埼玉県議会 県議会

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掲載日:2019年10月4日

平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (森田俊和議員)

稼げる農家を増やすために何をすべきか

Q 森田俊和議員(自民)

私の自宅のすぐそばに、JR貨物の熊谷貨物ターミナル駅という貨物駅がございます。そのすぐそばに、「JA士幌町」という看板のついた大きな倉庫群がございます。ポテトチップスに加工されるジャガイモの倉庫です。9月になると毎日、専用の貨物列車が到着しまして、倉庫にジャガイモを運び込んでいます。こういう近所のご縁がございまして、北海道の帯広近郊にある士幌町の現地を訪ねてまいりました。
士幌町は、畜産と畑作の町です。JA士幌町をはじめ5つの農協でつくっているバレイショ出荷施設の運営協議会として、毎年およそ100億円の売上げがあります。そのうち費用はおよそ30億円、差し引き70億円の利益となります。農家の数はおよそ700戸、一戸当たりの売上げは約1千万円になります。このほか、この地区では4つの作物で輪作をしています。バレイショ、小麦、砂糖ができるビート(てん菜)、それからトウモロコシあるいは豆類という4つです。農協の出荷施設は、流通業、倉庫業の企業を思わせるような施設で、品質管理、コスト管理に非常に気を使っているという印象を受けました。どういう品質の作物をどのくらい作って、いくらで売って、いくらコストをかけるかということを真剣に考えているという感覚を受けました。町の経済を担っているという自負が若手の農家の方からも感じ取ることができました。これは北海道のことだろうと言ってしまうのは簡単なことです。
しかし、私は、この地域単位で単純化された図式に新鮮な驚きを感じました。そういう思いを抱えて帰ってきたところで、今度は埼玉で酪農をされていた方とお話をする機会がございました。その方は、旧児玉町のご出身で、お年は今70歳ぐらいですけれども、酪農を始められた昭和30年代の頃には、牛を1頭飼っていると、大体役場の職員さんと同じくらいのお金になったということです。2、3頭飼えば、町長さんと同じくらいの稼ぎになったということです。それが平成元年になると、今度は70頭飼っていてようやく町長さんと同じくらいの稼ぎになると。このままでは、自分が70歳になる頃には200頭ぐらい飼わないといけないなと思って、それ以上の規模拡大をせずに畜産から手を引かれたということでした。確かに、現在大きな畜産農家は200頭クラスになっています。
埼玉県は、幸いなことに何でもできます。米麦はもちろん、野菜も多種多様。多種多様過ぎることで、かえって見えづらくなってしまうところがあるのかもしれません。地域ごとに特性を見極め、適した作物を見出す。例えば、今ちょうど旬ですけれども、トウモロコシが一反で何本植えられていて、それがいくらで売れるのか。例えばトウモロコシの前後にはブロッコリーを植えて出荷する。そうやって1年に1つの畑を3回、4回回すとすれば、一反の畑で年間いくらの売上げになるのか。そこに、ほかの葉物野菜であるとか、あるいは米麦を組み合わせていくと年間いくらの売上げになるのか。具体的な作物、具体的な面積で計算する必要があろうかと思います。そうすることで、例えば一つの市で遊休農地が何ヘクタールあるというところに、あといくつ専業農家の余地があるのかということも計算できます。目標も立てやすくなります。ざっと私が簡単に計算するとですね、1千万以上農家が稼ぐには、大体、簡単に言うとですけれども、10反以上の面積が必要になろうというふうに思っております。
農業も他の産業と同様に、生産性を上げていくことで魅力的な職業になり得ます。先ほどの乳牛の例をとってみても明らかなように、昔と同じようにやっていては、専業ではとてもやっていけません。大消費地に近いというか、正にその真っただ中にある埼玉の地の利を考えると、新鮮さが勝負の野菜あるいは果物、こういったものの生産、販売には最適の場所です。ブランド力のアップや大がかりな広告、宣伝というものは全県レベルでないとできないでしょうが、個々の農家と向き合うには、やはり地域、地域での動きが大切です。本気で農業で食べていくという人を支えるために、まず、地域ごとのある程度のモデルを作り、そして個々の農家へ適合させていく。農業団体には実務的なパートナーとなっていただき、日常的な品質管理、販売、経営のアドバイザーになっていただく。既に埼玉県にも数千万あるいは億単位の売上げを持つ農家や農業経営体がたくさんあります。是非こうしたところに続く強い農家、経営体を育成していただきたいと思っております。農林関係の予算や人員が大分削減されている中で、心配な面もございますが、農林部として埼玉県の農業の生産性を上げ、力強い産業として育てていくために、今後どのように行動していくお考えでしょうか、農林部長のお考えをお聞かせください。

A 高山次郎 農林部長

議員お話のとおり、農業は適地適作が基本であります。
県では、地域の気候や土壌条件などを踏まえた目標経営モデルを示しながら、高収益な経営体の育成を支援してまいりました。
意欲ある農業者の挑戦的な取り組みのかいあって、着実な成果が現れています。
県内の力強い動きを3つ紹介します。
深谷市の畑作地帯では、ネギの植え付けから出荷までの全ての作業を機械化することなどにより、経営規模の拡大が可能となりました。
売上げが5千万円を超える農家も出てきています。
熊谷市の米麦2毛作地帯では、まとまった水田に大型機械を導入することにより作業の効率化が可能となりました。
米と麦で、延べ100ヘクタールの大規模経営を行っている農業法人があります。
県内には、有限会社を設立し、牛乳の生産のみならず、自家製ジェラートを直接消費者に販売している酪農家がいます。
1億円を超える売上げだそうです。
こうした元気のある経営体が県内各地で活躍しており、本県の農業産出額は直近5年間の伸び率でみると全国一であります。
将来にわたってこうした動きを継続していくためには、地域農業をけん引していく農家や法人などを育てていくことが何よりも重要です。
そんな意欲ある農業経営者からは、今後の埼玉農業の発展には、個人での対応が難しい農業生産基盤の整備や、新技術・新品種の開発に力を入れて欲しいという声があります。
そうした声にも十分応えながら、市町村やJAとも連携して、経営力の向上、生産の拡大や販売力の強化などを一体的に支援し、力強い埼玉農業の振興に取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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