埼玉県議会 県議会

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掲載日:2019年10月4日

平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (荒川岩雄議員)

(2)あえて子ども手当について

  • ア 現在の認識について
  • イ 効果について

Q 荒川岩雄議員(自民)

今さら子ども手当かと思う方もおりましょうけれども、子ども手当、消えたのか消えないのか、まだまだはっきりしておりません。民主党は、マニフェストの看板政策として子ども手当を掲げて政権を獲得、平成22年から導入したことは皆さんご承知のとおりであります。しかし、マニフェストに掲げた月額2万6千円の支給は断念、半額の1万3千円の支給からスタートいたしました。しかも、その財源が確保できないということで、われわれ地方に一方的な負担を求めた上での措置でありました。その後も、子ども手当を巡っては混乱に混乱を重ね、最終的に子ども手当は平成23年度で廃止され、今年度から児童手当に戻ったのであります。
子ども手当が本当に、真に必要とされる制度であったのなら、現政権は何が何でも、あの野田内閣の口癖の命をかけても守るべきだったんじゃないんですか。2年間で児童手当に戻ってしまったのは、もともと必要な制度ではなかったからなのではないでしょうか。子ども手当は、失敗だったんじゃないんでしょうか。
忘れもしない2年前のわが埼玉県議会予算特別委員会において、子ども手当について委員の質問に対し、知事は、社会全体で子どもを、未来を担う世代を支えようという理念については評価できると答弁されました。私は、理念についても本当は反対であります。百歩譲って理念は理念としても、それが子ども手当につながるとは到底思えません。子どもは社会が育てるのではなくて、親が育てるのであります。古今東西、生きとし生けるもの、子どもは親が命がけで育てる、これは当たり前であります。
皆さん、農家の軒下にツバメが巣を作るでしょう。ツバメは毎日、軒下の巣に待っているかわいい子どもに餌を与えます。自分は餌を食べなくても、ひなが巣立つまで命がけで餌をとってきて与えているさまを見たことあるでしょう。仲間の力は全然借りません。そもそも社会を当てにしなくても、本当に子育てを頑張っている人には周りが黙っておりません。東北を見てください。必死で頑張っているあの被災者の方々に、黙っていても日本中で手を差し伸べたではありませんか。これまで日本社会は、自助、共助で成り立ってきたのであります。
しかし、子ども手当は公助であります。必ずしも欲しがってもいないのに、お上のお恵み、効果のない銭をばらまかれては、たまったものではありません。こういったことを選挙のたびにやられたらかないません。日本人の伝統を壊してしまいます。知事は、子ども手当を評価していたと思いますが、現在でも理念も含めてすっかり同じ考えなんでしょうか。子ども手当制度に問題があったとは思いませんか。問題があったと考えておりませんか、伺います。
また、子ども手当はなくなってしまいましたが、あれほど騒がれた子ども手当であります。所得制限なしで、それこそ鳩山由紀夫さんの孫にでさえ与えてしまったんでしょう、これは。小学校の耐震化を遅らせてまで民主党がこだわった子ども手当であります。たとえ2年間であっても、さぞかしその効果があったんじゃないでしょうか。出生率は上がったんですか。お母さんは楽になったんですか。楽になって余裕ができたんですか。余暇ができてパチンコに行けるようになったという、しゃれにもならない話も出る始末です。子ども手当は国の制度ですけれども、手続は県と市町村が行っておりました。県と市町村が犠牲になっても効果があったのでございましょうか。理念はともかくとして、子ども手当導入の効果が本当に見られたのなら、見直す必要はありません。なぜ見直したんですか。
2、3日前の新聞に素晴らしい記事が出ておりました。子ども手当が支給されて2年目の昨年、埼玉県では生まれた子供が1,400人近く減ってしまったという皮肉な結果であります。少子化対策ではなかったんですか。7年ぶりに減ったそうです。子ども手当をくれたということで減ったというんですから、少子化促進対策になってしまったんじゃないですか。子ども手当の効果について、知事、どのように考えますか。しつこいようですが、もう一度これについてお答えいただきたいと思います。

