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掲載日:2019年10月4日

平成24年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (柳下礼子議員)

医療確保対策に本腰を入れよ

Q 柳下礼子議員(共産党)

独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院の2名の新生児担当医師の退職で、周産期医療がこの10月から休止します。地元では不安の声が広がっています。近隣の5市長から、存続のための要望が上がりました。院長は、必死に後任探しに動いておられます。
まず、県立小児からの派遣も視野に入れ、新生児担当医師の確保に病院とともに努力してほしい。また、医師を派遣する大学に3千万円補助する寄附講座制度も積極的に活用すべきと思いますが、二点、保健医療部長よりお答えください。
問題は、西埼玉中央病院だけにとどまりません。熊谷総合病院、さいたま赤十字病院、また志木市民病院、県立小児医療センターで、周産期、小児科、麻酔科医師が大量退職しています。県内各地の小児二次救急輪番は、いつまでたっても埋まりません。医師がいないため救急支援病院が年々減少し、搬送先が見つからないために30回以上病院に問い合わせたケースもあります。病院勤務医の勤務状況は厳しく、3割近くが1か月間休暇もとれない状況にあります。人口当たりの医師数では埼玉県は全国最下位ですが、その結果、病院勤務医、とりわけ小児科、周産期、救命救急は危機的な状況に陥っているのです。知事は、こうした現実を深く認識すべきです。いかがでしょうか。
私は、この問題の根本的解決のためには、県立大学に医学部の設置が必要だと考えております。この間、確かに政府は、大学医学部に全国で1300人の定員増を行ってきました。しかし、現在埼玉県の人口当たりの医師数は、OECDいわゆる先進諸国の半数程度であり、これに追いつくには1万人以上の増員が必要となるのです。47都道府県で1300人程度の増員で、これだけの遅れは取り戻せません。しかも、政府は今後医学部新設は行わず、既存医学部への増員で対応するとしています。埼玉では、この対象となる医学部は埼玉医大一つで、東京都は13大学と大きく差が生まれています。医学部を県内に新設して、養成機関の偏在を正していかないことには、自立した医師確保は実現しません。この点で、県は国の動向を注視すると言っていますが、国に対して攻勢的、積極的に働き掛けていただきたい。知事、医学部の新設を要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、当面の医師確保は緊急の課題です。私は、県の医療再生計画にもある、医師確保が困難な地域の拠点病院への医師の派遣や若手医師のキャリア形成を支援する新たな組織を早急に創設すべきと考えますが、部長の答弁を求めます。
また、医師確保の中心は研修医の獲得です。埼玉県は、400人の研修医の枠の半分程度しか研修生が来ておりません。そこで提案ですが、第一に、研修生を中小病院でも迎え入れるため、複数の病院での研修医受入れ可能とすべきと考えます。第二に、県外学部に学ぶ学生の奨学金制度導入は高く評価できますが、減免要件として一部特定地域での勤務を義務付けております。医療過疎は全県に広がっていることから、地域の限定を緩和すべきと考えますがいかがでしょうか、部長答弁をお願いします。

A 上田清司 知事

まず、「地域医療の崩壊を防ぐために」のお尋ねのうち、「医師確保対策に本腰を入れよ」についてでございます。
人口10万人当たりの医師数は、人口の多い県ではどうしても低くなる傾向がございます。
本県の医師の総数は、10,259人で全国8位であります。
特に、医師数は平成12年から10年間で2,118人増加し、この間の増加数は全国6位、増加率では全国3位となっています。
しかし、小児科、産科、救急などの特定の診療科において医師の確保が困難な状況になっておることは事実であります。このことが大変喫緊の課題であるという認識を持っております。
次に、「医学部の新設の要望について」でございます。
国の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」では、医学部新設の議論をしていますが、賛成、反対の両者の溝が埋まっておりません。
また、平野文部科学大臣は当面の医師不足の解消には既存医学部の入学定員の拡大で対応すると明言しており、これまでの国の方針に変化がありません。
しかし、現在埼玉県では、医学部設置の可能性を含めた調査・検討を行っております。
今年度は医療・介護ニーズの将来推計、医療提供体制の課題分析、10年、20年後の医師の需給シミュレーションを行うとともに、医学部設置における費用や人材確保の課題を整理することとしております。
引き続き、多角的な調査・検討を進めてまいります。

A 奥野 立 保健医療部長

まず、新生児担当医師の確保に西埼玉中央病院とともに努力してほしいでございます。
現在、西埼玉中央病院では、首都圏の大学病院へ医師派遣を依頼するなど、担当医の確保に向けて懸命の努力をしております。
県としても、病院を統括する国立病院機構の本部に対し、後任の医師確保を強く要請し、対応策を協議しております。
また、病院が医師派遣を依頼する際には、同行して県内の周産期医療の状況を説明するなど積極的に協力してまいります。
県立小児医療センターからの医師派遣につきましては、現在、同センターからさいたま赤十字病院へ新生児科医を既に派遣していることもあり、西埼玉中央病院に医師を派遣することは困難な状況にございます。
次に、寄附講座も積極的に活用すべきでございます。
深谷赤十字病院や国立病院機構埼玉病院の例を見ても、寄附講座は有効な手立ての一つであり、大学医局等への医師派遣の要請に際しては、その活用を積極的に働きかけてまいります。
次に、医師派遣や若手医師のキャリア形成を支援する新たな組織の早急な創設でございます。
現在、県医師会と共同で、熟練した指導医の派遣、若手医師のキャリア形成支援などの機能を担う総合的な医局機構の創設を進めております。
来年度の組織設置を目指し、先月、県内の病院を対象に医局機構の説明会を開催したところです。今後、病院側のニーズや指導医の確保策などについて調査を実施してまいります。
次に、複数の病院での研修医の受入れでございます。
臨床研修制度の中には、複数の病院がグループを組み研修を行う仕組みがあり、本県でも普及をしております。
24年度は、この仕組みに基づいて35の基幹病院と76の協力病院が研修を行っており、この中には中小病院も含まれております。
県では、県内の臨床研修病院が参加する会議を開催し、優れたプログラムの紹介を行うなどして、この仕組みの普及に努めてまいります。
次に、県外医学生奨学金の返還免除に関する勤務地域の緩和でございます。
今年度から開始した埼玉県医師育成奨学金については、一般の診療科では、秩父地域など医師確保が困難な地域において勤務をすることを条件としております。
しかし、医師不足が指摘される産科、小児科、救命救急センターに勤務する場合には地域要件を課しておりません。
地域要件の見直しにつきましては、この事業が始まったばかりですので、今後の応募者の状況や卒業後の勤務状況、県内各地域における医師の必要性などを踏まえて、検討してまいります。
今後とも様々な取組を通じて、医師の確保に努めてまいります。

  • 上記質問・答弁は、速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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