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掲載日:2019年10月4日

平成24年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (柳下礼子議員)

患者の立場に立ち、県立小児医療センターの移転計画撤回を

Q 柳下礼子議員(共産党)

知事がトップダウンで県立小児医療センターの新都心への移転計画を公表してから、1年と3か月余りがたちました。現在、基本設計の準備が進められていますが、計画への患者の意見の反映もなく、医師をはじめとしたスタッフの意見反映も不十分です。その中で、赤十字病院側の小児科医が4人、県立小児側の麻酔医4人が大量退職しました。県は、この退職を深刻に受け止め、患者家族ら関係者の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきではありませんか、病院事業管理者の答弁を求めます。
一方、この移転に反対する声の広がりは、とどまるところを知りません。患者家族、岩槻区の署名は合計で11万筆を超え、移転反対や患者家族への配慮を求めた意見書を採択した議会が4自治体に上っています。地元蓮田市は、庁舎とJR蓮田駅前に「移転反対」ののぼりを掲げています。この9月9日にも移転問題を考えるシンポジウムが開かれ、周辺地域から会場に入り切れないほど多数の人々が参加しました。シンポジウムの中で岩槻自治会連合会の方は、「4万筆の請願署名を県議会に提出し、趣旨採択された。それなのに、なぜ新都心に行かなければならないのか、今も分からない」と話されました。
また、患者家族の方の報告も紹介します。「我が家には、現在、1歳8か月になる重度の脳性麻痺の女の子がいます。妊娠には問題がなく、陣痛が来て病院に行きましたが、その後、子供の心拍が止まり、緊急帝王切開後、重症新生児仮死となり小児医療センターに運ばれ、今日まで何度も入退院を繰り返しました。現在、酸素吸入と胃ろうでミルクを摂取、いまだに首が座らず、寝たきりです。そのため、たんが詰まり、チアノーゼを起こしたこともあり、たんの吸引が必要です。現在のセンターへの通院途中に何度もコンビニやスタンドで止まって、たんの吸引をしながら時間をかけて通っています。先日、新都心まで行ってみたら、付近にはコンビニもスタンドもありませんでした。渋滞に巻き込まれたら、娘の命は守れません。私たちは、不便になるから反対しているのではなく、子供の命が懸かっているから反対しているのです」、この実態を理解してほしいと、県当局に、一緒に新都心まで車に乗って、たん吸引や酸素吸入の様子を見てほしいと求めてきました。県は、これを拒否しております。早急に患者と同行調査をすべきです。病院事業管理者の答弁を求めます。
2月議会冒頭で、知事は一部機能の存続の検討に言及しました。私は、都立八王子病院が廃止されたとき、患者のために機能を残すとして建設された八王子市立小児・障害メディカルセンターを視察しました。障害児の診療所や歯科診療所、リハビリ施設を備えたすばらしい施設でしたが、長時間のけいれんなどは病院でなければ対応できないという答えでした。県立小児医療センターに通院している患者が必要としているのは、診療所ではなく総合的な診療科を持つ病院機能なのです。知事、患者の立場に立って機能の存続を言うなら、全ての機能を存続すべきではないですか。答弁を求めます。
県立小児医療センターの移転は、地域医療にとっても重大事態です。私は、県立小児は、県央、利根、東部医療圏にとってもかけがえのない小児と周産期の拠点病院だと指摘してまいりました。この3医療圏には、新生児集中治療床いわゆるNICUは1床もありません。確かに、総合周産期母子医療センターでなら、あらかじめリスクの予想される出産は対応できます。しかし、地域の産院でのアクシデントで子供が低酸素状態で産まれるケースはどうなるのですか。搬送時間が長くなれば、その分だけ赤ちゃんへの負担が重く、生存や障害程度に大きく影響します。だからこそ厚生労働省は、周産期医療機関に地域周産期母子医療センターを位置付け、地域にNICUの設置を求めているのです。利根、東部、県央地域にもNICUは不可欠ではないですか。県立小児のNICU15床を移転してしまうことは、赤ちゃんにとって、あまりに危険な行為ではないですか、知事に伺います。
次に、新都心の施設計画について伺います。
現在の県立小児の敷地は7万平米ですが、1万平米に押し込まれることによって、施設は高層化を余儀なくされます。基本計画によると、駐車場はデッキ下又は地下に立体式で設置するとあります。施設整備検討委員会の中で、地下立体式駐車場は1台3千万円、300台なら約100億円かかる、そんなに建設することは不可能だという議論がありました。現在地での建て替えなら、広大な敷地に平面駐車場の設置が可能です。また、立体駐車場は、小児を連れて車椅子や酸素吸入の器材を運ぶ患者家族にとって負担であり危険であることは、各方面から指摘されています。知事は、この危険性をどのように認識していますか、お答えください。
県の失政の結果、空地となっている新都心の穴埋めを、他地域の病院を移転してというのは、あまりにも安易で医療の現実を見ないものです。県立小児医療センターの基本方針には、「地域が安心できる小児救急医療を支援します」とあります。県に提出された岩槻区の請願には、「埼玉県の小児の未来にとの崇高な理念に共鳴し先祖伝来の土地を提供した岩槻市、蓮田市の地権者の思いも、勘案していただきたく申し添えます」とあります。どんな医療機関でも、地域の温かい協力を受け、地域の中で成長、発展するのではないでしょうか。知事は、いま一度患者と地域医療を守る立場に立ち返り、移転計画を撤回してください。新都心には、赤十字病院を中心として、県の全力の支援によって総合周産期母子医療センターを建設すべきです。二点、知事の答弁を求めます。

