埼玉県議会 県議会

ここから本文です。

ページ番号:12066

掲載日:2019年10月4日

平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (中屋敷慎一議員)

正しい日本語(国語)表記の在り方について

Q 中屋敷慎一議員(刷新の会)

平成の時代も今年で24年を迎えていますが、昭和40年代に学校教育を受け始めた私でも、最近ちょっと気になる日本語の使われ方や会話に接することが増えてきたように感じます。
大手コンビニエンスストアのテレビCMでもよく耳にする「しゃべれる食べれるコンビニエンス」など、その顕著な例の一つですが、「食べる」などの動詞の可能を表す場合、「食べられる」と表すべきところを、このように「食べれる」と表す「ら」抜き言葉や、「うざい」、「きもい」など相手を侮蔑する言葉や、発音によって賛同を半ば強引に促す、語尾に「じゃね」を付ける表現や、水泳のオリンピック代表北島選手の発言で一躍有名になった「チョー」何々などに代表される若者言葉、そしてギャル語、バイト敬語なども含め、作られた日本語が数多く存在しているのが最近の実態です。
しかし、これは現在だけの現象ではなく、遠くは「枕草子」の中にも、「なに事を言ひても、『そのことさせんとす』『いはんとす』『なにせんとす』といふ『と』文字を失ひて、ただ『いはむずる』『里へいでんずる』など言へば、やがていとわろし」と、当時の若者の言葉の乱れを嘆く場面があります。このことからも、私たちの日本語は、時代とともに変化を繰り返し、今に至っていると考えられます。そして、その変化も手伝い、時代、時代の人々が分かりやすく親しみやすい言葉で意思や情報を伝え合ってきたからこそ、この国の伝統や文化は途切れることなく、脈々とつながってきたのかもしれません。このように一般社会においては、こうした時代、時代の流れが歴史を色づけしてきた部分もあると思います。
しかし、法令を遵守し、国を、地域を治めていく役所においては、別の判断が求められるのではないでしょうか。長い時代の変遷の中で、さきの大戦後の日本語表記問題の端緒は、昭和21年の漢字制限を意図した当用漢字1,850文字と新仮名遣いの採用にあります。その後昭和56年に、漢字制限から、目安であり強制しないとした常用漢字へ移行され、直近では平成22年11月30日に新たな常用漢字表2,136文字が告示されました。この新たな常用漢字表が告示されたことに伴い、同日付け内閣訓令第一号で「公用文における漢字使用等について」が定められました。次いで、内閣法制局による「法令における漢字使用等について」が定められ、現在の法令における漢字使用の目安となっています。また、この「法令における漢字使用等について」は全国に通知され、本県においても平成22年12月10日に埼玉県公文例規程が改正され、第三条で、公文書に用いる漢字については新しい常用漢字表によるものとするとされています。
さて、目安であり強制しないとした常用漢字ですが、その強制しないという曖昧さがゆえに、役所の文書の平仮名書き、まぜ書きを誘引している部分もあるのではないかと思います。こうした漢字表記の問題の中でも、特に本県では、「子ども」というまぜ書き表記が非常に目につきます。この「子ども」(まぜ書き)という表記に関しては、その語感から教育の場面に数多く見受けられますが、県教委だより、教育さいたマガジンといった広報ツールはもとより、生きる力と絆の埼玉教育プラン、子ども大学、放課後子ども教室など、本県いち押しのプランや事業も「子ども」(まぜ書き)表記で統一されているように感じます。私が調べた中で、唯一「子供」という漢字で表されていたのは、教育さいたマガジンの読者からの感想の文章のみでした。また、知事部局の中では、広聴広報課の彩の国わくわくこどもページは、「こども」という平仮名表記がされています。それぞれに何らかの意味合いがあるにしても、常用漢字の「供」の欄に例示として示されている「子供」という漢字表記が、本県の教育における場面でなぜこれほど少ないのか、理解に苦しむところです。
今回、私がこの問題を取り上げさせていただいたのは、平成14年に初めてPTA会長を務めたときの会員に向けた文書作成のときに、学校側やPTAの先輩から、学校では、子供の「ども」は平仮名で書くものだと教えられた経験があったからです。以来、私は何の不思議も感じないまま、「子ども」(まぜ書き)と書くことを疑うことすらありませんでした。
しかし、「子ども」(まぜ書き)表記の発案者が、日本子どもを守る会の二代目会長で中産階級的リベラリズムの立場に立ち、女性運動、児童福祉、性教育に傾注した羽仁説子氏で、「供」という漢字は従う者の意味を表すとの考えなどから、「子ども」とまぜ書き表記することが望ましいと提唱していたことや、その反対に、国立国語研究所の甲斐睦朗所長は、「子供」という言葉や表記に付録的な意味や見下げるような意味は全くないという見解を述べていたことなど、ある程度の背景も理解した中で、私には、小学生の間に習う漢字をあえて使わない合理的な理由も見出せませんし、常用漢字表に例示されている漢字を使わない理由も見出せませんでした。
また、この問題に対して、お隣の東京都では、都議会の古賀俊昭議員の尽力もあり、平成14年から本来あるべきである「子供」という漢字表記への変更が順次図られてきています。資料をお見せします。これは「とうきょうの教育」という教育の広報なんですけれども、こういうふうに「子供たち」というふうに既に19年の中ごろから記されています。
さて、埼玉から日本を変えるという意気込みの下に重要施策を推し進めていらっしゃる上田知事ですが、その実現のためには、しっかりとした広報によって県民の理解を深めることは極めて重要です。パネルを駆使し、言葉を紡いで119万人を超える数多くの人々の支持を集められた上田知事の目から見ると、この本県の「子ども」(まぜ書き)表記事情はどう映っているのでしょうか。率直な感想をお聞かせください。
また、本県の公文例規程をつかさどる総務部として、この問題に対してどのような所見を持ち、どう対処していこうとするのか、総務部長にお尋ねします。
そして、本県の教育の現場をつかさどり、教育立県埼玉実現に向けて日々努力を惜しまない教育局として、この事実をどう受け止めて、どのように対処していこうとするのか、教育長に伺います。

