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掲載日:2019年5月31日
先月28日、県議会英霊にこたえる議連有志で靖国神社を参拝した折、遺族会の方から孫の会・曾孫の会を設立する旨の話を伺いました。さきの大戦で最愛の父や夫や亡くし、育児や父母の面倒に厳しい時代を乗り越えてこられた遺族の皆さまは、祖国を思い、家族を案じつつ、異郷の地で無念の最期を遂げられた戦没者に慰霊の誠をささげてまいりました。
しかし、遺族会の高齢化は慰霊の精神を継承できるかどうかという新たな問題に直面しているのです。この問題は、戦争体験に伴う戦争の悲惨さや平和や命の尊さの継承の難しさだけでなく、それらの風化が危惧されるわけでありますが、今を生きる私たちはそれらをしっかり受け継いでいく必要があるのではないでしょうか。
また、本県では昭和41年に建立された「埼玉の塔」が、沖縄県糸満市摩文仁の丘にあり、毎年11月に慰霊巡拝団が訪れております。この埼玉の塔は、現在戦没者の遺書を表現した高さ4メートル、幅13メートルに及ぶバックスクリーンはもとより、台座や七体の鋳物製の本体像など全体にわたりひび割れ、すき間、さびなどの劣化が見られる状態だといいます。
昭和44年を最初として、これまでに計18回の改修整備が施されており、そのうち7体の塔本体は昭和51年、55年、59年、63年、平成10年、16年と6回にも及ぶ塗装整備が実施されております。御影石などの素材ならともかく、海のそばですから特にさびをはじめとする傷みのほどは理解できるところであります。この埼玉の塔、いよいよ再来年には建立50周年となりますが、前回の修繕からはや10年が経過しております。
そこで、知事にお伺いします。ご遺族の高齢化が進む状況において、今のままでは戦没者追悼の精神が薄れていく懸念があります。知事の慰霊の誠の精神のご認識と併せて、この問題に対するご所見をお伺いいたします。また、埼玉の塔の整備に向けてどのように取り組まれるか、お考えをお聞かせください。
先の大戦で、4万8千人を超える埼玉県出身の方々の尊い命が犠牲になっております。
故郷と家族を守るために戦い、祖国の安泰を夢見て散っていかれた数多くの戦没者の深い思いに応えるため、大戦から学んだ多くの教訓を風化させてはならないと思います。
日本を愛し、平和を守っていくことの大切さを御遺族の皆さんとともに語り継いでいくことは極めて重要なことでございます。
私も県主催の戦没者追悼式に出席するたびに、その思いを強くしております。
一方で、議員お話しのように、御遺族の皆様の高齢化が進み、慰霊の誠の精神が薄れていく懸念も生じております。
県では遺族会と協議し、戦没者追悼式に戦没者の孫の方にも御参列いただくという取組も始めました。
しかし、これだけでは十分ではないと思っております。
もっとたくさんの若い世代に対して確実に訴える方策がないのかと思っております。
例えば平成24年度、県立高校78校の生徒約1万8千名が修学旅行で沖縄を訪れています。
このうち、埼玉の塔を訪問した学校はわずか9校であり大変残念に思います。
私は一人でも多くの修学旅行の生徒に沖縄県にある埼玉の塔を訪れ戦没者を追悼していただくことにより、若い世代への継承が今まで以上に図られることが望ましいと考えております。
教育委員会において、こうした点についてご配慮をいただきたい、このように議場を通じて訴えたいと思っております。
現在、日本の領土に対する他国からの領有権主張や北朝鮮による拉致問題などにより平和が脅かされつつあります。
私は国民全てが過去の惨禍を認識し戦没者を追悼する意識を持つことが、将来にわたり平和を維持していくことにつながっていくものと考えております。
今後とも、特に若い人たちへ戦没者追悼の意識が確実に普及していくように取り組んでまいります。
次に、埼玉の塔の整備についてでございます。
沖縄に設置された埼玉の塔は、南方諸地域で亡くなられた本県出身者2万8千余の御霊をまつっているとても大切なものでございます。
私も5、6年前に行ったきりですので、そのときの状況をよく思い出しきれませんが、写真で見る限り、塔本体にさびが目立ち、台座には劣化による隙間が生じ、塔に向かう階段にずれや破損が見られるなどの状況が見られます。
日本の繁栄の礎となられた英霊の象徴である埼玉の塔は、平成27年に設置50周年を迎えます。
この50周年を記念して、何らかの形で完全に修繕をするのか、破損の状態によっては新たに作り直すのか、そこも含めてしっかりと対応していきたいと思います。
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