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掲載日:2019年5月30日
Q 西山淳次議員(公明)
2月初旬に警察庁がまとめたところによると、2013年の振り込め詐欺を含む特殊詐欺の被害総額は、最多だった2012年を約122億5,000万円、33パーセント上回り、約486億9,000万円で、過去最悪となったことが分かりました。本県の被害額は約27億3,500万円、東京都、神奈川県、千葉県、大阪府に次いで第5位の被害額、本県としても過去最高の被害額でありました。これだけ振り込め詐欺事件が報道され、様々な注意喚起がされているのに、どうして被害額が過去最高になってしまうのでしょうか。誠に残念です。
警察庁によれば、オレオレ詐欺は従来、銀行の窓口や現金自動支払機(ATM)から振り込ませる手口が主流でしたが、金融機関や警察がATMの1日当たりの利用限度額を引き下げるなどの対策を進めたこともあり、最近は直接取りに来る手渡し型にシフトしているそうです。また、手渡し型の場合、1件当たりの平均被害額が振り込め型の204万円に対して約2倍の401万円と高額になっており、この手渡し型が横行したことが、過去最高の被害額となったとしています。見知らぬ人に多額の現金を渡してしまうとは、にわかに信じがたい話ですが、それが現実であります。このほかにも、現金を宅配便やレターパックで送らせる手口、株や金融商品の購入を持ちかける詐欺、購入していない商品を宅配便などで送り付けるなど、新たな手口が次々と編み出されて、対策が追いつかないのでしょうか。被害に遭った方は、老後の資金を失うだけでなく、親族間のいさかいなどにより人間関係まで失ってしまう方もいると聞きます。断じてこうした詐欺の横行を許してはなりません。
そこで伺います。本県の被害状況をどう分析しておられますか。また、犯行は個人ではなく、複数グループで行われていると推測されますが、どのような犯人像なのでしょうか。犯人逮捕と被害防止対策の強化に断固として取り組んでいただきたいと思いますが、警察本部長の見解を伺います。
また、株や金融商品の購入を持ちかける詐欺や送り付け詐欺など商取引に関する詐欺の増加、加えて詐欺まがいの悪質商法も相変わらず県民生活を脅かしています。高齢者を中心として、消費者への啓発や保護が一層大事だと思いますが、知事の見解を伺います。
A 上田清司 知事
高齢者の健康不安や孤独、記憶力の低下に悪質事業者がつけ込む消費者被害が多くなっています。
代表的な事例であります健康食品などの送り付け商法に関する相談は、県全体で平成23年度192件、平成24年度384件、平成25年度は2月24日現在で1,135件と急増しています。
消費者被害防止のためには、トラブルに遭った場合の相談体制の充実、トラブルに遭わないようにするための啓発の推進、更には悪質事業者への指導の強化の3つが重要であります。
ただ、1つの事案をかたづけていくと、また改めて違う事案をもってくるので、なかなか騙されやすいという状況にあります。
まず、相談体制の充実です。
県は消費者行政活性化基金を活用して、市町村の相談体制の充実に取り組んでまいりました。
その結果、現在、全ての市町村に相談窓口が設置され、週4日以上相談窓口を開設する消費生活センターも61の市町に設置されています。これは全国トップレベルです。
また、県の消費生活相談員が市町村相談員の支援を行うとともに、県では平日の相談のほか、土曜日にも相談を受け付けております。
次に、消費者への啓発です。
県は、高齢者を対象とする金融商品解説講座や遺産相続の講座など、対象者に応じた消費生活講座を開催しています。
また、高齢者への啓発は、身近な市町村や地域で行うことが重要です。
そこで県は市町村の消費生活部門と民生委員や地域包括支援センターなどの福祉部門との連携強化を進めており、現在42の市町で「消費者安心ネットワーク」が構築されています。
県は「彩の国くらしレポート」や「お助けかわらばん」を発行し、このネットワークや民生委員などを通じて高齢者に情報を提供しています。
また、県では地域で高齢者を見守る方を対象に啓発手法や悪質事業者の情報を提供し、この方々に啓発を行っていただくことも大切だと考えております。
そこで、民生委員や地域包括支援センター職員、市町村職員を対象に最新の事例を紹介する高齢者フォーラムを昨年10月から11月にかけて4会場で開催いたしました。
最後に、事業者への指導強化です。
埼玉県では悪質事業者は絶対に許さないという姿勢で取り組んでいます。
その結果、平成24年度は14件の処分を行いました。これは全国で第1位の件数です。
今年度も、金や浄水器の訪問販売者や健康食品の送り付け業者などに対し、県はこれまでに10件の業務停止命令などの処分を行っています。
こうした厳しい徹底した事業者の指導が抑止力となり、結果として消費者被害の防止につながるものと考えます。
今後も、高齢者をなかなか終わらない消費者被害から守り、安心安全な消費生活が送れるよう、3つの取組を一体的に推進してまいります。
本当に次から次にこうした騙しの手口が出てきて、1つかたづけるとまた1つ出てくる。大変困難な事案ですが、引き続きがんばってまいります。
A 杵淵智行 警察本部長
議員ご指摘のとおり、平成25年中の振り込め詐欺を含む特殊詐欺の被害は、件数、被害額とも一昨年を大きく上回り、非常に深刻な状況にあります。
特に都内に隣接する県南部や県西部の発生が多く、被害者の約9割が高齢者で、犯人に直接現金を手渡す「手交型」が振り込め詐欺全体の約8割を占めているのが特徴であります。
振り込め詐欺は、匿名性の極めて高い組織的な犯罪であり、1回の犯行で数百万円から数千万円もの現金を手に入れられるため、暴力団が関与しているほか、アルバイト感覚で安易に犯行に加わる少年が増えております。
このため、犯人逮捕と犯行グループの壊滅に向けて、引き続き「だまされたふり作戦」を実施することに加え、組織犯罪対策部門が有する情報も併せて集約分析し、犯行グループの中枢に対する取締りを推進してまいります。
被害防止対策に関しては、金融機関等による水際防止対策の強化に努め、平成25年中は23億円弱の被害を未然防止いたしました。
これに加え、高齢者に対する防犯講話やコールセンターによる予防架電等の対策を引き続き推進するとともに、新たに、犯人が掛けてきた電話が怪しい電話だと警告してくれる、迷惑電話チェッカーの普及にも取り組んでいるところであります。
今後とも、県警察といたしましては振り込め詐欺の撲滅に向け、組織の総力を挙げて、検挙活動と未然防止対策を推進してまいります。
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