A 上田清司 知事

言葉や表記は時代の流れの中で変化をしている、ご指摘のとおりだと思います。
例えば、江戸中期から明治初期までは庶民層を除けば伝統的な漢字が多く使用されておりました。
しかし、いわば社会が発展する過程の中で多くの人たちに文字を学ばせ、書かせたりするために、平仮名やあるいは平仮名との交(ま)ぜ書きが多くなってきた、このように思っております。
お尋ねの「こども」という表記は、漢字2文字の表記と「子」が漢字で「ども」が平仮名の交(ま)ぜ書き、さらに平仮名だけの「こども」という表記があります。
正直なところ、私は全く意識をしておりませんでした。今回、問題提起をされて、深く考える機会をいただきました。
結論から言えば「子供」ぐらい簡単な漢字を、あえて交(ま)ぜ書きにする必要もない、このように思っております。
それから、子供は一般的に親についていくのが自然の状態であります。それからまた、日本ほど子供が大事にされた国は基本的にはありません。こうしたことは、明治時期に来た海外の方々の文献を読んでも、明らかになっています。
したがって、「子供」の「供(とも)」という漢字については考え過ぎで、一種の自虐史観ではないか、こんなふうに私は思っています。
現在、国の法律文の中で、交(ま)ぜ書きで表記された「子ども」、つまり漢字1文字に平仮名の「ども」の交ぜ書きが多く使われております。
つまり、公文書の中でも使用されているという事実がございます。
また、新聞や雑誌など社会一般でも様々な表記がされておりますので、現状において表記を統一しろという話は難しいかもしれません。
しかし、わざわざ日本人の知的レベルを下げるようなことを公の部門がするのがいいのかどうか、このことについて私は疑問を持っております。
今、中屋敷議員の問題提起がありました。これを真摯に受け止めて、知事部局と教育委員会でこの問題についてしっかり意見交換をして、望ましい表記の在り方について結論を出したいと思います。

A 倉上伸夫 総務部長

議員お話しのとおり、県の公文例規程は、公文書に用いる漢字について国の取扱いと同様に常用漢字表によるものとしており、漢字使用の目安を示しております。
現在、県の公文書における「こども」の表記については、必ずしも統一されている訳ではございません。
次世代育成支援対策推進法など国の法律では、漢字と平仮名との交ぜ書き表記が使用されており、こうした法律に基づく県の計画などにおいては、法令に合わせた交ぜ書き表記となっております。
また、通知やパンフレット、県ホームページなどにおいては、漢字表記と交ぜ書き表記の両方が使われております。
さらに、小さなお子さんや外国人を対象とした文書では、全て平仮名表記をしております。
また、日常生活では、新聞やテレビ、書籍などでさまざまな表記がされております。
このような状況から、現段階においては一つの表記にそろえるのは難しいと考えておりますので、現状を踏まえながら、対処してまいります。

A 前島富雄 教育長

漢字を学ぶことは、国語の学習はもちろんのこと、国語以外の教科等の学習、読書活動、更に社会生活全般においても重要であります。
学校では、学習指導要領に基づき、各学年で指導することとされている漢字をしっかり指導しているところでございます。
また、伝統的な言語文化を学ぶため、漢字の持つ意味や内容への理解が深まるように、慣用句や、故事成語などの学習と併せて漢字を学んでおります。
こうして学んだ漢字をその後の生活の中で活用することは大切なことであります。
公用文における用字については、知事部局と同様、教育局においても常用漢字表によるものとされております。
この常用漢字表は、法令、公用文、新聞等一般の社会生活において、現代の国語を漢字で書き表す場合の目安として、内閣告示で定められたものであります。
教育局では、公文書の作成に当たり、常用漢字表に掲げられている漢字表記のほか、ひらがなだけの表記や、一部、漢字とひらがなのまぜ書きの表記を使っております。
これは、公文書の種類や読み手の年齢などによって、言葉や表現が分かりやすいかどうか、また、一般的に多く使用されている表記かどうかなどを考慮しているためでございます。
公文書などの作成に当たりましては、今後、知事部局と連携を取りながら対応してまいりたいと考えております。

再Q 中屋敷慎一議員(刷新の会)

正しい日本語(国語)表記についてなんですけれども、会場からも声があったとおり、それぞれの表現にいろいろな意味があるというのは、私も今回勉強してみて本当によく分かったなというところがあるんですけれども、そういった中でも知事が、検討していく、研究していくというふうにお答えをいただいた中で、総務部長のご答弁が、何か後ろに戻っちゃったかなというような感じを私自身はちょっと受けました。これは、規程という部分をつかさどっている総務部さんですので、当然それにのっとってやっていくというのは正しいことだというふうに私も思います。
しかし、常用漢字でない漢字を例えば仮名にする際には、両方とも平仮名にするべきだというふうに、内閣法制局の「法令における漢字使用等について」という中には記されています。そういったことを踏まえた中で、様々な場面を研究して検討していただくというふうに受け取らせていただいていいわけですよね。そこだけ確認をさせていただきたいというふうに思います。

A 倉上伸夫 総務部長

今、議員からお話がありましたとおり、また、先ほど知事が答弁したとおり、これから研究していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?