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掲載日:2019年6月3日

平成25年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (藤澤慎也議員)

医療分野の「民主主義のワナ」の解消に向けて

Q 藤澤慎也議員(刷新の会

行政サービスは、県民の安心を高め、成長を促す役割を果たしています。そして、医療サービスはセーフティネットとして県民の健康や生命を守っています。例えば、乳幼児の医療費助成があることで子育ての安心につながっていますし、急病時に救急車を呼べば救急病院へ搬送してもらい、医療を受けられます。
反面、こうしたサービスには当然のことながら大変大きなコストがかかっています。乳幼児の医療費助成は、多くの市町村で乳幼児から小学生、中学生へと拡大されてきました。越谷市でも、中学生までの自己負担がゼロとなっています。平成23年度の対象者4万7,731人に対し、平成24年度は11億7,600万円の事業予算が組まれました。一人当たり約2万4,600円であります。救急車は一回出動するのに、さいたま市が公表した試算によれば42,000円かかっていますが、利用者の負担はゼロであります。こうした利便を与えてくれる行政サービスに県民が慣れることには、反作用もあるのではないでしょうか。
例えば、医療費助成は大きなコストがかかるほか、いわゆるコンビニ受診を生むと言われています。この結果、医療費の増加のみならず、疲弊した医師の退職により医療崩壊の危機が現実になろうとしています。また、救急車のタクシー代わりの利用が増え、医療費が増加するとともに、救急現場では真に必要な患者がたらい回しにされ、死亡に至るケースも出てきています。このまま適正な利用が行われない事態が続けば、結果的に医療費助成を縮小する、また、救急車を有料化するというような結果を招くことになると考えます。
上田知事は、米国の経済学者ジェームズ・ブキャナン氏の主張を引用し、民主主義国家は人気取りのばらまき政策により財政悪化に陥る民主主義のワナについて警告を発しています。議会、行政がサービスの分別をすることはもちろんですが、サービスの受給者の分別も必要であります。民主主義のワナを警告する知事は、医療の受給者である県民の意識改革にもリーダーシップを発揮するべきと考えますが、知事のご見解をお伺いいたします。

A 上田清司 知事

ジェームズ・ブキャナンは、政府、政治家は有権者の支持を得るために、常にバラマキ的な政策をとりがちで、結果として財政赤字を生むというような指摘をしております。
こうした民主主義国家のわなから脱出するには、行政サービスの負担と受益の関係というものを、国民、県民に常に明らかにするということが重要だと思っております。
例えば国税庁の資料によると、平成23年分の平均給与は409万円になっています。そのうち所得税などが約30万、医療・年金などの各種保険料が約30万で、合計60万円の負担です。
一方、受益を見ると、保育サービスは1人約57万円かかっています。
また、教育には、公立の小学校で約77万円、中学校では91万円、高校では97万円かかっています。
したがって、小学生1人と中学生1人のお子さんがいれば、教育費だけでも約168万円の公費が投じられていることになります。
なかなか168万の税金や保険料を納めている方はいません。
また、基礎年金も1年間に給付される額が約79万円ですが、そのうち2分の1は税金です。
医療費助成についても、県内市町村でも子育て支援の一環として、助成の拡大競争が行われている実態があります。
そこでは県と市町村で合わせた分がいくらになるかということで言えば、約219億円のコストがかかっていることになります。
このことがご指摘もありましたように、受診回数の拡大や医療の疲弊を招いているのではなかろうかというお話にもなっています。
私自身は、医療費が多くかかる小学校就学前まで重点的に助成するのが適当だということで、県はこのレベルに関してはしっかりと支えているつもりでございます。
一方、親の所得により子供の健康に格差が生じており、この格差は医療費無料化でも食い止められないという研究もございます。
国立社会保障・人口問題研究所が貧困層と非貧困層に分けて調査した結果、2歳時点で入院を経験した子供の割合は貧困層が11.85パーセントと、非貧困層の9.15パーセントよりも30パーセント高かったそうです。
また、ぜんそくによる通院割合は1歳時点で貧困層が4.36パーセントと、非貧困層の3.22パーセントよりも35パーセント高かったということでございますので、医療費の無料化と健康ということに関しては、必ずしも相関関係はないというような指摘を言っております。
同研究所の阿部彩部長は、親の所得上昇、雇用確保などを含めた多面的で抜本的な貧困対策が必要だと、そのことが健康につながるということも言っております。
政治家は、現状をデータに基づいて詳細に分析し、有権者に正しく説明する必要があるかと思います。
こうした側面や受益と負担の関係をしっかり見極めて助成を行う必要があると思っております。
私は最小限度、医療費の明細の中に保険料の分を含めていくらなのか、自己負担がいくらなのか、また無料の場合でも、保険料の市町村や県の負担がいくらなのかについて明細が出るようにすれば、おのずから医療費の金額についても意識するようになると思っております。
「タダだから、何でもいいから行っておいで」というセリフはなくなると思います。
また、救急車の有料化については、医療関係者などからも軽症者に関しては有料化を検討すべきではないかという意見が出ております。
一方で、安易に有料化すると、緊急を要する場合にためらって救急車を呼ばないような事態を生じるのではないかという反対意見もあります。
また、逆に「お金を払うのだから」という意識でかえって救急搬送が増大しないかとも言われておりますので、こうした部分に関してはいろいろなアンケートやデータをしっかり調べて考えなければならず、慎重に取り扱うべきだと思っております。
今回、議員から医療の在り方に関し大変意義深いご提言をいただきました。
現在の限りある医療資源と医療保険制度を守り支えるために、県民、医療関係者、行政がそれぞれ役割を果たしていくべきだと思っております。
また、本県医療の厳しい状況や受益と負担の関係を目に見える形で示し、県民の皆さまに本気で議論ができるよう、説明をしていきたいと思っております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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