埼玉県議会

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ページ番号:27400

掲載日:2019年5月30日

平成26年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (鈴木正人議員)

昨年県立高校で採択された実教出版の歴史教科書採択問題と指導資料集の中身について

Q 鈴木正人議員(刷新の会

昨年の9月定例会で大きな議論になりました、学習指導要領で指導を義務付けられている国旗掲揚・国歌斉唱について、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版の教科書が県立高校8校で採択された問題について、超党派の埼玉県議会教科書を考える議員連盟が埼玉県教育委員会に対し、県立高等学校用の日本史教科書の採択に際し、国旗掲揚及び国歌斉唱を「強制」と記述した実教出版の日本史教科書を採択しないよう求める要望書を提出したり、本会議では、高校日本史教科書採択の再審査を求める決議がされたにもかかわらず、その後、問題のある実教出版の教科書が採択されたことは、大変遺憾に感じております。
県議会教科書を考える議員連盟では、昨年12月に研修会を開催、日本教育再生機構理事長、八木秀次氏を講師にお迎えをし、問題となっている実教出版の高校日本史教科書の問題点についてお話をいただきましたが、要は、「この教科書は、共産主義及び日教組などの左派系教職員組合の宣伝パンフレットと言ってもおかしくない」と切り捨てられておりました。
ちなみに、「青少年をして祖国の前途に絶望せしめることが、革命精神養成の最良の道である」と述べたのはレーニンであります。祖国の前途を絶望させれば、若者たちは共産主義革命の精神が生まれるので、革命戦士を育てるには、事実かどうかは別として、自虐史観を教えたいということなのかもしれません。
この教科書の論調のままで教われば、我が国並びに先人たちは、戦争で近隣諸国並びにアジアの人たち、さらには自国の沖縄の人たちまで殺しまくり、若い女性を慰安婦として人さらいをしてきた最悪の民族であると書かれておりますので、学校の先生の言うことに対して何ら疑いも持たない優等生であれば優等生であるほど、我々の祖先はどうしようもなく野蛮で、日本という国に生まれたことを恥ずかしいと感じても仕方のない内容になっております。これでは、埼玉県の教育方針である自国や郷土に誇りを持てる生徒たちは絶対に育つとは思えません。
教育委員会は、これまでの議論の中で、懸念を払拭するため、教科書の書きぶりを踏まえ、事務局に対して、教員が多面的、多角的な視点から適切な教育指導を実践できるような指導資料集の作成を指示し、準備を進めていると答弁をされてきましたが、八木秀次氏は、そんな両論が書かれているような指導資料集というものをしっかりと作ろうとすれば、膨大な資料になり、扱いが難しいのではないかと指摘をしておりましたが、私もそのとおりだと感じております。
例えば沖縄集団自決について、「強制集団死」という形で実教出版の教科書では書かれておりますが、この問題は、昨年7月29日に福岡高裁那覇支部で判決が下され、パンドラの箱訴訟ということで、地元の新聞社である琉球新報社が敗訴し、集団自決の軍命令の誤りも立証されております。その後、上告もされなかったので、判決も確定をいたしました。
パンドラの箱訴訟では、沖縄の集団自決の真実を調査した沖縄の作家の方が、当時の集団自決のあった沖縄県渡嘉敷島の隊長であります赤松氏について、「赤松さんは自決命令を出していない。それどころか自決をとめようとしたのだ。少ない軍の食糧も住民に分けてくれた立派な人物だ。村の人たちで赤松さんを悪く言う者は一人もいないはずだ。みんな感謝している」という取材内容である「パンドラの箱を開く時」という取材記事に関する連載を、一方的に地元の新聞社である琉球新報社に拒否されたとして、記事を書いたジャーナリストが琉球新報を訴えたところ、琉球新報社は敗訴いたしました。私も以前現地入りして、当時の隊長の発言や行動を知る人の住民からの証言では、全く同じ調査結果が出ておりました。
こうした集団自決の軍命令説の誤りが裁判でも立証され、今でも御存命でいらっしゃる、お隣、沖縄県座間味島の元隊長梅澤裕氏は、裁判の結果を受けて、「これで六十年間重くのしかかっていた肩の荷がおりた気持ちだ」と、敗戦後ずっと戦勝国並びに敗戦利得者である地元マスコミによって冤罪を押し付けられていた肩の荷がおりたと、名誉回復が事実上行われたことを喜んでいたそうであります。
しかし、平成26年に使われる実教出版の教科書では、沖縄では「強制集団死」があったと書かれているのであります。この問題は、ほかの教科書でもこうした記述があるとも伺っております。一定程度良識があり、歴史を客観的に伝えようとする教科書であれば、裁判で争われていることを断定して書いたりはいたしません。そうしますと、単なる教科書の比較であれば、沖縄集団自決に関して、軍命令による強制で自決したと触れない教科書と、「強制集団死」ということで軍命令によって強制的に自決させられたかのような記述をしているものがありますから、教科書に書かれている「強制集団死」のみが紹介されるということになってしまいます。裁判で判決が確定した事案でも、違った内容のみが教えられるのは余りにも理不尽であり、何も知らない真っ白な生徒たちが、一方的な歴史観だけ習うことになりかねません。判決の結果も教えなければ、多面的、多角的な指導などできないと思うのであります。こうした事案の場合、どうやって多面的、多角的に指導資料集が作られていくのでしょうか。そこで、新年度に向けて指導資料集の中身はどうなっていくのか、しっかり活用されるようどのような工夫がなされるのか、教育委員会委員長並びに教育長にお尋ねをいたします。

