埼玉県議会 トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:16540

掲載日:2019年5月31日

平成25年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (井上将勝議員)

小中学校に自殺予防教育の導入を

Q 井上将勝議員(民主・無所属)

現在、日本は平成10年以降、自殺者が一貫して3万人を超える状況が続き、昨年、平成24年は15年ぶりに3万人を割り込んだとはいえ、その水準は依然として高く、自殺率は世界でもトップクラスに位置しています。国は、自殺対策を国や地方自治体の責任と明記した自殺対策基本法を平成18年に施行し、国を挙げて自殺対策に取り組む基盤が生まれました。埼玉県でも、県庁内の関係各課が連携協力して自殺対策を進めるため、自殺予防対策庁内連絡会議を設置し、さらには行政のみならず、県内のさまざまな分野の関係機関、団体が連携し、自殺対策推進を図る埼玉県自殺対策連絡協議会を設置、オール埼玉で自殺対策に取り組んでおります。さまざまな普及啓発事業や相談支援、うつ病対策などを通じ、特に中高年層を対象とした対策が一定の効果を上げていると伺っておりますが、その一方で国では若年層の自殺死亡率が若干高まり、学生、生徒の自殺数が増加傾向にあるという悲しい現状があります。埼玉県、そして日本の将来を担うべき子供たちが自ら命を落とすというこの現実は耐えられるものではなく、考えられるあらゆる方策を講じていくべきです。
現在、県における若年層への自殺対策といえば、学校内での相談対応や総合教育センターでの教育相談、そして命の大切さを教える特別授業などがあります。当然、これはこれで進めていくべきものと考えますが、私はより具体的に、そしてよりテクニカルに自殺というものを正面から扱う自殺予防教育を小中学校で実施すべきと考えます。小中学校という早い段階で、児童生徒を対象にした自殺予防教育を実施すべき背景に、青少年が自殺の問題を抱えたときに誰に相談するかというと、親でも教師でもなく、圧倒的に同世代の友人であるという調査結果があるにもかかわらず、実際には自殺を考えるほどに思い詰めた本人も、そして自殺願望を打ち明けられた友人も、その事態にどのように対応したら良いか全く分からず、袋小路に追い込まれ、状況をさらに悪化させてしまっているという現状があります。「死にたい」と瞬間的に思うことは、誰にでも起こり得ることで、自分自身がそういう状態になったらどう対処したら良いか、そのことを友人に打ち明けられたらどう対処すべきか、こうしたことを早い時期からしっかりと準備していることは非常に大事なことだと思います。
アメリカやフィンランドでは、実際に自殺予防教育を実施し、既に高い効果を上げています。その内容としては、あくまで統計的な事実を示し、自殺がいかに深刻な問題になっているかを指摘し、自殺の兆候や危険因子を教え、また、自殺を深刻に考えている友人の心情を理解し、どのように対応すべきかを実際にロールプレイを通じて教育するなど、「自殺は駄目、絶対」などの道徳的、倫理的な切り口ではなく、自殺という事象が周りにいつでも起こり得るもので、いかにそれに対処していくかということをテクニカルに教えているところに特徴があります。自殺は確固たる意思の下に行われるものではなく、それまでの蓄積があり、何かの決定因子が発生したときに行われるものです。そのときに、自分自身や周りの友人が適切に対処できれば、自殺は必ず減っていくはずです。
自殺について話し合うことで、寝た子を起こし、危険のない子供にまで自殺衝動をかき立てるとの批判がありますが、むしろ自殺について話し合うだけで自殺衝動を持ってしまうような子にこそ予防教育が必要ですし、何より自殺予防教育が自殺を誘発しないという事実は、WHOをはじめ世界的に既に確認されています。批判の多くは、騒ぎを起こしたくない学校側の不安が拒否反応として出ているものと考えます。文部科学省においても、自殺予防教育について調査研究を進めている最中と聞いていますが、その結果を待ってはいられません。
埼玉県において、19歳以下の子供が自殺した人数は、平成24年に33人、23年には39人でした。その中には、未来の渋沢栄一、荻野吟子がいたかもしれません。未来のノーベル賞受賞者や総理大臣がいたかもしれません。国の財産である子供が自ら命を落とすという悲劇を食い止めるためにも、子供たち自身が自殺のゲートキーパーになるような自殺予防教育を小中学校で実施していくべきと考えますが、教育長のご所見をお伺いをいたします。

A 関根郁夫 教育長

将来を担う子供たちの自殺は絶対に食い止めなければなりません。
本県では、子供たちの自殺予防の取組として、相談員との面接や電話相談などを実施しております。
相談員との面接では、信頼感を保ちながら、継続的に支えていくように努めております。
電話相談では、つらい心情に寄り添い耳を傾けながら、子供の気持ちを落ち着かせるよう努めております。
また、教員に対しては、「彩の国生徒指導ハンドブック New I’s(ニューアイズ)」を活用して自殺予防に対する理解を深めるよう指導するとともに、来月には中学校の教員を対象としたゲートキーパー研修を予定しております。
子供たちの自殺を予防するためには、子供たちに「自ら自殺を思いとどまる自助の力」と「自殺を思いとどまらせる共助の絆」を身に付けさせることが重要だと考えております。
経験上では、自分が亡くなったら家族が悲しむと気付かせたり、友達が落ち込んでいたら声をかけたりすることが大切だと考えますが、自殺予防教育は確立された指導方法がなく、県教育委員会における大きな課題です。
議員ご指摘の自殺予防教育については、現在、文部科学省において、有識者からのご意見を踏まえて、調査研究を進めていると伺っております。
今後、本県におきましても学校現場ではどのような自殺予防教育が相応しいのか、専門家の意見も聞きながら、具体的に研究してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?