A 上田清司 知事

「患者の立場に立ち、県立小児医療センターの移転計画撤回を」についてのうち、全ての機能の存続についてでございます。
高度専門医療の実現のために、小児医療センターの全ての機能はさいたま新都心に移転します。
しかし、患者さん御家族への説明会や知事への手紙などで通院が極めて困難になるなどの事例があることも伺っております。
こうした患者さんへの対応のため、調査と検討を指示したところです。
現在、小児医療センターで患者さん御家族へのアンケート調査や、それを踏まえた医療スタッフによるヒアリング調査を実施しております。
調査の結果を踏まえ、現在地に必要とされる機能について検討していきたいと考えております。
次に、利根・東部・県央地域にもNICUは不可欠ではないかについてでございます。
NICUの設置については、国の周産期医療体制整備指針において、出生1万人当たり25床から30床整備することとされています。
本県の出生数は年間約6万件であることから、平成27年度末までに全県でNICUを150床まで増床する計画を立てております。
NICUは複数の医療圏からの患者の受け入れを含めて、広域的に整備をしております。
このため、昨年10月から搬送調整を行うコーディネーターを配置し、県内のハイリスク妊産婦や新生児を周産期母子医療センターへ迅速に搬送する仕組みを立ち上げたところでございます。
今後、新都心医療拠点において小児医療センターとさいたま赤十字病院が連携し、新たに総合周産期母子医療センターの機能を持つことになるわけであります。
これにより、医療機能の更なる充実・強化が図られ、よりリスクの高い母体や新生児の受入れが可能になるものだと考えております。
次に、立体駐車場の危険性をどう認識しているかについてでございます。
駐車場については、安全に利用できるよう機械式駐車場を300台程度設置する計画でございます。
機械式駐車場は、大規模な医療機関でも採用例があり、過去に問題が発生したという例はないと聞いています。
さらに、誘導員を置き安全性に万全を期してまいりたいと思っております。
次に、移転計画の撤回とさいたま赤十字病院を中心とした総合周産期母子医療センターの建設についてでございます。
県立小児医療センターは、先天性疾患やリスクの高い新生児、小児がんや難病などの小児重症患者に対して、他の医療機関では対応できない高度専門医療を提供する医療機関であります。
特定のエリアをカバーするのではなく、県内全域を対象に三次医療を提供する医療機関でございます。
このため、全県からアクセスに優れたさいたま新都心に移転するものでございます。ご理解を賜りたいと思います。
さいたま新都心における医療拠点整備は、小児医療センターとさいたま赤十字病院の今ある医療資源を有効に活用することで、最大限の効果を発揮できるものでございます。
そのため、県立小児医療センターのさいたま新都心への移転計画を撤回する考えはございません。
さいたま赤十字病院を中心にした総合周産期母子医療センターを整備する御提案でございますが、運営主体である日赤本社がどう考えるかの問題でございますので、議会でのご質問がこのような形であったことをお伝えしたいと思います。

