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掲載日:2019年10月4日

平成24年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (新井一徳議員)

伊奈学園中学校の入学者選考問題は妥当なのか?

Q 新井一徳議員(自民)

入学試験とは、その門戸が誰にでも平等に開かれていることが大前提であります。伊奈学園中学校が開校10周年を迎えるのを機に、中高一貫教育検証会議が本年2月、同校の入学試験制度に関して大きな問題点を指摘しました。最初の段階でくじ引きで抽せんするという従来のやり方を、運にのみ左右される抽せんで門前払いする現行制度は教育的ではないなどと指摘し、早急な改善を求めたのであります。この指摘を踏まえ、県教育委員会は来年度より従来のくじ引きによる抽せんを廃止することを決定しました。私は、より多くの児童の意欲や適正を公平に判断すべきと考えており、今回のくじ引き廃止の決定を英断であると大いに評価しております。
しかし、一方で、同校の入試制度がまだ改善しなければならない点があると考えています。それは作文と称される試験の内容についてです。平成9年の中央教育審議会第2次答申は、中高一貫教育に関して次のように指摘しています。「受験競争の低年齢化を招かないよう、公立については学力試験は行わず、抽せん、面接、推薦など多様な方法を適切に組み合わせること」。この答申を踏まえ、学校教育法施行規則でも「公立の中等教育学校については学力検査を行わないものとする」と規定しております。同校の入試において学力試験は行ってはならないのであります。
しかし、現実はどうでありましょうか。今日はボードを用意したので、皆様にその問題を幾つかご紹介したいと思います。このような問題であります。以下、読み上げます。これは平成23年度、後ろまで見えますでしょうか、23年度の作文1の問題であります。読み上げます。「問2 同じ年代の頃に活躍した歴史上の人物を次のア、イから一人ずつ取り上げ、その二人の人物に関わる事柄について20字以上40字以内で説明しましょう」。そして、アには、紫式部から近松門左衛門までの4人の名前が、イのほうは、歌川広重から清少納言まで4人の名前が入っております。
そして、もう一つあります。このような問題がありますよ。字が小さくて申し訳ありません。これは改めて読み上げます。これは平成22年度作文2の問題であります。レストランにはストーブがありました。8時から10時までの2時間で使った灯油の量は8リットルでした。そのときの火の強さは強でした。10時から12時までの2時間は火の強さを弱にしていたので、使った灯油の量は5リットルでした。12時から15時までの3時間で使った灯油の量は8.25リットルでした。この3時間ストーブの火の強さは最初のうちは弱だったのですが、寒くなってきたので途中で強に変えたそうです。そして、問いはこのようになっております。「12時から15時までの3時間のうちストーブの弱の時間と強の時間を答えましょう。また、その求め方を280字以内で書きましょう」。これは問題の一例でありますが、形の上では作文の形式を取っているものの、実態は歴史であり、算数であり、つまり知識力を問う学力試験そのものではないでしょうか。実際に進学塾の中には実際に同校への入試対策を教えるコースもあると聞きます。公教育における受験競争の低年齢化を招くだけではないかと危惧します。
そこで、教育長に3点お伺いします。

  1. この試験問題で本当に作文試験というご認識でしょうか。また、試験問題の作成に当たり、学力検査を行わないという学校教育法施行規則を遵守しているとお考えでしょうか。
  2. 学力検査でないと言うのであれば、その根拠をお示しいただけないでしょうか。
  3. この私の質問における指摘を受けて、今後入試問題の中身を見直すお考えはおありでしょうか。

A 前島富雄 教育長

伊奈学園中学校は、高い人格と豊かな人間性の育成を目指し、自ら考え、自ら学び、自ら行わせることを教育方針としております。
この教育方針のもとでより伸びる生徒を選考できるよう、入学者選考に際しては、単に知識を問うだけではなく知識の活用力や応用力などを重視し、幅広く適性を判断できるように留意しています。
そこで、伊奈学園中学校で課している「作文」は、選択して答えさせるような問題ではなく、小学校で学んだ基礎的な知識をもとに、自らの考えを自分の言葉で書かせております。
一般的に、「学力検査」は知識の定着度や学習内容の理解度など、学習の到達度を測ることが目的とされております。
伊奈学園中学校の「作文」は、学校の教育方針に沿った適性を見ることが目的であり、「学力検査」とは目的が異なり、学校教育法施行規則を踏まえたものと考えております。
また、この「作文」の内容については、昨年度実施した、外部有識者を含む「中高一貫教育検証会議」からも、よく工夫されているとの評価もいただいております。
今後とも、伊奈学園中学校の教育方針にふさわしい生徒を選考するため、入試問題を適切に作成してまいります。

再Q 新井一徳議員(自民)

先ほど教育長は、その試験問題について、その狙いを自分の考えを自らの言葉で表現できるかどうかにあるとおっしゃいました。私は、その考えについては賛同します。しかし、一定の評価を受けているという観点については、私は非常に疑問を感じます。
そもそも作文というのは、ある一定のテーマに沿って自分の思いや考えというものを文章にしたものをいうのではないでしょうか。その書き方が、うまいか下手かというのは別にしまして、基本的に作文に正解はないと私は考えます。しかし、この選考方式は形式上は作文をうたっておりますけれども、実際には正解があるものであります。単に知識を問う記述式の学力試験ということであって、記述式でしかないのではないかと私は考えております。
改めて、教育長にこの作文に対する考え方をお伺いします。

A 前島富雄 教育長

問題の解答に至る道筋は複数ございます。これが正解だというのはないのです。これが正解だ、これしかないというのは作文ではないのです。
ですから、その中から自分の考えを自分の言葉で書く問題になっています。知識の活用力とか、応用力を幅広く見ることができる問題となっております。単なる知識の理解の到達度を測る学力検査ではないと考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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