埼玉県議会

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掲載日:2019年5月30日

平成26年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (土屋恵一議員)

三富新田の世界農業遺産認定について

Q 土屋恵一議員(自民)

世界農業遺産(GIAHS)とは、国際連合食糧農業機関(FAO)が2002年、平成14年から始めた登録制度であります。目的は、近代化の中で失われつつあるその土地の環境を生かした伝統的な農業・農法、生物多様性が守られた土地利用、農村文化、農村景観などを地域システムとして一体的に維持・保全し、次世代へ継承していくことであります。
これまで世界各地の伝統的農法や生物多様性が守られた土地利用を保全するため、ペルー、チリ、中国、フィリピン、アルジェリア、タンザニアなどで認定されており、日本でも2011年に佐渡と能登が先進国として初めて認定され、2013年に静岡、大分、熊本が新たに認定され、現在世界で11か国、25の地域で登録されています。
三富新田は元禄7年、1694年7月、北武蔵野のこの土地は、川越藩主であった柳沢吉保によって新田開発が進められました。当時は近隣の村々から移住してきた農民により開拓が始まったと言われております。開拓が始まってから約2年後の元禄9年、1696年5月に検地が行われ、上富91屋敷、中富40屋敷、下富49屋敷の合計180屋敷の新しい村が誕生しました。三富新田の富のついた村の名前は中国の孔子の教えに基づくもので、豊かな村になるようにという願いが込められているそうです。現在では上富は三芳町に、中富・下富は所沢市に編入されています。
武蔵野台地に位置する三富新田の開発は、開拓農民の知恵と努力によって成し遂げられました。栄養分が少なく水はけの悪い赤土、関東ローム層に大量の堆肥を投入し、肥沃な土地に変え、三富全域で11か所の深井戸約22メートルが掘られ、数軒が共同で利用しました。また、季節風が畑の乾いた赤土を舞い上げ、赤い風となって吹きまくり、開拓農民はあぜに空木、お茶の木を植え、防いだと言われています。
このように、開発当初からしばらくの間は過酷な自然条件の下で農民の農業経営も安定したものではなく、作物もあわ・ひえなどの雑穀ぐらいしか収穫できなかったと言われています。1751年、南永井村、現在の所沢市にサツマイモの種芋がもたらされると三富地域でも盛んに生産され、三富新田でとれたサツマイモ、富のいもは畑方第一の作品とまで言われ、生産の拡大とともに川越、所沢市場で売買され、「川越いも」というブランド名で商品化されています。三芳町の三富新田は伝統的に循環型農業が盛んで、日本の里100選にも選ばれています。
また、2月24日、西アフリカのセネガル共和国国家エコビレッジ庁のバー長官が、国際協力機関(JICA)がセネガルで進めている環境と経済が調和した村落開発推進計画の一環として三富新田を視察に来られました。町としても存続が危ぶまれている伝統農法などを次世代に継承する意味からも、世界農業遺産認定に向けて取り組んでおります。
県としても、埼玉県で初めてとなる世界農業遺産認定に向けてどのような協力ができるのか、また、どのように考えているのか、農林部長にお伺いいたします。

A 高山次郎 農林部長

三芳町から所沢市に広がる約1400ヘクタールの三富新田は、300年以上前から平地林の落ち葉堆肥を使った循環型農業が行われています。
三富新田では、一農家ごとに幅約70メートル、長さ約680メートルと細長く地割され、屋敷地、農地そして平地林の順に配置されております。
落ち葉堆肥を入れた肥沃な畑では、高品質なさつまいもや、さといも、ほうれんそうなどが生産され、畑の境には強風で土が飛ばされないよう、お茶の木を植えるなど、先人の知恵を活かした農業が行われています。
議員お話しのとおり、三芳町では昨年から、三富新田の循環型農業を世界農業遺産に認定するよう取り組まれています。
世界農業遺産に認定されることは、農家や地域住民の方々の自信や誇りを高め、三富農業を続けていく大きなエネルギーになります。
また、地元農産物のブランド化や観光客の増加にもつながり、農業のみならず地域の振興にも大きく寄与するものと期待されます。
しかしながら、相続などを契機に受け継がれてきた平地林が手放され、一部、工場や倉庫になるなど、虫喰い状に開発されていることが認定に当たっての課題との指摘もあります。
このため、江戸から続く三富新田の循環型農業そのものを守っていくという強い意志を、具体的なプランとして示していくことが必要と考えております。
県といたしましては、今後とも、三芳町や近隣市、関係機関と連携し、世界農業遺産認定に向けた取組をしっかり支援してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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