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掲載日:2019年5月31日

平成25年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (井上将勝議員)

子供の貧困連鎖防止に向けた全庁横断的な取組を

Q 井上将勝議員(民主・無所属)

親の失業や経済的困窮から授業料が払えず、やむなく中退する若者が後を絶ちません。高校中退は低学歴として、その後の職場での早期のリストラ、解雇、劣悪な労働環境、不安定就労などの温床となり、中途退学の若者たちの人生を阻み、次なる貧困、貧困の連鎖を生み出していきます。貧困の連鎖を断ち切るためにも高校中退を食い止めなければなりませんが、中退する若者はそれに至る前段階で、例えば修学旅行費が払えない、塾に通えない、お風呂に毎日入れないといった、お金がないために人間関係を徐々に失い、社会から排除され、将来の見通しが持てず、自分ならできるという自己肯定感を抱けないようになっており、中退の危機が顕在化した段階になって対策を打とうとしても、手遅れであることが多いようです。
また、教育現場においても、青少年の問題は中学、高校になってから表面化しますが、その兆候は小学校の頃からあるにもかかわらず、小学校と中学校の生徒指導における意見交換の場が不十分である現状もあります。中退に追い込まれる時点より、もっと早期の段階から対策を打たねばなりませんが、子供の貧困は単にお金がないというシンプルな問題ではなく、そこには子供の虐待やDV、親の病気や精神疾患、自殺などに加え、犯罪、非行、破産による家庭崩壊など、さまざまな複合的な要因が複雑に絡み合っているため、単に金銭的な給付をすれば解決するものではありません。そのため、子供の貧困を解決するためには、幾つもの課題を解決しなければならず、例えば教育、職業訓練や就業支援、保育サービスや医療、福祉サービス、警察との連携など、多くの施策をセットで行わなければ効果が見込めません。
今挙げた施策を考えただけでも、関係する部署がさまざまで、専門分化した現行の行政組織のままでは対処することに限界があり、部局の壁を乗り越えた全庁横断的なチームで対応することが必要だと考えます。例えば、東京都荒川区においては、区長が本部長となり、子どもの貧困・社会排除問題対策本部を設置し、関係機関の職員が子供の貧困に取り組むという価値観を共有し、区民と日常的に接触する各部署から知見を吸い上げながら、区長のリーダーシップの下、包括的な支援体制の構築に努めています。埼玉県においても、各部各課がそれぞれ対応する体制ではなく、関係機関が同じゴールをしっかり見ながら対応できるような全庁の連携体制を知事のリーダーシップの下で作るべきと考えます。
子供の貧困は、その子にとっても不幸ですが、社会にとっても大損失です。可能性にあふれ、未来の埼玉県、未来の日本を背負って立つはずの子供の人生が、長い人生におけるほんの短い期間の不幸な環境により、全てが決定されてしまうような理不尽を許してはいけません。子供の貧困連鎖防止に向け、埼玉県が一つのチームとして一丸となり、全庁を挙げて取り組む体制を築くことが必要だと考えますが、知事のご所見とご決意をお伺いをいたします。

A 上田清司 知事

日本の将来を担う子供の可能性を、子供の責任ではない貧困問題によって奪うべきではないという考え方には、文字どおり賛成いたします。
生まれ育った環境によって、子供たちの教育の機会や能力の発揮の場が制限されることのないようにする、これは政治の大きな責任の一つだと思います。
私はさまざまな課題に対しては、まずは、各部局が明確な目標を立てて、責任を持って成果を出すことを進めています。
例えば、小・中学校の学力低下や不登校の問題は、市町村教育委員会が一義的に責任を持っております。高校中退の問題は県教育委員会がしっかりと解決しなければなりません。
家庭の貧困問題についても、生活保護や奨学金などの社会政策によって一定程度カバーができる、そういったことをしていかなければならないと思います。
青少年の非行問題については、家庭や学校、地域が問題解決に文字どおり連携して努力していくことが重要であります。
私は担当部局が施策の立案から問題解決までやり抜くことが基本だと思っております。
一方、御指摘のとおり子供の貧困対策には、学習支援、経済的な支援、また就労支援など幅広い対策を講じることが必要であります。
従って、全庁的な体制、そういったものも検討しなければなりません。
しかし一方、御承知のとおり、守備範囲が基本的にいろいろあります。
幼児から小中学校までは比較的市町村の守備範囲が多く、県の関わりに限界があるところがたくさんあります。
しかしまた、県は県で、例えば産業振興や雇用の充実を図って、より就労支援を行うことで家庭の貧困を救っていく、そういうアプローチもあるかと思います。
あるいは、県警や県の青少年課、あるいは教育委員会と協力して、青少年の非行防止のためのさまざまな施策を行っていく、そういう取り組みも必要だと思います。
これはどちらかといえば、市町村ではなくて県の仕事になってくるかもしれません。
それぞれ、部門・部門で守備範囲が違うところもありますので、できるだけ私は自分の守備範囲のところを明確に責任を持ってきちっと片づけていく。
全庁的というと言葉は美しいですが、なかなか誰が責任を持っているのかわからないという部分があります。
荒川区の事例もよく私どもも研究して、いいところはしっかり取り入れ、子供が夢と希望を持って、本当に社会の中で自分の存在価値があるんだということを強力に考えることができるような、そういう仕組みづくりを共に考えていきたいというふうに考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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