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掲載日:2019年10月4日

平成24年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (新井一徳議員)

生活保護からの脱却に就労支援と雇用の受け皿づくりを

Q 新井一徳議員(自民)

先日ある新聞記事を目にして、現代社会に巣くう病根の根深さをまざまざと見せつけられた思いがしました。厚生労働省の推計によれば生活保護の受給者約210万人のうち、高齢や病気ではなく働ける人が少なくとも40万人以上に上るという9月5日付けの日本経済新聞朝刊の記事であります。特に2008年秋のリーマンショックによる景気低迷で事業規模の縮小に伴う人員整理や、派遣社員の雇い止めなどが顕在化し、職を失った人たちが生活保護になだれ込んだと指摘されています。長引き経済不況が働く能力も意思もある特に若い世代の雇用に暗い影を落としていると言えるでしょう。
実際、県内の生活保護受給状況を世帯累計別に見ると年齢が若く、病気や障害もない就労可能な世帯がリーマンショック直前の2008年4月で4022世帯だったのが、本年6月で14087世帯にも膨れ上がりました。わずか4年間で3倍以上に急増するというまさしく異常事態であります。その割合も、本年では21.5パーセントにも跳ね上がっています。つまり生活保護受給の5世帯のうち1世帯が働けるという計算にもなるのです。実際、私の知人は病身の親の面倒を見ながら派遣社員として働いていましたが、この不況下で雇い止めに遭い、生活保護を受給しています。働きたくても働く場がない、そう嘆く姿は切実であります。
生活保護とは憲法第25条の理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対してその困窮度合いに応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的する制度であります。つまり生活保護の目的は一時的な援助であり、経済的に自立させるための手段であります。受給者の就労を促していくことこそが行政の役割であるのです。
行政として取り組むべき方向性は大きく二つあると私は考えます。一つは、就労支援の取り組みを強化することであります。高い専門性を身に付けることができれば就労の可能性はより高まります。例えば就労のための講座の充実などが不可欠です。また、市町村単位での就労支援などは難しいでしょうから、県と市町村の共同による取り組みや、またはハローワークとの連携強化を不可欠と考えます。
NPOやボランティアなどとの共同による支援も求められるでしょうか。今後就労支援にどう取り組むのか、福祉部長にお伺いします。
もう一つは、政策的誘導などによっては雇用そのものを生み出す仕組みづくりをすることです。一例として、需要が高まっているとされる医療や介護の分野などで、そうした取り組みをより一層進めるべきではないでしょうか。今後雇用の受け皿をどう作り出していくお考えなのか、産業労働部長にお伺いします。

A 荒井幸弘 福祉部長

議員お話のように経済不況が長引き、働く能力があるにも関わらず失業して生活保護を受ける世帯が増加し続けております。
生活保護は最低限度の生活を保障するとともに、受給者一人ひとりの自立を支援することが本来の目的でございます。
これまで、県といたしましては、真に必要とする方に対して保護を適用し、働ける方は一日も早く自立できるよう就労支援に取り組んできているところでございます。
就労支援に当たりましては、ハローワークとの連携が不可欠でございます。
そこで、県では市町村に対し、管轄するハローワークと受給者の情報を共有し、それぞれの適性に応じた就職支援の方針を共同で定め取組を指導しております。
このため、市福祉事務所及び町村を管轄する県福祉事務所にハローワークOBなどの就労支援員を配置し、能力的にはすぐに働くことができる受給者に対して、ハローワークに同行するなどの支援を行ってまいりました。
平成23年度は約4,400人に支援を行い、約1,600人が就職をいたしました。
また、県では、特段の技術や資格がないために、なかなか就職先が見つからない受給者に対して、生活保護受給者チャレンジ支援事業を実施いたしております。
県は、優れた技術と指導力を有する職業訓練支援員を配置し、就労支援のノウハウを有するNPO法人に事業を委託いたしております。
このNPO法人では、受給者に介護やフォークリフトなどの訓練を受講させ、就職までマンツーマンで支援をいたします。
平成23年度は受給者約2,800人に支援を行い、約600人が就職をいたしました。
今後の取り組みでございますが、まず、市町村における取り組みといたしましては就労支援員を増員し、さらなる就職者の増加に取り組んでまいります。
生活保護受給者チャレンジ支援事業につきましても、従来の取り組みでは就職に結びつくことが困難な人にも拡大し、対象としてまいります。
具体的には長期間働いていない人に対して、清掃作業や倉庫内での運搬作業などを体験させ、就職への意欲を取り戻させてまいります。
また、適切な言葉づかいなどを習得し、職場に適応できる力を身につけるため、農家や障害者施設に数人で泊まり込む就労体験も実施をしてまいります。
こうした支援を進めていくため、職業訓練支援員を増員し、今年度は700人を就職させることを目標に取り組んでまいります。
今後とも、一人でも多くの受給者が就職できるよう全力で支援してまいります。

A 松岡 進 産業労働部長

リーマン・ショックによる景気低迷などで雇用情勢は急激に悪化し、生活保護受給者が増加しております。
生活保護受給者の内訳を見ると、特に20歳から49歳までの働き盛りの世代や若い世代の女性の受給者が多くなってきております。
生活保護から脱却し自立するためには、何と言っても就労することが基本です。
そのため、働き盛りの世代や若い世代の女性など、それぞれの世代に合わせた就労支援と雇用の受け皿づくりが重要になってまいります。
県では、雇用水準をリーマン・ショック以前の状態まで戻すため、平成22年度から3年間で約7万人の雇用を創出することを目標に、雇用の受け皿づくりを進めております。
特に有効求人倍率が高く成長が期待できる介護・福祉の分野では、特別養護老人ホームや介護サービス施設などの整備により3年間で約23,000人の雇用を確保することとしております。
また、産業分野におきましては、中小企業の経営革新やイノベーションを支援するとともに、企業誘致などによりまして3年間で約25,000人の雇用を創出することとしております。
さらに、環境・エネルギー分野では3年間で約23,000件の太陽光発電設備への補助などにより約6,400人の雇用を創出する予定です。
しかし就労のためには資格や技術が必要になることも多く、求人は多くても経験のない人の就労は難しい面があります。
そこで高等技術専門校などにおいて、介護・福祉分野や環境・エネルギー分野などへの人材育成を重点的に実施しております。
比較的若い世代や女性などが就労しやすい介護・福祉分野では、年間3,000人を目標に介護福祉士や2級ヘルパーなど介護職員の育成を図っております。
また、環境・エネルギー分野では、次世代エネルギー設備の設置や保守、電気自動車と充電設備の運用や整備などの分野で年間880人の人材を育成する予定です。
今後も、生活保護からの脱却に向けて、雇用の受け皿づくりや人材育成などに積極的に取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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