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掲載日:2019年5月31日

平成25年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (新井一徳議員)

崩壊寸前の救急医療を救うには?

Q 新井一徳議員(自民)

先日、救急医療かくあるべしと、思わずうなってしまうような新聞の連載記事を目にし、興味深く読みました。川越救急クリニックを個人で開業する上原淳医師の奮闘ぶりを紹介する「救急開業医の挑戦」であります。上原医師は、たらい回しになった患者を県内全域から積極的に受け入れています。このクリニックに救急搬送された患者は、昨年一年間でおよそ1,000人。一方、県内の救急医療機関の平均が約750人です。県平均を大きく上回る患者一人一人の受け入れを、上原医師がたった一人で担ってきたのです。これほど地域医療に貢献しながら、このクリニックは救急告示を受けられないでいます。極めて理不尽と言わざるを得ません。

救急医療とは、どうあるべきなのか、そんな問題意識を抱えつつ、先日、上原医師にお会いし、お話をお伺いしてまいりました。

このクリニックは、毎日午後4時から午後10時まで外来を受け付け、さらに夜中も翌朝の午前9時まで救急患者を受け入れています。上原医師によれば、救急患者の受け入れは県内全域からに及び、過去には40の医療機関に断られ、たらい回しになった末に搬送されてきた高齢の男性もいたそうであります。しかし、こうしたたらい回しは決して希有(けう)な事例ではないらしく、上原医師は自らの役割をこう表現します。「救急システムから漏れた患者を救い上げるすき間産業である」と。どんな病状であれ、基本的に受け入れを拒否しないこのクリニックは、患者にとって、まさに最後の望みなのです。

上原医師によれば、同じ志や使命感を持った救急医は少なからず存在するとのことで、後に続いてほしいと願っているそうです。そのためにも、「まずは自らのクリニックを成功するケースにしたい」と語ります。そして、行政に求めることとして、「継続していくには、救急医療機関の告示を受けることや運営費など一定の財政支援が欠かせない」とも強調します。

今年1月に、久喜市の男性が25病院から計36回、救急搬送の受け入れを断られ、死亡した事案があったことは記憶に新しいと思います。この事案を受け、県ではタブレット端末を各消防に配置する対応をとりましたが、これで救急搬送の問題が解決するとは到底思えません。上原医師も、全く同様の考えでありました。

上原医師は、こう提案するのです。埼玉は、人口比で見ると医師数が絶対に足りないなど、日本が抱えている課題を凝縮したような、まさに日本の縮図のような自治体である。だからこそ、埼玉で救急医療のモデルを構築し、全国に向けて発信していくことも可能だし、今がそのチャンスであると。

私は、今回、上原医師を訪ねて、崩壊寸前とも言える救急医療の将来に光明を見出した思いがいたしました。川越救急クリニックのような、まさにERセンターの機能を果たす医療機関をそれぞれの地域に配置することが、救急医療の崩壊を防ぐ鍵であると私は思います。今、県がなすべきことは、総合的に診察ができ、かつ救急医療への志がある上原さんのような医師を応援することのはずであります。川越救急クリニックのような医療機関が県内の東西南北で1カ所ずつ、それが難しければ、救急医療の過疎地に存在すれば、たらい回しはかなり減少すると考えます。第二、第三の川越救急クリニックが地域に進出し、救急医療に貢献してもらうようにするために県としてどのようなことができるのか、保健医療部長にお伺いいたします。

A 奥野 立 保健医療部長

平成24年の県内における救急車の出動件数は30万6千件、搬送人員は、27万1千人でともに過去最高となっております。

高齢者の搬送人員に占める割合は、平成19年の41.5パーセントから平成23年の47.6パーセントまで増加していることから、今後も高齢化が進むのに合わせ救急搬送患者の増加は避けられないものと考えております。

こうした中で、川越救急クリニックは年間約1,000人の救急患者を受け入れており、地域医療に大きく貢献していただいております。

議員のおっしゃるとおり、川越救急クリニックのように、軽症から重症まで、原則として全ての患者を受け入れるER的機能を有する医療機関が整備されることは大変有効であると考えております。

県では、救急医療の充実を図るため、第6次地域保健医療計画における病床の整備に併せ、救急患者を一定の条件で必ず受け入れる旨の協定を9つの中核的な医療機関と締結したところでございます。

国でも、来年度に向けて搬送先が見つからない救急患者を断らず受け入れることに合意した医療機関に対し、必要な助成を行うことが検討されております。

ER的機能の整備については、本年5月に、埼玉県医療対策協議会救急医療部会からも、中長期的に対応すべき取り組みの一つとして提言をいただいております。

ER的機能を導入していくことは、初期、二次、三次と分かれている現在の救急医療体制全体の見直しにもつながってまいります。

このため、市町村や医療関係者の意見も十分お伺いしながら、ER的機能の導入も含め、本県の救急医療体制全体の充実を図ってまいります。

再Q 新井一徳議員(自民)

先ほど部長の答弁では、ER的機能の導入などについては、市町村にお伺いして検討する旨のお話がありましたけれども、この問題は、昨日、今日起きた問題ではないのでありまして、私ももともと新聞記者時代には、この問題を取り組んでおります。もう前から、救急医療をどうするかというふうに言われている中で、今さら市町村にお伺いしてとか、これから検討するとかというのは、あまりにも腰が重過ぎるのではないかと思っております。

私が質問している趣旨は、上原医師のような志がある医者がいるわけですから、そういった方に救急医療の現場を担っていただくほうが非常に早いと思いますし、これこそ、そういった先生を支援するのが最優先に今取り組むべきことであると私は考えております。もう時間の猶予はないんです。そこをよく考えていただきたいと思います。

私の質問の趣旨は、第二、第三の川越救急クリニックがそれぞれの地域に生まれるように後押ししてほしいと、それが私の主張であり質問であります。この質問の趣旨に、正面からのご答弁を再度お願い申し上げます。

A 奥野 立 保健医療部長

先ほどお答え申し上げましたように、一定の条件の下に救急患者を必ず受け入れるというERに関する埼玉方式とも言える取り組みが来年度から9つの病院で開始されます。

この埼玉方式を運用する中で、お話のございました上原医師のような高い志を持ったお医者さんにもぜひ参画をしていただきたいというふうに考えております。

まずはこの取り組みに着手し、その有効性を検証し、そして改善し、全県的に広めていく中で埼玉の医療事情にかなったERの構築を図ってまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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