A 上田清司 知事

「現在の認識について」でございます。
未来を担う子どもを広い意味で社会全体で育てようという子ども手当の理念そのものは、一貫して評価をしております。
日本という国は、英国の初代駐日公使を務めたオールコックの「大君の都」という本の中でも、こんなふうな記述があります。
「ほとんどの女は、少なくとも一人の子どもを胸に、そして往々にしてもう一人の子どもを背中に連れている。まさしくここは子どもの楽園だ。」と記述をしておりますけれども、当時のいわば上流階級に生まれたような外交官たちが、日本の母親、あるいはまた親と子どものふれあいを見て、「子どもの楽園だ」というようなことを評価している記述がたくさんあります。
そういう意味で、伝統的には日本は、子どもは「社会の宝だ」と、こういう思いを持っていたものだと私は思っています。
一方、子育て世代は若いこともあり所得が低く、例えば平成22年度における30代前半の平均年収は384万円、そういうことで、これまで行政は児童手当などを使って支援をしてきたわけであります。
それでも、日本はOECD加盟国の中で、子育て関係への支出が最も小さいと指摘をされてきました。
平成19年のデータでは、日本の子育て関係の支出はGDPの0.79%と、アメリカの0.65よりは高いんですが、ドイツの1.88%、日本の2倍以上、フランスの3%、日本の4倍に近いと比べると、大幅に少ない。
そこで、子どもを大事にするというマインドをつくる、その象徴として子ども手当が出てきたというふうに思っております。
しかし、民主党の子ども手当は、この議会でもいろいろご指摘がありましたように、きちっとした制度設計ができてなかった、これは私もそのとおりだと思っています。
したがって、私はこの場でもご紹介させていただきましたが、イギリスのチャイルド・トラスト基金のような形が優れているのではないかという問題提起もさせていただきました。
すなわち、子どもが18歳になるまで手当を積み立てて運用して、子どもが社会に出ていくときにそれを渡す。
子どもは自分の判断で、それを進学の資金や資格取得や事業資金に使う。
そして、子どもはそのとき親や社会に対して感謝の念を持つ。
そういう形で、社会全体が子どもたちを見守っているという形の理念が生かされる、そんなふうに私は思っております。
こうしたことを申し上げてまいりました。
次に、「効果について」でありますが、マニフェストで掲げた月額2万6千円が支給できなかった一方、年少扶養控除は予定どおり廃止されたために、子育て世帯の手取りは全く増えなかったんです。
だから、半分の1万3千円も実質的にはいただいていないんです。
だから、7年ぶりに埼玉が少子化になったというのは、そのせいではないと私は思っています。
こうしたことから、いずれにしてもこの「金額」で少子化対策になるか私はとても思えないと思います。
金額が増えればたくさん産む、こういうものでもないと思っております。
いろんな要因があると思います。
要するに、私は少子化の流れを変えるには、やはり長期的な視点から国を挙げて、経済対策や社会保障政策をきちっと取り組んで、若い人たちに前向きなメッセージを出していかないと、良くなるよ世の中はと、どんどん良くなるんですと、少なくともあと5年たったり10年たったら、自分の所得も上がるんです、今は苦しいけれども、子どもを産んでいて、そして頑張っていれば、ちゃんと高校や大学に行くころは自分の所得も上がって、いざというときにはそれをカバーできるんだというような、そういう成長のシナリオだとか、前向きなシナリオを見せない限り、ちょっと負けちゃうなという感じで、なかなか行かないのではないかというふうに思っております。
そういう意味で、政府は速やかに社会保障制度の将来像を示して、その上で若い人たちが将来に希望を持てるような仕組みをつくるべきだと考えます。

再Q 荒川岩雄議員(自民)

さて、知事に一つ再質問したいのは、子ども手当についてなんですが、子育て支援、子育てのために支出するお金、これは私もどんなに多くしても多過ぎることはないと。子供は宝でございますから、同じなんです。ただ知事が言う、というより私が質問したのは、子ども手当というのはやっぱり間違っていたでしょうと。知事、考え、変わったんでしょうと。何か、変わったような変わらないような答弁だったけれども、理念はいいんです。理念は私も同じなんです。だから、そこのところをはっきり言ってね、やっぱりくれるなら、スポイトで水を垂らすんじゃなくて、焼けた石を冷やそうといったって、バケツでぶっかけるような方法が必要なんですよ、やっぱり。だから、知事もそれを言っているんだと思う。ためて、ためて、十八歳になったら何百万たまっちゃったと。そうだと思うんだよ。そこのところ、知事ね、ここをはっきりもう一度お答えをいただきたい。

A 上田清司 知事

子ども手当について、理念は共有するということでございます。
この本会議場でも、予算特別委員会でもいろんな議論をしてきましたが、制度の欠陥があるということは、しばしば私は申し上げてきました。
そして、ともすれば、この子ども手当は親手当になる可能性もあると、そういうことも申し上げてきました。
そういう意味で、イギリスのチャイルド・トラスト基金のことを紹介しながら、実質的に身につくような仕掛けにすべきだということを申し上げてきましたので、実際そういう形にはならなかった、実際私はそのことも民主党の主たる議員に、このイギリスのチャイルド・トラスト基金の仕組みをご紹介して、変えてくれるようにお願いしたこともありました。
それ以前に、もう制度そのものが、欠陥があることと、予算の裏づけができないことで、取りやめになったわけでありますが、そういうことでございますので、そういう観点でご理解を賜りたいというふうに思います。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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