埼玉県議会

ここから本文です。

ページ番号:27442

掲載日:2019年5月30日

平成26年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (星野光弘議員)

タイムライン(事前行動計画)について

Q 星野光弘議員(自民

昨年4月、我々自民党県議団は、「大規模災害復旧対策について」というテーマでアメリカに視察に行ってまいりました。ハリケーン・サンディ及びハリケーン・カトリーナの被災地であるニューヨーク市とニューオリンズ市を訪問、ジェトロ、ニューヨーク州政府、メトロノース鉄道、米国連邦緊急事態管理庁、通称FEMA、ニューオリンズ市、NPO法人などの各機関を視察してまいりました。
2012年10月22日、アメリカ東部ニュージャージー州に上陸したハリケーン・サンディは、大都市ニューヨークを直撃して高潮災害を引き起こし、被害総額50億ドルを超え、死者132人、都市水害、停電、火災などによる甚大な被害をもたらしました。このハリケーン・サンディの対応に当たって、ニューヨーク州政府、連邦緊急事態管理庁を訪問、貴重なお話を伺ってまいりました。そこで耳にしたのが「タイムライン」、事前行動計画です。
米国の災害対策は、被害の発生を前提として、日本の気象庁に当たる米国海洋大気局(NOAA)の予報の下に、避難命令や浸水防止対策など、発災前から関係機関が実施すべき対策を時系列にプログラム化したタイムラインを作成します。このプログラムに基づき、関係機関が連携して行動することにより、被害軽減に大きな成果を上げました。また、タイムラインは、災害が発生するごとに見直され改善されます。防災対応が結果的に空振りになっても、その経験を次の行動計画の改善に生かします。
ハリケーン・サンディ上陸時にも、被害の発生を前提とした防災の考え方でタイムラインによる減災を実現しています。このとき、ニュージャージー州知事のクリスティー知事は、タイムラインどおりにハリケーン・サンディ上陸36時間前に避難勧告を発表し、初動の遅れを未然に防ぐことができました。この早目の対応が功を奏しました。
このように、米国ではリスク評価に基づいて危機管理対応のタイムラインの作成で、ハリケーンの進路予測と連動した避難命令などの意思決定支援ツールの整備により、自然災害の有する不確実性に対しても、意思決定者がひるむことなく判断して、機動的な対応を可能にしています。日本の台風も、発生してから被害が生じるまでに時間があり、先を見越した対応による減災は可能であります。上田知事に、米国で大きな減災効果を上げているタイムラインプログラムの導入を提言いたします。御見解を伺います。
次に、本年1月、国土交通省は巨大台風でタイムライン行動計画を策定する旨の報道発表がありました。国土交通省も昨年、ハリケーン・サンディの現地調査を行っており、「想定外を対応せよ」というフレーズをもって調査団による緊急メッセージが出されております。タイムラインプログラムの有用性、必要性を理解し、年内に原案を作成するとありました。危機管理すべき事案は、自然災害だけでなく、感染症やテロ、原子力防災など、緊急事態に対する準備・対応・復旧という流れに応用できると考えます。
例えば、2月14日から降り始めた雪は、観測史上まれに見る大雪となりました。本県の農業被害は甚大で、山間部では道路が寸断され、集落が孤立、我が富士見市でも総合体育館の屋根が崩落するなど、県内に大きな爪跡を残しました。台風と同様に、降雪に関する気象情報についても予測可能な範囲であろうと考えます。提案するタイムラインの仕組みを活用して、大雪被害に対する事前行動計画を策定することができます。タイムラインの良さを生かし、危機管理防災機能を十分に発揮され、関係機関と連携し、迅速に対応することができたのではないかと考えております。危機管理防災部長に見解を伺います。

A 上田清司 知事

御提案のタイムラインによって、ニューヨークではハリケーン・サンディによる被害の低減に大きな効果があった、このように思います。
私も防災・減災を実現する上で、タイムラインの手法は大変意義深いのではないかと考えます。
これまでの災害対応は、例えば河川が一定の水位を超えた時に避難指示を出すといった、「事態」が起きてから行うものでございます。
しかし、巨大台風による大規模水害では、被害が広範囲に及びます。
巨大台風が直撃することが明らかになった段階で、発災までの「時間」から逆算した対応が必要ではないか、こうした問題提起は極めて大きな意味を持っております。
いつ起こるか分からない地震や竜巻と違い、巨大台風や火山の噴火は、被害が生じるまでに時間的な余裕があります。
そういう意味で、タイムラインによって、いつの時点で誰が何をすべきかを時系列でルール化し、関係機関が共有することで、災害対応の漏れや遅れを防げることができるかもしれません。
例えば、巨大台風の上陸が予想され、大規模な水害の恐れが明確になったとき、避難所の開設や避難指示を促す時点をあらかじめ決めておくこと。
また、鉄道の運行停止を予想し、臨時休校や休業の決定時間を定めておき、早期の帰宅を促す措置も考えられます。
現在、まだまだしっかり勉強しているわけではありませんが、考えられる一つとして、タイムラインの適用に当たっては、予想が大きく外れた場合、民間事業者から損害賠償を請求されるような事態も考えられるかもしれません。
本県の気象や地形の特性並びに対象となる災害の規模などを想定し、様々な課題を整理していく必要があるかと思います。
昨年12月に星野議員からタイムラインの適用に関するお話が事務方にもございました。早速、事務方の方で、関係部局が今研究を始めているところでございます。
この研究成果をしっかり踏まえて、改めて、このタイムラインの意義というものを踏まえ、市町村や防災関係機関の意見を聴いて、タイムラインの策定の取組を進め、更に県民の安心安全に繋げていきたいと考えております。

A 福島 亨 危機管理防災部長

今回の大雪は観測史上最高の積雪でございました。
今後、県・市町村、災害対策に従事した機関で、今回の被害や対応方法を踏まえた雪害対策のあり方について、十分検証してまいりたいと思います。
これからの対策を講じる際には、タイムラインの考え方も取り入れて研究してまいります。
具体的には、孤立のおそれのある集落への避難指示、雪が降り積もる前の道路の通行止め、除雪作業の準備指示などの判断をルール化して、防災関係機関が共有しておくことが考えられます。
さらに、タイムラインを活用するには、普段から大雪で孤立する恐れがある集落について、一人暮らしの高齢者など、災害時に配慮が必要な方の情報を把握しておく必要があります。
また、除雪のための資機材の充実、家庭における食料や燃料の備蓄も必要だと考えられます。
今回の大雪につきましても、当初から大量の積雪が予測されていればタイムラインの事前行動計画の考え方が生かせた可能性があると考えております。
今回は、気象情報の予測に対して実際の降雪量が大幅に上回ったため、事前の対応が困難な面もございました。
今後、大雪の残した教訓を基に、再度起こり得るものとして事前の対策をしっかりと講じてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?