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掲載日:2019年5月30日
Q 山下勝矢
今日、3月3日は桃の節句、おひなさまの日です。しかし、聴覚障害者にとっては特別な耳の日でもあります。このような耳の日に、栄えある埼玉県議会において一般質問をさせていただくのは、何か偶然とは思えないものを感じながら一般質問をさせていただきます。
我が国の手話の歴史は、明治時代のろう学校の設立に始まります。そして、聴覚障害者の間で大切に受け継がれながら発展してきました。しかし、時代を経て、手話は発声訓練などの妨げになるとの誤解から、ろう学校でも手話を使ってはいけない時代がつい最近まで続いていたのであります。ろう学校でも手話を禁止されましたが、児童生徒たちは先生に隠れて手話を使いました。
聴覚障害者は手話を禁止されながらも、どうしても必要なコミュニケーションとして手話を守ってきたのです。例えば「好き」という言葉は、健常者は大好きなのか、それとも普通に好きなのか、嫌いだけれども好きというのか、声の抑揚を通して表現します。手話は同じようにその使い分けができるのです。手話は言葉のニュアンスも伝えるというのはそういう意味です。
このような歴史的背景を知れば知るほど、2011年に成立した障害者基本法では、「手話は言語である」と認められたことの意義、そして聴覚障害者にとって「手話は言語である」という言葉の重みは、我々健常者にとっては想像することができないほどの重みを持っています。まるで日本語を禁止された日本国民が、日本語を話すことを認められたかのような感慨をお持ちになったのではないでしょうか。
実態面から捉えれば、手話言語条例のあるなしにかかわらず聴覚障害者施策を充実させればよいというのは、確かにそのとおりです。しかし、私が感じているのは、聴覚障害者にとって「手話は言語である」とは、胸を揺さぶるほどの魂を持った言葉だと思います。手話言語条例の制定は聴覚障害者にとっての大きな願いであります。是非、手話言語条例の制定へと前向きに進んでほしいと思っております。そして、手話は言語であることを推し進めるため、県作成のリーフレットなど大いにPRをしていただきたいと思いますが、知事の御所見を改めてお伺いをします。
A 上田清司 知事
手話は聴覚障害者にとって意思疎通を図る重要なコミュニケーションの一つでございます。
議員のお話のように、手話については過去の経緯などもあり、聴覚障害者の方々が社会的に手話の地位を確立したいという思いを強く持っておられることもよく承知しております。
私も手話は言語であると認識しております。
県では高度な専門性を持つ手話通訳者や手話ができない聴覚障害者のための要約筆記者などを養成しており、現在、手話通訳者が93名、要約筆記者が61名登録されています。
また、市町村においても手話通訳登録者が400人、要約筆記登録者が85人おり、聴覚障害者の日常生活を支えております。
平成24年度の県と市町村を合わせた派遣件数は、手話通訳者の派遣が約23,600件、要約筆記者の派遣が約1,500件に上っております。
今後とも「手話は言語である」という位置付けを明確にする中で、手話通訳者の養成・派遣を進めるとともに、彩の国だよりなどを活用して手話の普及啓発にも努めていきたいと考えます。
条例制定については、その実効性も含めお互いに研究させていただければありがたい、このように思っているところでございます。
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