A 千葉照実 教育委員会委員長

私は、自国の歴史・文化の良さを知り、我が国と郷土を愛する心を持った上で、諸外国の人と建設的な関係を築いていこうとする人材の育成、そしてそうした人材に必要な学力と、物事を多面的・多角的に考察し、公正に評価・判断する能力と姿勢の育成に資するものかといった視点から、教科書の調査・研究に取り組みました。
その結果、いずれの教科書も、文部科学省の検定に合格してはおりますが、歴史的事件や事象などの記述に懸念を抱くようなものが少なからずあると感じました。
一つの事柄についても、様々な見方や考え方があることを、しっかりと理解させ、主体的に考えさせることが大切であり、また、懸念されることは払拭していくことが必要であります。
また特に、歴史的事件・事象などの中には、真偽不明のものや諸説あるもの、既に解決済みのものもありますので、各教科書の記述の違いを比較するだけではなく、公正・中立な教育に資するため、我が国の見解や公式の統計等も盛り込むよう事務局に指示をし、準備を進めております。
次に、「しっかり活用されるようにどのような工夫がなされるのか」についてでございます。
私たち教育委員は、この指導資料集に、子供たちが、自国の歴史や文化の良さを知り、我が国と郷土を愛する心を育み、物事を公正に判断できる力を持ち、健やかに成長してほしいという熱い想いと期待を込めております。
内容は勿論大切でありますが、これが各学校の授業の中で作成目的に沿い十分に活用されなければ意味がありません。
事務局に指示をし、しっかりと取り組ませますし、教育委員会といたしましても、各学校での取組の確認と指導を継続してまいります。
今後とも諸外国の人々と互いに自国のことを自信を持って語り合える心身ともに健やかな人材の育成のため、しっかりと取り組んでまいります。

A 関根郁夫 教育長

現在、教育委員会委員長の指示を受け、平成26年度に使用する高等学校用地理歴史科などの教科書60冊を対象として、記述のポイント比較を中心とした指導資料集の編集に取り組み、最終的な段階にきております。
この資料集では、原始・古代から近現代に至るまで、歴史的な事件や事象などのうち、見方などが諸説分かれる事柄、例えば沖縄戦における集団自決などの47項目について取り上げております。
それぞれの項目については、まず、教科書記述を比較する上での着眼点を示し、教科書ごとに記述のポイントを分かりやすく整理しております。
さらに、国の見解や公式の統計資料なども盛り込み内容の充実を図り、来年度当初から活用してまいります。
次に、「しっかり活用されるようにどのような工夫がなされるのか」についてでございます。
この資料集作成の経緯や趣旨については、昨年11月及び今年1月の全県の校長会議において、私から直接全ての県立学校長に対して、繰り返し指示し徹底を図ったところでございます。
また、来年度からの使用に向け、2月5日に全ての県立学校の教頭及び地理歴史科や公民科の教員366人が参加した研修会を実施し、有効活用について周知徹底を図りました。
来年度は、管理職及び地理歴史科や公民科の教員対象の研修会をはじめ、初任者研修などで、資料集活用の研修を実施いたします。
さらに、各学校から活用事例を報告させ、有効な活用事例を共有するなど活用の充実について指導してまいります。
今後も、生徒に多面的・多角的な考察を促し、主体的に判断できる能力を育成するようしっかりと歴史教育に取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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