市町村立小・中学校で使用する教科書の採択権限は、市町村教育委員会にございます。

一方、県は、市町村教育委員会が主体的な採択を適切に行えるよう、指導、助言又は援助を行っております。

県が市町村に対して指導、助言を行おうとするときは、法令により、教科用図書選定審議会を設置し、あらかじめ、その意見をきかなければならないとされております。

この教科用図書選定審議会からは、指導、助言又は援助に当たり、その内容が市町村教育委員会の主体性を損なうことのないよう留意すること、という答申をいただいております。

これらのことから、資料の作成に当たっては、市町村教育委員会の主体的採択を担保するため、特定の教科書を推薦しているとか、教科書に優劣を付けていると捉えられることのないよう配慮しております。

資料の中では、学校教育法にある知識・技能などを習得するための工夫や、例えば社会科では、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育てるための工夫などを主な観点とし、教科書の特色が記載されております。

県といたしましては、市町村教育委員会が教科書の調査研究を十分に行い、子供の状況を鑑み、各教育委員が自らの見識や判断を基に主体性を持って採択できるよう、しっかりと指導、助言、援助を行ってまいります。

A 千葉照實 教育委員会委員長

「検定終了後の訂正についての感想」でございます。

小学校社会科の学習指導要領解説では、我が国の領土の学習においては、領土の東西南北の端の位置及び我が国固有の領土である北方領土が、ロシア連邦に不法に占拠されていることに触れるとされております。

私は、これに加えて、次代を担う小学生には我が国の領土についての理解を深めさせ、問題の平和的解決について考える力の基礎的知識を習得させることが重要であると考えております。

今回の件について、訂正の事情は明らかではありませんが、我が国固有の領土をめぐる問題への関心の高まりや中学校学習指導要領解説の改訂などへの配慮があったのではないかと推察をしております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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