埼玉県議会 県議会

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掲載日:2019年10月4日

平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (田村琢実議員)

県のエネルギー政策について

Q 田村琢実議員(自民)

我々は通常生活の中で、ふだん停電など気にせずに電気を安定的に享受できる環境にあります。これは我が国のエネルギー政策のたまものであり、東京電力をはじめとする電力会社の技術の高さを示しているものです。電力の需要に供給を秒刻みで一致させ、周波数を維持することが電力会社に求められるものであり、この調整を瞬時に行い、対策を進めることで電気の安定供給が行われているのです。昨年の福島第一原発事故を受け、電力会社への不信が高まっていますが、何十年もの間安定的電力の享受ができたのは、電力会社の技術があるからであります。このことを抜きにしてエネルギー政策を語ることはできません。安易な脱原発、再生エネルギーへの過剰な期待は、電力の安定供給を損なう結果となるのです。
ベースエネルギー源としての原発、需給調整機能を発揮する水力・火力発電、最大需要調整を行う揚水発電など発電システムの違いでその役割が違うものであり、これらをベストミックスさせることが電力の安定供給につながるのです。よって、電力固定買取制度や発送電分離は電力の安定供給を損なうばかりか、価格の高騰を発生させる結果となり、極めて問題があると考えております。
今、埼玉県をはじめ多くの自治体で電力の地産地消を目指し、再生可能エネルギーの普及啓発に力を入れています。また、今後は再生可能エネルギーの固定買い取り制度の導入により、再生可能エネルギーの普及は進む方向にあります。しかし、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは発電量が安定せず、電力の安定供給に一切寄与しません。これらを生かすためには電気をためることが求められるのです。
そこで、電気エネルギーを科学エネルギーとしてためる唯一のデバイスとして蓄電池の技術が期待できます。我が国の世論では蓄電池はでき上がった技術のように語られていますが、大型蓄電池はまだまだ発展途上の技術であり、その技術は世界の中で我が国が少しリードしている状況なのです。今後の研究開発次第で世界の圧倒的シェアを確保できる可能性を秘めているのです。
先日、私は早稲田大学理工学術院に伺い、蓄電池の世界的権威である逢坂教授の研究室を視察してまいりました。そこでは、蓄電技術の世界を先導する研究が行われていました。逢坂教授によると「各国は日本ほどの技術は持っておらず、日本が研究開発に本格的に取り組めば主要産業になる。そのためには、産官学の連携が必要であり、連携して研究開発を行うために研究開発拠点が必要である」と言われました。
そこで、埼玉県のポテンシャルを生かした未来蓄電デバイス研究拠点を県内に誘致し、蓄電の埼玉をつくっていくことを提案させていただきます。例えば早稲田大学本庄キャンパスを生かし、ホンダ自動車と連携させ電気自動車用の大型蓄電池研究を推進するのです。現在電気自動車と言えば充電を専用コードで行うイメージがありますが、研究開発を進めることで乾電池のようにバッテリー交換をすることで充電時間のロスをなくすことが可能となるのです。そこには統一した規格設計や販売システムなどが求められ、複合的に埼玉が世界をリードすることが可能となるだけでなく、県内企業の発展にもつながるのです。現状におけるエコタウンプロジェクトも、蓄電技術なしでは不可能であります。
今こそ蓄電技術開発の拠点を埼玉に誕生させ、研究補助金を交付することで安定的な研究開発が行えるよう、施策を講じる必要があると考えます。おおむね20億を10年、200億で埼玉が世界の蓄電拠点となる試算もあります。これほど可能性のある投資はありません。蓄電の埼玉を目指すことに知事の英断を期待し、所見をお願いを申し上げます。

A 上田清司 知事

東日本大震災の発生などを契機にエネルギーの地産地消を目標に掲げ、太陽光発電設備やLEDの普及拡大に努めてまいりました。
これまでも、このことを意識しておりましたので、結果として、公共施設や一般家庭への太陽光発電設備設置件数はいずれも全国2位のレベルであります。
しかし、ご指摘のように、太陽光発電は、天候などに発電量が大きく左右されることから、安定的な電力を利用するという形にはなっておりません。したがって、高性能でコンパクトな蓄電池の開発というものが不可欠であります。
また、災害時に地域間で電力を融通する非常用電源として活用するためにも、スマートグリッドの構築と併せて、高性能の蓄電池の開発が必要だというふうに思います。
ある意味では、世界中にエネルギーがありますので、こうした蓄電池が安価に世界中に提供できれば、資源をめぐる争いというのも、極めて少なくなる可能性もあると思います。
そういう意味で、蓄電池の開発というのは、人類にとっても、大きな意味がある、このように私は思っております。
また蓄電池は企業向けの高性能大型蓄電池から家庭用小型蓄電池、さらには次世代自動車の主力部品に至るまで様々な用途があり多くの分野への応用が可能であります。
これらの蓄電池の開発について本年1月、経済産業省が「蓄電池戦略プロジェクトチーム」を設置し国家プロジェクトとして進めています。
また、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構略称NEDO(ネド)では平成21年度から京都大学を拠点に7年間で210億円の予算をかけ、革新型蓄電池の実現に向けて国家レベルの研究を推進していると聞いております。
したがって、田村議員のご提案する10年間で200億円のプロジェクトは、少なくともこの京都大学のプロジェクトよりも早く完成させることが重要ではないかと私は思っております。
したがいまして、もしやるのであれば、3年間でやるというような形が必要になるのかと思います。
また、この研究開発の投資に見合う効果が埼玉県に生まれるかどうか、このことについても見極めないといけないと思います。
もし見極めることができれば喜んでやりたいと思います。
ただこの逢坂先生の方にも、県庁のしかるべき職員が伺いながら、そのプロジェクトの内容などについても精査をさせていただきたいと思いますので、田村議員のご紹介のほどもよろしくお願いいたします。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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