A 名和 肇 病院事業管理者

まず、患者・職員ら関係者の声に真摯に耳を傾けるべきではないかについてでございます。
これまでも患者・御家族、障害者団体などの方々から説明会を通じ、ご意見を頂いております。引き続き様々な機会を捉えてご意見を十分にお聞きし、基本設計を進めてまいります。
一方、今回の移転については病院の各部門の職員が参加した新病院整備委員会やワーキンググループでの検討を踏まえて進めております。
次に、早急に患者と同行調査をすべきではないかについてでございます。
現在、自動車での通院について、小児医療センターの近隣からさいたま新都心まで実際に走行し、道路状況等の調査を行っております。
また、新都心への通院は個々の患者により困難の度合いなどが異なりますので、今後も、医療スタッフを通じ、患者さんごとに丁寧に状況を把握し、どのような対応が必要なのか検討してまいります。

再Q 柳下礼子議員(共産党)

管理者にお聞きします。管理者は、要望があったと思うんですね、患者家族の方から。先ほどの答弁の中では、いろんな人がいるから、その人、人に調査して、患者ごとに丁寧に対応していきたいというお答えなんですけれども、私、質問の中で病院事業管理者に対してですね、実際に、たんの吸引だとか新都心まで行ってきた。だけど、実際には自分の子供の命に関わるから、一緒に車に乗って、その調査をしてほしいという具体的な要望があったわけですよ。それに対して一緒にできるのかできないのか、お答え願いたいというふうに思います。
それから、知事に質問ですけれども、移転計画を撤回してほしいと私が言っているのは、この間もシンポジウムをやりまして、たくさんの人たちが集まってきて、本当に自らのお子さんを抱えてですね、たくさんの方たちが集まって、自分は元気が出たという方もいらっしゃいました。それはあの場所が、新都心のあの場所が病院にふさわしくないという、こういうことを言っているわけですね。現在あるところで、なぜあっちのほうに移転して高層で、先ほど高層の中では駐車場の問題も質問しましたけれども、ほかにもあると言っていますけどね、でも埼玉県の場合には、現在のところの駐車場に病院を建てて、そして駐車場も平面でとって子供に一番いいんじゃないかという、こういうのが出ているわけですよ。
だから、知事がトップダウンで、思いつきで、あそこにタワーを誘致する、だけどタワーが失敗した。今度は三菱地所が来る、これも失敗した。だから今度は病院だと。これが全く理解できないということなんですよ。そのことについて、どう理解しているのかということについてお尋ねしたいと思います。
それから、もし赤十字病院が総合周産期についてやるというなら、応援すればいいんですよ、県が。何も一緒に新都心に行くことはないと思います。これについてどう考えるのかということですね。

A 上田清司 知事

小児医療センターについては、全く同じご質問でしたので、再答弁の必要はないと思います。
お答えしたとおりでございます。

A 名和 肇 病院事業管理者

患者さんの状況は医師が一番よくわかっており、特に主治医は全て把握しているはずでございます。
ただいま、アンケート調査をしまして、本当に新都心へ来ることができないという方も抽出しております。
この方々については個別にお話をさせていただきます。
患者さんの命にかかわるようなところへ来て下さいということは絶対にありませんので、それだけは断言いたします。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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